Mitsuhiro Minami

デニムを一貫生産できるのは国内に2社だけ

南 充浩

繊維産業ブログ

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 レディースブランド、メンズカジュアルブランド、SPAブランド、セレクトショップなどが広くジーンズを扱う時代になって久しい。
これらのブランドの企画担当者は「うちは国内のデニム生地工場と直接取り引きしています」と胸を張ることが多いが、よく尋ねてみるとそれは生地工場などではなく、単なる生地商社や振り屋、ブローカーであることが多い。
「おいおい、あそこはいつからデニム生地工場になったんや?織機なんか1台ももってないけど」と心の中で突っ込むこともしばしばある。
ブランド側の事実誤認なのか、生地商社や振り屋の口から出まかせなのかはわからないが、事実関係を歪めるであろう「ハッタリ営業トーク」は勘弁してもらいたいものである。

デニム生地を作る工程は大きく分けて

紡績(綿花から綿糸を作る)→ロープ染色(糸を染色する)→織布→整理加工

と4工程がある。
4工程の中にもそれぞれこまごました工程があるのだがそこは省略させていただく。

この4工程をすべて自社工場内で一貫生産できるのは、国内ではカイハラだけである。
紡績を除く3工程をすべて自社工場内で一貫生産できるのは、国内ではクロキだけである。

この2社以外に一貫生産できる工場は国内に存在しない。

その他にも有名な織布工場はあるが、そのほとんどは織布のみ、もしくは織布と整理加工を行っている。
織布工場の名誉のためにいうと、各国内産地は分業制が当たり前であり、デニム生地の三備産地だけが特別なわけではない。だから紡績や染色、整理加工などの工程を他社に依頼することは当然なのであり、カイハラとクロキが特殊な立ち位置だともいえる。

そういう状況が理解できていれば、ディスプレイ程度にしか織機を抱えていない生地商社や、まるっきり生産設備のない振り屋が「デニム生地工場」を名乗れるはずもない。

さて、前振りはこれくらいにして、上に述べた状況がクロキブログでも語られているのでご紹介したい。

http://ameblo.jp/yan17bo14/entry-11633881412.html

服飾業界の方、デニム工場の全行程を見学をされた事はありますか?

ジーンズおよびカジュアル衣料関係の方でも少ないと思います。

可能性としたら、織布工場くらいは、見た事があるかもしれませんが,,


紡績からの一貫工場は、日本に1社しかございません。

広島県のカイハラさんです。

染色からの一貫工場は、弊社(クロキ)だけになります。


東京や岡山の生地ブローカーさんや、生地コンバーターさんから

生地を買っている方、デニムが出来るまでの工程を全部見学したいんやけど..

て彼らに言ってみてください。

答えに窮するか?

上記2社へ案内するか?

の2択になります。

平素より、お付き合いの少ない、商売実績の少ないその手の会社から

工場見学の時だけ、見せてください!って言われる事があります。

え~~~、おたく、うちで生地買ってましたっけ?普段、生地を買っている

会社へ連れて行ったらどうなの?って、いじわるを言うんですが、

彼らは必死ですわ!ボロが出るからなあ!一切、お付き合いのない

会社でも、工場見学だけ言ってくる場合もありますよ!

だって、見せる事が出来るのは、2社しかないですもん!


また、セルビッチデニムをほとんど、自社の工場で織っていない

デニムメーカーもあります。織っていないのではなく、織れないんです。

重衣料用(太番手用)の織機がないんやから..無理やわなあ!

でも、セルビッチデニムで有名な会社なんよな~~

おかしいわなあ!

お客さんにしてみれば、

自分の発注している生地を織っている所は見たいでしょう!

自社で織ってないから!

見せれないんよ!


オカシイ!って早く気付きゃあ良いけど..

とのことである。

製造工場からこういう発信はありがたい。
製造工場の多くは発信が足りず、紛い物の生地商社や振り屋、ブローカーの多くは発信だけが上手い。
その結果、実態とは異なった「評判」が業界の内外を問わずに独り歩きすることとなる。上に引用したクロキブログによると、舌先三寸で世渡りをしている「セルビッチデニムで有名な織布工場」が存在するらしいが(笑)。はてどこだろうな~?(笑)

とにかく、国内生産のデニム生地について、カイハラとクロキ以外の社名を挙げて「当社は国内で一貫生産しています」とか「○○社で一貫生産した国内デニム」などと語る企業があればそれは詐欺行為である。

南 充浩

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