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三越伊勢丹HD大西社長 歩合制を16年から導入へ

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三越伊勢丹ホールディングス社長 大西洋氏

SPA手法で利益拡大
もの作りと販売力で構造改革

仕入れと販売が事業構造改革の両輪となる。百貨店の課題は収益力の向上にあり、売上高営業利益率が3%に満たない低収益構造からの脱却なしに、新たな事業モデルは構築できない。仕入れ、販売の戦略分野に要員を集中し、百貨店に求められる価値創造に挑む。

――仕入れ構造改革の進捗(しんちょく)は。

全体感としては着実に前進しています。14年度の差益(粗利益)額は前年同期比で上期が13億円、下期が35億円の計48億円増加する見通しです。ほぼ目標通りの水準です。もっとも、次のステップに踏み出すためには、今のままではだめです。過剰在庫を抱えれば、この取り組みは継続できません。原価引き下げ、独自性のある商品、最強の販売メンバーによる改革が最重点の課題です。

■もの作りをやりきる

――拡大に向けた施策は。

基幹3店(新宿、日本橋、銀座)と支店・地方店は別々の組織で、それぞれにバイヤーを配置しています。今の二つの組織を一本化した大商品統括部のように再編し、もの作りの全てをやりきる体制にします。これまではお客様が異なることで分けていたが、ノウハウを共有し、横串のMDを広げます。

――低下が続いていた差益率に歯止めが掛かった。

既存の仕入れ構造改革の取り組みは、仕入れ差益率が60%、売価変更(値下げ、商品ロス、カード割引)15~20%を差し引くと、売買差益率は40%を目安にしています。売買差益率は基幹3店などで改善しており、仕入れ構造改革の利益貢献が押し上げた結果です。売上高に占める仕入れ構造改革の取り組みを現状の14%(1400億円)から18年度には20%以上に拡大します。

――SPA(製造小売業)型の商品開発を増やしている。

SPA型の仕入れ差益率、売買差益率は、既存の自社開発品に比べて10ポイント高い水準です。素材調達、工場選定など外部委託せずに自らがもの作りに関与するもので、婦人パンツ、紳士雑貨などに広がっています。SPA手法の単品開発は18年度に300億円まで高める計画です。

規模拡大のテンポが遅いのが課題です。例えば当社は婦人ボトムを年間100万枚販売しており、一気に拡大できる条件は十分にあります。

■歩合制で販売員に配分

――販売の生産性の向上の課題は。

日本のサービス産業の生産性は欧米の半分だと言われているが、それは人を減らし、面積効率を高めればできるでしょう。我々の判断基準は1人のスタイリスト(販売員)がお客様にどれだけの満足度を提供できるかにあります。

販売専任職を昨年4月から復活させました。まだ11人の陣容ですが、一人ひとりの売り上げが明確になり、頑張った個人に対して給与をプラスできる仕組みづくりを始めます。対象範囲を広げて、コミッション(歩合)制を16年から導入します。

契約社員、パート、取引先を含めて、インセンティブ(動機付け)のあり方を検証していきます。正社員への登用や取引先のスタイリストに対しての表彰制度だけでなく、評価・処遇の新制度に組み込む考えです。

――仕入れ構造改革は売り切る販売力が重要になる。

適正要員配置の一環で、優秀なスタイリストを仕入れ構造改革の平場に重点配置します。獲得した利益増額分の一部をインセンティブとして配分することで、販売の質、量の生産性の向上につなげます。社内公募制も検討します。販売の質の向上は働く条件、環境など総合的に取り組んでいきます。

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