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"地域ぐるみ"の街づくりを、変化する京都から見えてくること

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 京都の河原町三条を下がると酢屋という小さな店がある。銘木や木工芸品を扱いながら、300年近く営業を続けている。幕末の歴史ファンならピンと来るだろう。坂本龍馬が長く滞在した場所。現在も2階は「龍馬ギャラリー」として一般に開放されている。

 わずか数年前だろうか。酢屋の向かいには材木を一時保管したり、高瀬川の川舟が荷物の積み下ろしに使った舟泊まりがあった。「舟入」と呼び、森鴎外の小説『高瀬舟』の舞台を想像できるような風景だった。坂本龍馬が酢屋の2階から舟入に向けてピストルの練習をしていたとの伝承も残されている。

 先日、ふと酢屋をのぞくと舟入がない。酢屋の前には近代的なホテルが建っている。当方の記憶違いかと確認してみると、やはりホテルは1年余り前にできたものだった。一つの名所や旧跡は残っても、それに関連するものが消えていくのは寂しいものだ。

 河原町通りも年を追うごとに変わってきた。つい先日も酢屋から徒歩1、2分の所に「京都ゆにくろ」がオープンした。地域密着型の〝個店経営〟を掲げたショップで、京提灯(ちょうちん)や京のれんの藍色を基調にした看板などで売り場を演出している。とはいえ、個店で京都らしさを強調しても限界がある。難しいのは承知だが、やはり地域ぐるみで街を作っていく大切さを痛感する。

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