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ベテラン記者によるジーンズの深いぃ話 vol.1

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担当して20年の記者が語る、ジーンズの深い話

ジーンズを担当して20年の繊研新聞記者が、方々で仕入れてきたジーンズ&デニムのマニアック過ぎる話を、出し惜しみせず書き連ねます。今回は、ジーンズの仕上がりを決定付けるインディゴ染めから―――。

1、邪魔者が大活躍する本藍~インディゴ染めの話~

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アサリの砂抜きをするのに、スーパーで1キロ100円くらいで売っている塩を使うとアサリはなかなか口を開けてくれない。それが天日塩を使うと気持ち良さそうに口を開けて管を伸ばしている。二つの塩の違いは純度。原料はどちらも海水なのだが、1キロ100円の塩は工業的に作られるため、塩化ナトリウムが99%以上を占める高純度のものとなる。

海水から水分をとばして作った天日塩は塩化ナトリウムだけでなく、海水に溶け込んでいたミネラル成分がふんだんに残っている。だから、アサリは天日塩を溶かした水を自分たちがいた海と同じと考えて安心して口を開けてくれる。

これとよく似た話がインディゴ染料にもある。本藍と呼ばれる、植物の藍から抽出したインディゴ染料と、石油から作られる合成インディゴの成分を化学式で表現するとまったく同じなのだそうだ。しかし、本藍染めのジーンズと合成インディゴで染めたジーンズでは、誰が見てもわかるくらい同じ青でも色合いが違う。

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藍色の染料の抽出元は、藍という植物。福山の洗い加工メーカー、四川(しかわ)の藍畑

この違いをもたらすのが不純物なのだ。石油から作られるインディゴ染料は純度が95%以上なのに対し、植物から作られる本藍は不純物がかなり混ざっていて、徳島の藍で純度は5%程度といわれる。この不純物がいろんな条件下でさまざまな反応を起こす。いろんな色合いの成分が混ざっているため、緑がかった青など深みのある青になる。逆に合成インディゴで染めたジーンズは濃い藍色を表現しやすい。

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糸を染めた後に酸化させる工程"藍だて"の様子(徳島県の本藍染矢野工場)

本藍は原料の植物を染料にするまでに、植物を栽培し、それを発酵させるなど時間と手間がかかる。繊維を染めるにも糸の束を藍の甕に浸けて、さらに空気に触れさせて酸化させるという工程を何十回も繰り返して色味を濃くしていく。合成インディゴが開発されたのは、この時間と手間を嫌ったからだ。

これから不定期で連載していきます。乞うご期待ください!

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