2010SS

suzuki takayuki

 10月21日、アート・コンプレックス・ホールにて行われた「suzuki takayuki(スズキ タカユキ)」のインスタレーションはユニークな演出で観客を魅了した。

 真っ白な布で区切られたスペースに入ると、中には黒と白のツートーンで構成された13体のマネキンが。壁には女性ダンサーの動きを捉えた連写のポートレイトが掲げられ、静と動のコントラストを見せた。しばらくすると照明が落ち、弦楽器のカッティングが会場を包むと、そのサウンドエフェクトに連動したライティングが目まぐるしく空間を飛び交う。「静止した空間でどのようにして服の動きを感じてもらうかがポイントだった」とデザイナーが語るように、今回のためにサウンドやスピーカーシステムまでも作成し、直前まで何度も細かい調整が続けられたという。光や音によってくるくると変化する服の質感や陰影を近くで味わえるのはインスタレーションならではの強み。ランウェイでは表現しきれない抽象的な思想やディテールを味わえる、贅沢なイベントとなった。

 今回のテーマである"a moment"は、光や音など、普段目に見えないものがどのように服に影響を与えるかということを再認識する試み。たとえば音そのものの質感やリズム、配置などが五線譜や鍵盤を思わせる服のタックやカッティングに生かされている。また、シルクのチュールやオーガンジーを重ねたドレスに音符のイメージのアクセサリーを加えるなど、スズキ タカユキらしいロマンティックなディテールも魅力的だ。

 「ゆっくり自分のペースで見たり触ったりしてほしい」と、10月22日から24日までは一般開放も行うという。服だけでなく空間そのものを共有するユニークな新作コレクション、ぜひたくさんの人たちにその世界を体験してほしい。

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