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高まる高機能素材の需要

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sen.jpg ドイツ・フランクフルトで開かれた産業用繊維の見本市「テクテキスタイル」では、大手合繊メーカーを中心に高強力や難燃などの高機能繊維を多数披露した。

 新素材としてポリエステル3D不織布「デコレイ」を披露したのは帝人フロンティア。エンボス加工と異なり密度を均一に保ちつつ凹凸を付けられるのが特徴で、ワイピングクロスやメディカル用途に提案する。

 クラレは難燃性、低発煙性などの特徴を持つPEI(ポリエーテルイミド)繊維「クラキス」をアピール。PVA(ポリビニルアルコール)繊維「クラロン」もパーロック紡績タイプを打ち出し、ロープ用途を中心に提案を進める。

 東レは強度や寸法安定性が特徴の液晶ポリエステル(LCP)「シベラス」の反応が良く、今後の展開に手応えを得た。東洋紡は、高機能ポリエチレン繊維「ツヌーガ」で安全手袋メーカーとの商談が進展、風合いの柔らかさも評価された。「ヨーロッパでは労働組合が強いことから安全に関わる素材の需要は大きい」という。

 また、難燃素材の打ち出しも活発だ。カネカはエコテックスクラスワンの認証を取得した難燃アクリル繊維「プロテックスE」を開発し、従来から引き合いのある消防服向けはもちろん、インテリアへも拡販。ユニフォーム向けには高視認の蛍光オレンジ色タイプも揃えた。また、YKKは、防水・防炎ファスナー「アクアガード・ビスロン」を水と炎の両方に耐える必要のある消防服用途に提案した。

 高機能素材をスポーツやカジュアルなどアパレル向けに提案する企業もあり、「アパレル関係者が意外と多かった」という声も聞かれた。

 オランダのDSM社は高強力ポリエチレン繊維「ダイニーマ」でカジュアル用途からスポーツまで幅広くアピール。

 コットンと複合したダイニーマデニムは、軽さと強度が特徴だ。防水極薄ダイニーマをフィルムで挟んだ三層構造の高密度織物はアウトドア用途で採用。靴の内側にダイニーマを採用した大手スポーツアパレルのスニーカーは冷感性と安全性を実現している。

 三菱ケミカルは、中空ポリプロピレン繊維「ライブエア」でデニムやニットをサンプル展示。そのほかに幅広い用途展開が見込まれる帯電・光発熱繊維「コアブリッドB」や、0.1㌥テックスのマイクロアクリルのわたタイプを吸音材用途向けなどに披露した。

 エコへの関心の高さも欧州ならでは。初出展の妙中パイル織物は、ウール100%のベルベットが羊の毛皮であるムートン代替として引き合いがあった。同社のパイル織物は化粧用パフなどにも使われており「高品質なパイル織物は欧州でもそう多くない。チャンスがある」として継続出展に意欲を見せた。

 エコな新素材としてはカネカの生分解性樹脂PHBHも海水中で分解する繊維として注目を集めた。ドイツのQミルク社が開発した牛乳由来繊維「Qミルク」も100%リサイクルでき、堆肥(たいひ)として分解することが可能。

 文字通り牛乳を原料とした繊維で、ウールと同じような染色性を持ち、難燃性、冷感性、シルクのような光沢感が特徴だ。(三冨裕騎)

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