
デザイナー森永邦彦は、「ANREALAGEはシーズンごとにテーマを変える実験的なブランドだが、半年というサイクルで終わらせるのではなく、これまで取り組んできた手法を、より長く着られるスタンダードにしていきたい」という考えから、新ラインを立ち上げたという。ロゴには4つのブランドロゴが並び、ライン名の「ANSEASON ANREALAGE」には春夏秋冬のシーズンを超えるという意味が込められた。
造形性や細部のこだわり、パッチワーク、テクノロジカルなどをキーワードに、ファーストシーズンは40型を展開。シャツでは、2009年春夏「○△□」の球体パターンや、2011年秋冬「LOW」のピクセルを模したレーザーカットの襟、2013年秋冬「COLOR」の紫外線で色が変わる素材など、それぞれのテクニックを取り入れてバリエーションを展開している。ブランドの代表作の総パッチワークのシリーズは今シーズンから新ラインに集約され、パッチワーク風に数種の柄を組み合わせたコンピュータージャカードやデニムなど、オリジナル素材のベーシックアイテムを発表。ハンドステッチや、靴のパーツを再構築したりハンドステッチといった、ブランド初期の手法に再度取り組み刷新しているものもある。およそ8割はユニセックス展開で、デニムパンツが19,000円などメインラインより買いやすい価格帯を設定。森永邦彦は新ラインの制作を通じてこれまでのコレクションを振り返り、「その時は通り過ぎていたが振り返ってみると重要なことが多く、再度取り組むことで服としての価値に向き合うことができた」と話している。
3月28日に発表されたメインライン「ANREALAGE」2014-15年秋冬コレクションのテーマは「SEASON」。春夏秋冬を限定しないデザインや温度を可視化したサーモグラフィーのカラーパレット、温度調節素材アウトラストを取り入れるなど「季節に左右されない服」を目指した。