Fumitoshi Goto

アマゾン、家庭用品のプライベートブランドを販売へ

激しくウォルマートなアメリカ小売業ブログ

在米28年のアメリカン流通コンサルタント

フォローする:

■ウォール・ストリート・ジャーナル紙は15日、ネット通販最大手のアマゾンが食品や日用品、家庭用品のプライベートブランド(PB)を発売すると伝えた。事情に詳しい複数の関係者によると、プライベートブランドの生鮮食品販売にも乗り出す。既に商標登録も終えており、アマゾンのPBの名称は「ハッピー・ベリー(Happy Belly)」「ウィキッドリー・プライム(Wickedly Prime)」「プレスト!(Presto!)」「ママ・ベア(Mama Bear)」となるとみられている。これらのブランドでナッツやスパイス類、お茶、コーヒー、ベビーフード、ビタミン製品のほか紙おむつや洗濯洗剤などの日用品も扱う。発売時期は早ければ今月末もしくは来月初めになるとしている。新たなPBは、4,000万人~5,000万人と言われるプライム会員に向けた限定販売になる可能性もある。アマゾンは2009年にプライベートブランド「アマゾン・ベーシック(Amazon Basics)」を発売しており、現在はパソコン・アクササリーやオフィス用品などを中心に収納用品やキッチン用品、ペット用品、リネン、パティオまで拡大している。900アイテムとなるアマゾン・ベーシックはプライム会員以外でも購入は可能となっている。アマゾンは今年に入って、オリジナルのファッションブランドも発売を始めている。紳士服の「フランクリン・テイラード(Franklin Tailored)」や婦人服の「ジェームズ&エリン(James & Erin)」、キッズの「スカウト+ロウ(Scout + Ro)」など7つのブランドでアイテム数は約1,800にも上っている。一方でアマゾンはプライベートブランド販売で失敗もしている。同社は2014年12月、プライム会員向けプライベートブランド「アマゾン・エレメンツ(Amazon Elements)」の販売を始めたが、発売から48日後にはベビー用おむつの販売を中止した。ベビー用ワイプは現在も継続販売しているものの、ベビー用おむつの販売は再開していない。中止理由は明かされなかったが、商品に欠陥があったといわれている。
なお、ウォール・ストリート・ジャーナル紙は1年前にもアマゾンがミルクやシリアル、ベビーフードなど食品のプライベートブランドを立ち上げると報じていた。

トップ画像:シアトルにあるアマゾン・ブックストアで販売されているプライベートブランド「アマゾン・ベーシック(Amazon Basics)」。2009年に発売となったアマゾンのオリジナルブランドはパソコン・アクササリーやオフィス用品などを中心に収納用品やキッチン用品、ペット用品、リネン、パティオまで拡大している。

15年1月23日 - 【アマゾン】、PBおむつが発売から48日で停止!失敗したファイアフォンとの共通点は?

15年5月30日 - 【アマゾン】、食品プライベートブランドを拡大?アマゾンは失敗から学ぶしくじり先生!

16年2月24日 - 【アマゾン】、オリジナルのアパレルブランド発売!スーツ・バイ・アマゾンを買います?

⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。先週の日曜日、アルディに視察に行きました。時間は6時頃でしたが、お客の少なさに「やっぱりか」という思いになりました。アルディは南カリフォルニアで苦戦すると後藤は予想しています。ローコストオペレーションなので撤退するまではないと思いますが、他の地域に比べて厳しい戦いとなると予測しています。理由の一つは扱い商品の8割以上がプライベートブランドであることです。安いからと言って、買いなれたナショナルブランドや贔屓にしているお店のプライベートブランドからスイッチするのは難しいのです。後藤はコンサルタントである以上に生活者です。アルディの視察ではできるだけPBを購入するようにしています。先日アルディで買ったのが、健康的なPB「シンプリー・ネーチャー(Simply Nature)」のパンケーキミックス。料理してみたら膨らまないわ、不味いわですぐに返品しました。返品まですると、このブランドで他の商品は買おうと思わなくなるのです。

⇒ホールフーズのPB「365」のパンケーキミックスも購入したことがありますが、こちらも厚みもなくペチャンコで不味かった...どちらの商品も人口添加物が含まれておらず健康にはいいのかもしれません。が、不満を感じたり不味ければ消費者にはアウトです。一つのPB商品の不満で、他のPBを試そうとは思わなくなります。プライベートブランドの展開は、企業にとって諸刃の剣なんですね。顧客がPB商品を気に入ってくれれば顧客を囲い込むこともできます。波及効果で他のPB商品も買うようになれば売上も伸び、PBの利幅の高さで利益にも貢献してくれます。一方、一つのPB商品でも不満があれば(返品できても)他のPB商品を積極的に買うようなことにはなりません。たとえナショナルブランドに比べて圧倒的な安さであっても、見知らぬブランドや以前購入し不満が残っているブランドには見向きもしなくなるものです。逆に安すぎれば「何かあるのでは」とためらうのも消費者心理ですから。

⇒アルディが苦戦するという予測は、南カリフォルニアでアルディ自体があまり認知されていない事にも起因しています。まずは牛乳や卵などステープル商品でお店になじんでもらい、それから徐々にPB商品を買ってもらうと。いきなり見ず知らずのお店のPBは難しいのです。フレッシュ&イージーがそうであったように、アルディも馴染むまではかなり時間がかかるのです。問題は南カリフォルニアが超が付くほどの厳しい激戦地域なので、店の認知さえかなりの時間を要します。ところで、小売では業界を問わずPBを拡大しています。競合店やオンラインストアからの攻撃をかわすため、PBで囲い込みを行おうとしているのです。アマゾンはエレメンツの失敗もよそに新たなPB展開を行おうとしています。彼らにとって失敗は学びでしかないのでしょう。PBを拡大するのは必至ですが、PBの付加価値がどこにあるのかが問われるのです。NBに比べて安いのは当たり前ですが、顧客から信頼を得るにはどんな展開をするのかが注視されています。
とりあえずアマゾンのPB商品にパンケーキミックスがあれば買ってみますね(笑)。

後藤文俊

記事のタグ

最新の関連記事

おすすめ記事

Realtime

現在の人気記事

    次の記事を探す

    Ranking Top 10

    アクセスランキング