ラーズ・ハリー(Larz Harry)とアイダ・キム(Aida Kim)
Image by: FASHIONSNAP.COM

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ドーバー ギンザで出会った2人による豪ブランド「マントル(MAN-TLE)」がシャツ1枚にかける日本的なこだわり

ラーズ・ハリー(Larz Harry)とアイダ・キム(Aida Kim)
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 オーストラリア西部の都市パースのレイドバックな気質と日本製というこだわりが合わさった「マントル(MAN-TLE)」が、8シーズン目にして初めて都内でプレス向け展示会を開催した。

 MAN-TLEは、元々ドーバー ストリート マーケット ギンザで同僚だったラーズ・ハリー(Larz Harry)とアイダ・キム(Aida Kim)夫妻が2016年に立ち上げたブランド。シーズンごとにナンバリングされており、R1、R2...という形で毎シーズン発表をしている。生地及び製造は全て日本で行っており、オーストラリア・沿岸部の荒い気候と実用主義に耐えうる耐久性を持ち合わせたメンズとウィメンズウェアを展開。価格帯は2万円後半〜6万円が中心で、現在国内ではディストリクト ユナイテッドアローズ(DISTRICT UNITED ARROWS)やアーツ&サイエンス(ARTS&SCIENCE)、吾亦紅などのセレクトショップで取り扱いがある。

 中でもブランドのシグニチャーはシャツ「SHIRT 1」。ファーストシーズンからカラーや生地の加工を変更などして継続しているモデルだ。技術に惚れ込んだという静岡の浜松市で約110年続く生地工場のテキスタイルをメインで使用。「SHIRT 1」は、同工場の木製のシャトルで織られた100%コットンのシャンプレー素材を一度洗いにかけ、福井の工場でパラフィンワックスをかけて仕上げられている。硬さと張りのあるテクスチャーで重量感があり、着用時の立体的なフォルムが特徴。キム曰く「着る人の形に沿って記憶が服に宿っていくような感覚」といい、洗うたびに風合いが出て、時の経過とともにテクスチャーの変化を楽しむことができる定番の一着だ。

中央が「SHIRT-1」。左は4シーズン経った色味風合いの変化。ブランドの掲げる"Heavy Weight Clothing"という精神は、素材の重量感に加え、"職人や作り手の思いを込めた"いう意味合いも持たせている。
ボタンはミリタリーの要素を反映し、シートベルトに使われる丈夫な素材で取り付けている。

 年に2回は長期で日本を訪れ、生地の開発にも積極的に取り組み、毎シーズン新たな生地を工場と開発・改良しコレクションに使用している。春夏物を提案する今シーズンは、縮みにくいコットンリネンを採用するほか、高密度で織り上げた薄手のタイプライターの生地にパラフィンワックスをかけたシャツを制作した。秋冬にはシャツの中にダウンを着てジャケットとして使用するなど、既存の展開アイテムにプラスしたスタイリング提案を行い、シーズン単発で完結するのではなく、前後のシーズンのアイテムとの組み合わせを意識してデザインしている。

リネンコットンを使ったキャップにはシャツにも使われているボタンを調整可能なストラップとして採用。

 今年の5月には地元パースにワークショップ兼ショップをオープン。内装に使われている什器や家具の多くは、元々ハリーの実家で営んでいる水圧切断加工に特化したメタル工場で製作されたもの。店舗では服以外にも日本やオーストラリアでセレクトした工芸品や自身でデザインした家具などが並ぶ。

水圧加工でカッティングされたハンガー

 サーフィンが盛んで美しいビーチが広がる海岸都市のパースは、「東京と比べて時間の流れがゆっくりと流れ、情報に溢れていないことからも物作りに真摯に向き合うことのできる環境」とキムは話す。今後日本での展開は取引数を増やすというよりは、プレス展などを通じてブランドの確かな物作りや製造背景をコミュニケーションし、消費者にブランドの価値と共に製品を届けていきたいという。

MAN-TLE

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