Fashion

ティルダ・スウィントンの即興劇「クロークルーム」モードとパフォーマンスを融合

ティルダ・スウィントン Image by Giovanni Giannoni / Pitti Immagine Uomo
ティルダ・スウィントン
Image by: Giovanni Giannoni / Pitti Immagine Uomo

 ピッティ・ディスカバリー財団は15日、イギリスを代表する女優ティルダ・スウィントン(Tilda Swinton)が主演を務め、パリ・モード美術館のディレクターのオリヴィエ・サイヤールが構成するパフォーマンス「Cloakroom(クロークルーム)」を、イタリア・フィレンツェで開催した。2012年の「the Impossible Wardrobe(ザ インポシブル ワードローブ)」、2013年の「Eternity Dress(エタニティ ドレス)」に次ぐ2人のコンビによる3回目の作品で、モードとパフォーマンスを結びつけた稀有な劇として高い評価を受けている。今回、ピッティ側がオファーし、メンズ見本市「ピッティ・イマージネ・ウオモ」の取材で集まった世界中のプレス関係者を対象に、スペシャルイベントとして2回に分けて披露された。(取材・文:増田海治郎 ファッションジャーナリスト)

— ADの後に記事が続きます —

 ルネッサンスの薫りが色濃く漂う荘厳な空間には、まるでパーティ会場の入り口のクロークのように、衣装用のラックと受付用の机が並べられている。それは素っ気ないバックステージのようであり、これから大女優が演じるとは思えない舞台だが、黒のミニマルなドレス姿のティルダが登場し、劇は始まった。パフォーマンスの内容は「集まった観客から身につけているものをティルダが机の前で受け取り、そのアイテムで即興芸を披露する」というもの。観客は自ら名乗り出て、事前の打ち合わせなしで自分の身につけているものをひとつだけ手渡す。オリヴィエは執事役で、ティルダがパフォーマンスを終えた後のアイテムを受け取りハンガーにかける役割を担う。

 ティルダの動きは奇想天外だ。パーカーコートを丁寧に並べた机の上にダイビングして頭を突っ込んだり、ジャケットを折り紙のように畳んでから肩にかけて赤ん坊を抱えるお母さんに変身したり、ジャケットを救命道具のように使ってみたり。アイテムごとの大まかな流れはあるのだろうが、一切の迷いのない動きは驚異的で、神々しい美しさが観客を魅了する。観客は世界中のプレス関係者ということもあり、手渡すアイテムのバリエーションが富んでいたことも、劇に奥行きを与えた。

 「ピッティ・イマージネ・ウオモ」は、1000を超えるブランドが参加するBtoB向けの合同展示会だが、ただ商品が展示され、バイヤーが買い付け、プレスが報道するというだけのものではない。「クロークルーム」のようなパフォーマンスを提供することで、ファッションを文化として尊重していることを示していると言える。(取材・文:増田海治郎 ファッションジャーナリスト)

最新の関連記事

Realtime

現在の人気記事

    次の記事を探す

    Ranking Top 10

    アクセスランキング