
Image by: FASHIONSNAP
デザイナー林陸也が手掛ける「シュガーヒル(SUGARHILL)」が、2026年春夏コレクションをショー形式で発表した。中央にミラーボールが吊り下げられた会場の東京・大久保の淀橋教会では、放射状の光がゆっくりと回りながら四方八方を燦々と照らし、星空のように光が散りばめられた空間を展開。ショー開演前には、ブランドとも縁の深いバンド「踊ってばかりの国」のギターボーカル 下津光史がアコースティックギターによる弾き語りのパフォーマンスを披露し、ブランド設立10周年を記念したショーを祝福した。
シュガーヒルは、2016年に始動。“ジャパニーズアメリカーナ(Japanese Americana)”スタイルを軸に、日常的なワークウェアに音楽カルチャーから影響を受けたパンクやグランジの視点でひねりを加え、再構築したユニセックスウェアを展開している。2021年にファッションアワード「TOKYO FASHION AWARD 2022」に選出され、2022年3月の「Rakuten Fashion Week TOKYO 2022 A/W」で初のランウェイショーを開催した。
「節目とは、終わりではなく、新たな始まり」をテーマに構成された今回のショーは、エイジング加工を施したブラックのレザーライダースジャケットに、ゴールドのスパンコールを全面にあしらったブラックのシアー素材のブラウス、ダークなインディゴカラーのデニムパンツ、ビットローファーを合わせたルックでスタート。ヴィンテージ感漂うレザーアウターや、多様な加工を施したデニムアイテムをはじめ、ワークやミリタリースタイルをベースにグランジやパンクの要素と掛け合わせた、10年間のブランドのクリエイションを総覧するようなコレクションを展開した。アイテムのディテールやスタイリングには、シグネチャーであるリボン状のコードのほか、ウエスタン調のデザインや装飾、レザーチョーカーやハーネスといったパンク由来のモチーフを随所に散りばめた。
ショー中盤では、リジッドデニムとブリーチデニムを半身ずつ用いたジャケットに、パンツのウエストから裾にかけて異なる加工によって経年変化が表現されたデニムパンツを合わせたルックが登場。後続するルックの、青緑色に錆びた無数のスナップボタンをあしらったデニムライダースジャケットとともに、ブランド哲学の一つである「Aging of indigo, iron and leather(インディゴ、鉄、革の経年変化)」や「Exploration of finishing techniques(仕上げ技術の探求)」などを象徴的に体現した。
歴代のコレクションに通底するテーマやエッセンスが走馬灯のように展開された今回。今シーズンを代表する新たなエッセンスとしては、チロリアンテープをあしらったシャツやショートパンツなどのボヘミアン要素、ハーフパンツにハイソックスとローファー/ウエスタンブーツを合わせたスタイリングを多く取り入れた。オーセンティックで歴史的なスタイルと、現代的なシルエットやディテール、ムードを叙情的かつ軽やかに融合させる、林の手腕が発揮されたコレクションとなった。
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