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深い味わいある奥渋谷の魅力

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 「渋谷の喧騒を離れた大人のエリア、雑貨やカフェ、飲食店充実」みたいな話題につられ、奥渋谷に行ってみました。思ったよりディープです。通いつめて、全容解明したい感じ。引きの強さの訳を考えてみました。

■迷路感覚

 神山町の商店街から代々木八幡の商店街につながる1本道、そこに平行して走る道、左右の住宅街に入っていったあたりに店が点在する構造です。

 下の写真はその風景の一部ですが、基本、地味で、すごく賑わうことは念頭になさそうな立地に店があったりします。うろ覚えで店を探すとたどり着けない、うっかり通り過ぎる、路地に迷うたびに、新たに店を発見することもしばしばです。

■「〜」の聖地的な意味合い
 店数は決して多くないけれど、店の主張がはっきりしていて、似よりがないのが面白いです。「〜」が好きなら一度は行きたい店、かなりピンポイントな専門店といった類の比率が高めです。特に、コーヒーに関しては、テイクアウト〜カフェ合わせて、バラエティ豊か。世界観も込みで、選びたい放題です。

よく紹介されている店をざっとあげると以下のようなものです。
・コーヒー:フグレントウキョウ、INN、キャメルバック・サンドイッチ&エスプレッソ
・こだわりメンズ:MONOCLEフグレント(雑貨)、BRACKETS(古着)、マルタジョイ・アンド・フレンズ(コーヒー&関連雑貨〜雑貨)
・チョコレート(ビーントゥバー):ミニマル、カカオストア
・雑貨:アルチヴァンド、ピヴォワンヌ(フラワー、雑貨、ミニカフェ)、黄魚、プロヴィナンス
・カルチャー関連:SHIBUYA PUBLISHING BOOKSELLERS(書店、雑貨)、アップリンク(ミニシアター)
・ワールドフード:ナタ・デ・クリスチアノ(ポルトガル菓子)、ロス・バルバドス(中近東〜アフリカ料理)
・パン〜サンドイッチ:365日、PATH(ビストロ)、キャメルバック・サンドイッチ&エスプレッソ
・カフェ〜カフェレストラン:MEMEME、418KAMIYAMA、ボンダイカフェ・ヨヨギビーチパーク、tomigaya TERRACE 等々
・ビオワイン:ア・デイ(ワインショップ)、アヒルストア(ビストロ)
・花:trefle、葉花
・その他:センシュアス(熱帯魚、水草、アクアリウム)、アップル&ジンジャー(ジュースバー)、&チーズスタンド(自家製チーズ、今秋冬オープン予定)
また、レディスのヴィンテージ古着の老舗スタジオマリオネット、ドリアングレイの2店もこのエリアにあります。
小さな店がカテゴリー横断、多機能化していたり、マリアージュショップ的だったりする例も多いです。雑貨関連のお店にはたいがい洋服もあり、コーヒースタンドのINN、書店のSHIBUYA PUBLISHING BOOKSELLERSにも服が少し置いてありました。

■サブカル感でタイムトラベル

 これはかつて、渋谷を遊び場としていた者の個人的な感想ですが、このエリアには元々の渋谷文化というか、'80〜90年代のサブカルチャーの空気が残っている感じです。顔ぶれは変わっているのにDNAが受け継がれているような。既視感で封印されていた記憶の扉が開きまくりです。

 白洋舎ビルの前を通ったら、昔は待ち合わせ場所がファックスでやりとりされていて、隠れ家バーの目印が白洋舎だったとか、そういう些細なことをやたらと思い出しました。

 記憶だけでなく、当時の気持ちも蘇ります。路地裏で発見した店で、何か珍しくて気になるものがあったら、とりあえず記念に買ってた感覚なんかもリアルに蘇ってきました。

 90年代に「シブヤ系」という音楽ジャンルがあったとか、裏原宿が成立し始めた頃の光景(店の外にはベンチがあってーー)とか、次々と浮かんできます。なんだか「奥渋ワンダーランド」です。

 記憶と目の前の風景に、どこか通じているのは「好きな人は好き、わかる人にはわかる」という立ち位置なのかもしれません。

 フグレンから脇路地を歩いていたら、サンライズ富ヶ谷の2階に、9月17日にオープンしたばかりのセレクトドイツ雑貨「ゲミュートリヒ」を発見しました。202号室の扉を開けるとーー

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 話を伺いました。吉祥寺から移転オープンされたそうです。「知られざるドイツの魅力」を伝えようと、現地買付けとドイツメーカーからの直輸入で様々な雑貨を展開しています。ドイツに特化したセレクト雑貨=ドイツ好きなら一度は行きたいーーー奥渋谷らしいニューフェイスです。

 ノート、筆記具、マスキングテープ、グリーティングカードなどのステーショナリー全般、車やビールメーカーのキャラクターグッズ、バイエルン州の州旗とプレッツェルをモチーフにしたカップ&ソーサーなど国や都市にまつわる雑貨、アクセサリー、本、バウハウスのポスターなど、小さな隠れ家ショップには見たことのない商品が並んでいます。

 「パリのガーリーな可愛らしさとも、北欧のカラフルとも違う、ドイツのかわいい雑貨」を丁寧に熱く語ってくれました。

 写真下は久しぶりに「感動記念買い」したバウハウスのポストカード2枚とキャッチーなショップカードです。部屋にずっとあっても飽きない、という確信を持って買ったのがかつての消費パターンとの違いです。

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 お店巡りの後はアップリンクで「エイミー」を見て帰りました。予告編で見た「シーモアさんと、大人のための人生入門」(ピアノ教師のドキュメンタリー)も見たくなりました。その時は「渋谷swing」というジャズ喫茶でコーヒーを飲むつもりです。宇田川町にあった伝説のジャズ喫茶(既に閉店)の店名を新たなオーナーが受け継いでやっています。

 息子や孫が受け継ぐ話なら、普遍的な「家族の物語」になりそうだけど、常連の一人がリスペクトを込めて店の名を継承っていうところが「渋谷の物語」ぽくて、ちょっと心ひかれます。

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