Mitsuhiro Minami

人気ドラマの衣装提供 ブランドからも発信を

南 充浩

繊維業界記者・ライター兼広報アドバイザー

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 予想外の大人気ドラマとなった「半沢直樹」だが、そのドレスシャツをシャツメーカー、フレックスジャパンが衣装提供している。きっかけはフェイスブックで(弱々しく)告知されたことで、それを基に情報がすでに拡散している。

これは告知宣伝という分野においては、至極当然の動きであるが、失礼ながらフレックスジャパンの現在の告知活動ではいささか物足りない。

ちなみに、水谷豊さん主演の刑事ドラマ「相棒」シリーズにもフレックスジャパンは衣装提供しているそうだが、こちらもあまり大々的に告知しているとは言えない状況である。

「半沢直樹」は7月から始まったドラマの中ではもっとも注目を集めており、これを活かさない手はない。
これが勢いのあるアパレルメーカーならドラマの知名度を活かして、積極的なプロモーションをかけるだろう。

「相棒」シリーズもそうである。
始まりは地味だったがジワジワと視聴率を伸ばして、現在では15%以上の視聴率を平均的に稼ぎ出す人気シリーズにまで成長した。

先日、知人と話をしていたのだが、もし自分たちがフレックスジャパンの販促だったら、半沢直樹は全10話の放送予定なので、劇中登場したドレスシャツ10枚を「半沢直樹セット」としてセット販売を企画する。
第1部・全5話の「大阪編」にちなんで5枚セットの「大阪セット」、第2部・全5話の「東京編」にちなんだ5枚セット「東京セット」なんていう販売方法でも良いかもしれない。

「相棒」シリーズを使っても同じような手法で企画できるのではないだろうか。


さて、話は20年前に戻る。
92年とか91年とかそのあたりのことである。
就職活動で、大阪・本町界隈にある老舗婦人服メーカーを何社かまわったことがある。
そのうちの何社かは当時の人気ドラマに継続的に衣装提供を行っていた。
インターネットも無い時代であるから、それを確認できるのはドラマのエンディングで流れるテロップだけである。
テロップの字は小さいし、流れる速度は速いし、社名ではなくブランド名・ブランドロゴの場合もあるから、なかなか明確に読みとれない。よほど集中して見るか、動体視力に優れていなくては無理だろう。

しかし、そうは言っても、当時は自社で自由に告知できるメディアが少なかったから、そんなテロップでも唯一の告知方法でもあった。

現在だと自社で自由に告知できる媒体としてインターネットがある。
自社サイトを更新するのはいろいろと手間があるが、ブログ、ツイッター、フェイスブックなら手軽にしかも無料で自社の情報をタイムリーに告知できる。原則的には。

「うちはドラマに衣装提供してるんですよ~。詳しくはドラマのテロップで」なんて間抜けな告知をする必要はなくなっており、それを自社サイトなり公式ブログなりツイッターなりフェイスブックなりLineなりで告知すれば効率的により多くの人へ情報が拡散できる。

残念で、しかも失礼ながらフレックスジャパンはもっと大々的に自社でインターネットを使って告知すべきではないかと思う。
「今週は堺雅人さんが当社のシャツを着ていました」とか「来週は北大路欣也さんが着用します」というようなことをこまめにブログやツイッター、フェイスブックを使って発信してみてはどうだろうか。


ついでにいうと、そういう告知ができていない老舗メーカーは数多くある。


取材などでお邪魔した際に「実はあのドラマの主人公が着用していたのは当社の製品なんですよね」とか「某グループがコンサートの時に着ていたのはうちの製品なんですよ」と聞くことはたびたびある。
もちろん、単なる製造請け負いだから自社の名前を出せない場合もある。しかし、そういう場合を除いてはもっと積極的に情報発信することを考えてみてはどうだろうか。


今回、事例としてたまたまフレックスジャパンを挙げさせていただいたが、同じような物足りなさを感じる老舗アパレル、老舗ブランドは数多くある。このあたりも国内の繊維・アパレル業界が低迷する一つの原因なのではないかと感じる。

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