Fumitoshi Goto

オーガニック市場は成熟期へ、昨年は飲料が急成長

激しくウォルマートなアメリカ小売業ブログ

在米28年のアメリカン流通コンサルタント

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■オーガニックトレード協会(OTA)は18日、アメリカ国内のオーガニック市場が昨年、494億ドル(約5.4兆円)に達したことを発表した。2018年オーガニック業界調査レポートによると、オーガニック食品市場は2017年に452億ドルの規模となっており、前年から6.4%と伸びとなった。食品全体に占めるオーガニック食品の割合が5.5%と過去最大となった。食品全体の成長率1.1%に比べてオーガニック食品市場の成長率は大きいものの、前年に比べて成長が鈍化した。2014年の11.9%増、2015年の11.1%増、2016年の9.0%増、2017年も前年より低い成長率となり、オーガニック市場が成熟期に差し掛かっていることを浮き彫りにしている。

オーガニック市場で最大のカテゴリーとなるのは野菜とフルーツの青果物。オーガニックの野菜とフルーツはオーガニック食品の36.5%占めており2017年の売上高は165億ドルだった。成長率は5.3%で前年の8%を超える成長からは鈍化している。

オーガニック市場で野菜とフルーツに次ぐ大きなカテゴリーは乳製品とタマゴだ。乳製品とタマゴのオーガニック市場は65億ドルだが、前年から0.9%の成長にとどまっている。成長率が大きく鈍化しているのはオーガニック・タマゴが「放牧育ちの鶏の卵(Pasture-raised egg)」との競争に晒されているからだ。連邦法によるオーガニック・タマゴの定義が曖昧なため、放牧育ちの鶏の卵が消費者からオーガニック・タマゴと勘違いされており、オーガニック・タマゴだけでは売れにくくなっているのだ。

オーガニック食品で著しく成長したカテゴリーが飲料だ。オーガニック飲料市場は昨年、59億ドルとなり成長率は10.5%だった。飲料でも100%果汁となるフレッシュジュースが突出した伸びとなり市場規模が12億ドルで25%の増加だった。また代替乳のアーモンド、大豆、ココナッツ、ライスなどのミルクも2017年に人気となったオーガニック飲料だ。

同協会の調査によると、オーガニック食品を好む消費者は食べるだけでなく、ライフスタイルにもオーガニック品を取り入れる傾向がある。41.5億ドルとなるオーガニック非食品市場は7.4%の増加となっており、比較可能なオーガニックでない非食品カテゴリーと比べると4倍の成長となっている。特にオーガニック・コットンが多くを占めるオーガニック繊維は11%の増加で16億ドル市場と顕著だ。

OTAのCEOでエグゼクティブ・ディレクターのローラ・バッチャ氏は「消費者はクリーナ食品を食べたいだけでなく、ライフスタイル全般にわたって、情報の透明性やクリーンな原料、植物ベースの製品を求めています」と指摘した。

トップ画像:高付加価値で高額なタマゴ(6.49ドル)。「オーガニック(Organic)」で「放牧育ち(pasture raised)」で「非GMO(Non-GMO)」で「ベジタリアン(Vegitarian fed)」となっている。

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オーガニック市場の推移グラフ(過去10年間)。アメリカ国内のオーガニック市場が2017年、494億ドル(約5.4兆円)に達した。オーガニック食品市場は2017年に452億ドルの規模となっており、前年から6.4%と伸びとなった。食品全体の成長率1.1%に比べてオーガニック食品市場の成長率は大きいものの、前年に比べて成長が鈍化した。2014年の11.9%増、2015年の11.1%増、2016年の9.0%増、2017年も前年より低い成長率となり、オーガニック市場が成熟期に差し掛かっていることを浮き彫りにしている。

⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。青果物などを中心に、どの食品スーパーでもオーガニックを買える時代となっています。オーガニックの野菜やフルーツはコモディティ化しています。したがってオーガニック食品全体で成熟しつつあることも理解できます。特にオーガニック・タマゴの成長率鈍化は感覚的に変わります。原因は「放牧育ちの鶏の卵(pasture raised egg)」との競争があります。それに付加価値タマゴが増加しており、選ぶときにややこしいことも関係していると思います。「ケージフリー(cage-free)」に「フリーレンジ(free-range)」、「オーガニック(organic)」に「オメガ3(Omega-3)」、遺伝子組み換えではない「非GMO(Non-GMO)」から、低温殺菌の「パスチャライズ(pasteurized)」などにそれらの組み合わせのタマゴ(オーガニックでオメガ3に低温殺菌?)までありますから、消費者には違いやメリットが分かりにくい。
そのうち日本にあるような「ピックアッパブル・ウィズ・チョップスティック・エッグ(pickupable-with-chopsticks-eggs:箸でつまめるタマゴ?)」まで売られるかも...

後藤文俊

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