Interview | 彼が思う美意識について。vol.17

鈴木仁

鈴木仁

Interview | 彼が思う美意識について。vol.17

パスタを茹でながら考える
「新しさ」について 

リリー・フランキーさんが教えてくれたこと

鈴木仁

 「美しさ」の意味や考え方は、十人十色。傷ひとつないまっさらな状態も、時を重ねてなお輝くアンティークな状態も、美しさの一部だ。今を生き、未来への上り坂を駆け上がっている"彼"は、美しさをどう捉えているのだろう。ビューティ、ファッション、ライフスタイルの枠を超えて、彼の美意識を紐解く、オリジナルインタビュー。第17回は、モデル・俳優の鈴木仁にフォーカス。

 モデルとしてキャリアをスタートし、俳優としても映画やドラマへと活躍の場を広げてきた彼。ファッションの世界で自分自身の見せ方を磨きながら、俳優としては役を通してさまざまな人物の生き方や感情を表わしてきた。そして今、多彩な表現に触れてきた経験が、唯一無二の美意識を形づくっている。
そんな彼が思う美意識とは⎯⎯。

topic1. 思いがけない日やけで高まったスキンケア意識

 真夏の夕方、という崩れがちな時間帯にも爽やかな笑顔で登場した彼。プライベートでメイクはほぼしないからこそこだわるという素肌の作り方について話してくれた。
⎯⎯ 今日(撮影は7月中旬)はかなり暑いですが、その爽やかさを保っていられる理由はなんでしょう。

 爽やかですか?ありがとうございます(笑)。運動が好きでよく汗をかくから、シャワーに入る回数は多いかもしれないですね。あとは肌。清潔感って、肌に出るところもあるんじゃないかと思うんです。

⎯⎯ 確かに。スキンケアは何を使っていますか?

 できるだけシンプルなケアを心がけています。特に「ラ ロッシュ ポゼ(LA ROCHE-POSAY)」のミスト化粧水「ターマルウォーター」と、「イプサ(ipsa)」の乳液「ME n」の3番と8番を長らく愛用しています。この2つのブランドは、いろいろ試した中でも特に優しくて、自分の肌にあっている感じです。

 1日に数回シャワーに入ることもあるので、その度にこの2つを使ってケアしています。簡単だし、頑張りすぎ感がないところも続けられている理由ですね。1日の終わりには入浴後に美容液や、パックなども取り入れてしっかりケアしています。
⎯⎯ シンプルなケアこそ自分に合うものを選ぶことが重要だと思いますが、アイテム選びのこだわりは?

 成分が強すぎると肌が疲れてしまうので、できるだけ刺激の少ないものを選ぶようにしています。いろいろな種類のスキンケアアイテムを使ってみて、時に肌荒れを起こしながら今の愛用品に辿り着きました。

⎯⎯ モデルの仕事をする前からスキンケアはしっかりしていましたか?

 いえ、ほぼしていませんでしたね。きちんとするようになったのはやっぱり、高校2年生の時にモデルの仕事を始めたのがきっかけです。当時はサッカー部で日やけしまくっていた頃で、オーディションに行くと色白の人や肌の綺麗な人ばかりで「やばい!」と感じて。年齢的にも肌が荒れやすい時期でしたし、最年少で「メンズノンノ(MEN'S NON-NO)」に入ったこともあって、とにかく気をつけようという気持ちが高まりました。
⎯⎯ 10代の"肌荒れ時期"を過ぎて、今は安定していますか?

 そうですね、大きな肌荒れは気にならなくなりましたが、去年、冬の撮影現場で予想外に日やけしてしまったんです。長時間屋外での撮影が続いたのですが、冬だし大丈夫だと思っていたんです。気づいたら「自分、顔黒くない?」って。

 それで美白ケアに関心を持ち始めました。ただ、白くなりたいというわけじゃなくて、日やけする前の自分の肌色に戻りたいな、と。冬でやけるなら夏なんて本当にやばいじゃないですか。なので日やけ止めは欠かさず使っています。それもラ ロッシュ ポゼのものですね。
左から、ラ ロッシュ ポゼ「ターマルウォーター」、イプサ「ME n 3」

topic2.古着が好き、だけど着こなしは綺麗に

 ファッションモデルとして数多の服を着こなしてきた彼の貴重な私服。力が入り過ぎず、それでいて目を引くコーディネートには、しっかりこだわりがある。
⎯⎯ 今日は私服でお越しいただきました。ユーズド感がありつつも個性的なデザインが素敵です。

 これは「エッシャー(M.C. ESCHER)」の古着です。Tシャツはたくさん持っていますが、柄物だと古着、無地なら新品を買うことが多いです。新品のパリッとした感じよりも、少し使用感があるほうが着やすいんですよね。
⎯⎯ きれいめよりカジュアルな系統が好き?

 ストリート寄りのアイテムをきれいめに着てバランスをとる、という感じです。ヴィンテージのアイテムを、野暮ったくなりすぎないようにミックスするのが自分らしいスタイルかなと。メンズノンノのモデル仲間はそれぞれ我流のスタイルがあって、一人ひとりが違った個性を持っているので見ていて楽しい。その中で自分はどんな見せ方がいいんだろう、ということを常に考えてきたから、私服でも自分に似合う着こなしは意識しているかもしれません。

⎯⎯ ショッピングはどのように楽しんでいますか?

 仲の良い店員さんがいるなじみの店へ出向くことが多いです。下北沢や高円寺、代官山などなど、割と広範囲。ネットショッピングはほぼしなくて、SNSとかで見ていいなと思っても、基本は店舗に足を運んで試着します。
夕暮れ時の空を眺めていた彼に「振り向いてください」の一言。振り向きざま一発目のショットでキメてくるプロ意識に、モデルとしてのキャリアを感じる
⎯⎯ 買い物をする時は1人が多い?

 よく行く場所なら1人でも行きますが、友人に連れられて行くこともあります。服が好きなので、誰かのおすすめで知らないブランドと出合うのも楽しいんです。(同じメンズノンノモデルの)鈴鹿央士とはよく出かけます。彼が突発的に「今から行こう!」って言ったりして、ついていく感じですね。今日つけているリングも、1年くらい前に央士と出かけた先で購入したものです。

⎯⎯ 最近は何か買いましたか?

 去年の冬物のセール品ですが、「マルニ(MARNI)」のニットを買いました。今着るものじゃなくても、いいと思ったら買っちゃいます!

topic3."素の自分"を絡めて演じた新ドラマ

 今年、主演作品でまた新しい一面を魅せる彼。新作で演じた役には、さりげなく"鈴木仁"の個性がにじみ出ているという。

⎯⎯ 今秋には累計25万部超えの人気漫画が原作のドラマ「お前のほうからキスしてくれよ」で主演を務められますね。

 僕が演じる上野功(うえの・こう)は、一見クールそうだけど、可愛らしさのあるキャラクターです。外面として作っている顔があるのに時々漏れてしまう人の良さが上野の魅力だと思います。
立っているだけで汗ばむ気温の中、数十分の徒歩移動を心配する撮影陣に「しょっちゅうボルダリング行ってるので全然大丈夫です!なんなら走ります?」と笑顔を見せる彼
⎯⎯ 役作りでこだわったことは?

 コメディ寄りにはしたくなかったので、台本と原作を読み込んで、表情の細かなニュアンスを大事にしました。ピシッとした姿勢や、変化しすぎない表情の中から、ちょっとしたニュアンスで意思がにじみ出るように、というのは気にしながら演じていましたね。

⎯⎯ 鈴木仁と上野功、似ているところはありますか?

 上野は感情をクールに抑えられるキャラクターですが、僕は隠すタイプではないかもしれないです。その点は違いますね。ただ、起きたことに対してどう思うか、近しい関係性の人をどう扱うか、みたいな部分には共通することもありました。そこは無理に上野に寄せるのではなく、人間らしく、自分の感情のまま素直に動くことを大切にしましたね。今回はキャラクターに自分を寄せるというより、素の鈴木仁をうまく絡めた部分も多かったです。とにかくドラマを観てみてください(笑)。
⎯⎯ このドラマはどんな人が楽しめる作品ですか?

 どの世代の方が見てもおもしろいと思います。両極端な2人が向き合う中で言葉にすることの大切さや、行動とは裏腹の感情が丁寧に描かれています。セリフやモノローグだけでなく、監督が間の使い方によっても心情を表現しているので、登場人物の心情の機微を読み取ってもらえたら嬉しいです。

topic4.彼の美意識

 自然体でいながらも魅力的な人には、必ず芯がある。モデルとしてトレンドと向き合ってきたからこそ語れる"変化"への考え方には、独特の美意識が隠れていた。

⎯⎯ 鈴木さんが思う「美意識」とは?

 自然体でいるための準備、ですかね。俳優の現場ではメイクや作り込みで役の幅は広がりますけど、そのままの状態でもきれいに見えることが、人として一番いいのかなと。

⎯⎯ 美意識にゴールはあると思いますか。

 ないんじゃないですかね。「今こういう人がかっこいい」っていうのはどんどん変わっていくじゃないですか。僕はいろんな人のいいところを少しずつ取り込んでいくタイプだから、いつでも変わる準備ができているというか。むしろ生きている限り、変化し続けていたほうが面白いと思っています。
鈴木仁(すずき・じん)
1999年7月22日生まれ、東京都出身。2016年に「第31回メンズノンノモデルオーディション」で準グランプリを受賞し、モデルデビュー。2017年にドラマ「リバース」(TBS系)で俳優デビュー。押田岳とW主演を務めるドラマ「お前のほうからキスしてくれよ」(フジテレビ系)が今秋スタート。Instagramは@jin_suzuki_722
styling: Jin Suzuki, hair&make: Ayaka Sugai | photography: Katsutoshi Morimoto, casting: Rika Yamaguchi, editing: Hikaru Kimura(FASHIONSNAP)
Published on: 2026.08.24