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「ミューラル」新作は"ノルウェイの森"に着想、レースや刺繍による表現の可能性にアプローチ

「ミューラル」2019年秋冬コレクションのファーストルック
Image by: FASHIONSNAP.COM

 松村祐輔と関口愛弓のデュオが手掛ける「ミューラル(MURRAL)」が3月16日、六本木のSTUDIO MOURISで2019年秋冬コレクションのランウェイショーを開催した。「可能性を探った」と松村が語るように、ブランドのアイコン的なレースや刺繍を異なるアプローチで表現し新たなブランド像を追求。新素材の導入やスタイリングの変化で、新しい表現に挑戦したコレクションとなった。

 ミューラルのコンセプトは「服を着るという行為を服を着たという意識へ そこから生まれる新しい日常」。アーティストの衣装製作なども手掛けており、昨年の「NHK紅白歌合戦」では乃木坂46の衣装を担当し話題を集めた。今回のコレクションでは村上春樹の著作「ノルウェイの森」に着想を得て、「EVERGREEN」をテーマに掲げた。蜜蝋で作られたショーのインビテーションはアーティストの中瀬萌が手掛け、会場の客席には「不変、変わらぬ心」の花言葉を持つリモニウムを添えるなど世界観を表現する仕掛けを散りばめた。

 ショーは、同書の登場人物 直子が"現代に生きていたら"と仮定し、独自の解釈で表した「クリアリティー」と作品の持つ奇妙な雰囲気を落とし込んだ「イレギュラリティー」、生と死のイメージを反映した「バイタリティー」をキーワードにした3部構成。ファーストルックは、エナメル加工を施したパンツとワンショルダーのトップス、ケーブル編みのアームウォーマーを合わせた。淡いカラーパレットのベージュやパープルで仕上げたルックが続き、直子の持つ透明感をミューラルのフィルターを通して表現。中盤では、鮮やかなグリーンやパープルなどでアイテムのカラーを一変させ、「イレギュラリティー」にショーを転調した。同書の持つ変則的な世界観を踏襲し、ブランドがこれまで表現してきたクラシカルな雰囲気にスポーツ素材をミックスさせたり、二重にコートを羽織るなど変化のあるルックを構成。ノルウェイの森の世界観を最も反映させたという最終章の「バイタリティー」は、映画版のロケ地の写真を、割繊糸で仕上げた独特の光沢を放つ生地と、モルフォ蝶の羽をイメージした生地にプリントするなど、素材に凝ったアイテムが印象を残した。

 コレクション全体では立体的な刺繍を新たに採用し、レースをデザインに溶け込ませるなど表現を模索。松村は「ブランドが変化したように感じるかもしれないが、これからもレースや刺繍をデザインに落とし込んでいくための可能性を探るシーズンにしたかった」とコレクションを振り返った。

■ミューラル:2019年秋冬コレクション全ルック
■ファッションウィークの最新情報:特設サイト

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