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日本企業は今、ブランドストーリーを創造することが求められている

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良い物を作れば自然と世の中に伝わる?

そんな考え方をしてしまっていないだろうか。もちろん、国内などの狭い範囲においては口コミが回って勝手に価値を広めてくれる場合もあるだろう。しかし、縮小が避けられない日本の市場のみを対象とするのはリスクでしかない。そして、世界へ進出するためには「ただそこにあるだけ」では不十分であることは明らかだ。

日本には『眠ったままの技術』が多すぎる

世界へ進出出来るポテンシャルは十分に秘めている。しかし、シリコンバレーの某VCが「日本には『眠ったままの技術』が多すぎる」と語るように、技術があるのにも関わらず埋もれてしまっているのが現状だ。確かにMade In Japanの持つ影響力は小さくなっていることは事実。それでもやはり日本の職人の持つ技術というものは素晴らしいし、世界へ羽ばたける可能性を持っていると世界の投資家達は評価している。

参考記事:日本の企業が海外進出するべき3つの理由

"技術"はあるのに"価値"を帯びていない理由

世界の投資家達が言うように確かにそこに"技術"はあるのだ。しかし残念ながら"価値"を帯びることが出来ていない。

価値の変遷

そこにはこんな価値の変遷が存在しているからだ。今から約30年前の高度成長期には、技術=価値という式が成り立っていた。多機能で高機能な商品ほど良い製品とされ、価格も高かった。しかし、それだけではだんだん差別化することが出来なくなって来たので、そこにデザイン的な価値というものが追加された。多機能・高性能なだけではなく、オシャレでカッコ良いものがどんどん売れるようになっていったのだ。そして今の時代はもはやプロダクトそのものだけでは十分では無くなってきている。そこで重要になるのが"ブランドストーリー"だ。

供給者とブランドの違い

確かにB2Bの領域においては技術の追求、つまり「こういうことが出来ます」をリスト化するだけで十分なのかもしれない。しかしそのやり方だと世界ではブランドではなく「供給者」として活路を見出すしかない。

世界のファスナーの約45%がYKKのもの、iPhoneの中に使われている部品の50%以上が日本製、岡山のクロキのデニム生地はあのシャネルにも使われているなど、「供給者」としての日本の技術が世界で通用することはすでに証明されている。日本人として大変誇らしいことである。

しかし、それと同時に非常にもったいないと感じてしまう。彼らはB2Cの領域においてもブランドとして成功するための可能性をも十分に秘めているからだ。しかしそのためには高い技術だけでは不十分。なぜならもはや高い技術はブランドを構築する上での最低条件でしか無いからだ。

必要なのはブランドの創造

いつの時代も企業の価値はブランドという形で世の中が認知していたことに変わりはない。事実、90年代までの"技術=ブランド"だった時代は日本にも多くのグローバルブランドが誕生し世界へ多大な影響を及ぼしていた。

しかし、価値の変遷が起っているということは、ブランド価値を決める要素が変わってきていることを意味する。技術だけが価値では無くなったことに伴って、技術だけのブランドは衰退していってしまった。ではこの変遷の中でどのようにブランドを創造していくべきなのだろうか。そこで必要になるのがブランディングだ。

そもそもブランディングとは?

時代に関係無く、ブランディングによって達成されることは「企業価値の向上」に他ならない。では一体その「企業価値」とは何なのか。それは、消費者の"心"の中にイメージとして蓄積され、彼らにとってその会社を「特別にするもの」のことである。このぼんやりとしていて、でもしっかりと消費者の心の中に存在しているものこそが購買決定を左右する大きな要素となるのだ。

例えば、
「コーラはやっぱりコカ・コーラでしょ!」
「今度アップルが新しい商品を発売するんだって!」
「とりあえずナイキのランニングシューズを買っておけば間違いないよね!」
「フェラーリ乗ってる人はお金持ち!」
これらはすべてブランディングによって得られた企業にとっての資産と言えるだろう。

詳しくは今さら人には聞きにくい「ブランディングとは」をどうぞ

技術+デザイン+ストーリー=ブランド

一方で時代によって移り変わるのがその手法だ。ある時代はそれが"技術"によって達成され、ある時代はそこに"デザイン性"を付け加えることで達成された。

そしていま、"技術"・"デザイン性"に次ぐもう一つの要素として注目されているのが"ストーリー"の価値だ。「ストーリーによって生み出される将来像やビジョン」によってブランディングの目標である「企業価値の向上」が達成される時代になっている。この移り変わりはいま発展途上国で需要があるのは性能の良い商品であり、ストーリー満載の商品を投入しても爆発的に売れることはないことを想像して頂けるとわかりやすいだろうか。

ストーリー>技術

経済的余裕の無い発展途上国とは違い、先進国においてはその会社のストーリーに共感した人々が技術は多少劣っていたとしても彼らから商品を買いたいと思うことだってあり得る。例えば、SONYから発売しているXpediaはiPhone 6 Plusよりも遥かに高性能なカメラと高い防水・防塵性を備えている。しかし日本のスマートフォンシェアはiPhoneが50%を超えるのに対して、Xperiaは約3%とターゲット層の違いでは説明出来ないほどの差を付けられてしまっているのが現状だ。

このXperiaとiPhoneの例から機能などの相対的な価値よりもストーリーのような絶対的な価値が優先されていることがおわかり頂けるのではないだろうか。
では、アップルをはじめ、ルイ・ヴィトン、スターバックス、レッドブル、ナイキなど現在グローバルブランドと呼ばれるような企業はいったいどのようにしてストーリーを使い、今の地位を築き上げたのだろうか。そしてそんなストーリーはいったいどのようなプロセスを経て生まれるのだろうか。スティーブ・ジョブズと共に働いたマーケッターが語る「ブランドとはストーリーそのものなのよ」の真意とは。

Part 2: ストーリーこそがブランド価値の源泉である - 近日公開 -

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