「愛写館」公式サイトより
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新型コロナウイルスで卒業式が相次ぎ中止、袴レンタル各社がキャンセル対応に追われる

「愛写館」公式サイトより
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 新型コロナウイルスの感染拡大により、3月に予定していた卒業式を中止または延期する大学が全国的に増えている。これに伴い、着物レンタル業者は卒業袴のキャンセル料を無料にするなど、対応に追われている。

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 「メガネのアイガン」を展開する愛眼が横浜や大阪に構える写真スタジオ「愛写館」では、卒業袴での前撮りおよび式当日の袴のレンタル・着付けなどのサービスを提供しており、卒業式の中止により袴が着られなくなった顧客を対象にキャンセル料無しでの返金対応を行っている。加えて、今回の事態を受けて用意した記念写真のプラン「卒業式袴記念 後撮り特別プラン」を希望者に各店舗で提供するという。

 愛写館では当初、昨年を上回る袴レンタルの予約件数(非公開)が入っていたが、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて3月6日時点で予約数全体の約30%がキャンセルとなり、今後キャンセル件数はさらに増える見込みだという。震災により東日本の学校を中心に卒業式が取りやめとなった2011年にも今回と同様、卒業袴をキャンセル料無しで返金対応する特別措置を取った経験のある同社は「2011年当時は問い合わせの電話がひっきりなしに鳴り、対応が大変だった記憶が蘇った。当時の経験から、利用者に卒業式が無くなった時の対応を早急に知らせなければパニックになってしまうと思った」と話す。

 東京や大阪など全国の店舗で撮影や衣裳レンタルを行う「スタジオキャラット」では、卒業式中止の発表を受けた当日に既に各店3〜5件程度のキャンセルが発生した。同社の担当者は「収束時期にもよるが、卒業式を中止した大学に対して、謝恩会や文化祭などの場で卒業式のような式典を提案できないかと考えている」とし、レンタル料金の全額返金に応じるだけではなく、学生たちの思い出作りのサポートも検討している。

 このほかにも、大学生協事業連合(東京地区)と提携する鈴乃屋、ジョイフル恵利、マイム、晴れ着の丸昌の4メーカーでは卒業式の中止に伴う措置として、申し出があった際にはレンタル料金の返金などに対応している。

 都内で着物レンタルに携わる業界関係者は「肌感では3.11の時よりも顧客からの問い合わせ件数が多い印象。休みをずらして対応しているスタッフもいる」と、顧客対応に追われている現状を話す。震災発生からキャンセルを決めるまでの判断が早かった2011年と比べて「『〇〇の場合はどうしたらいいですか』といったような相談での問い合わせ件数が多い。日々事態が変化するため、学校側の対応などギリギリまで様子を見ているのかもしれない」という。

 新型コロナウイルスが全国的に広まっていることから、東日本以外の地域でも卒業式をキャンセルする大学は少なくはなく、「東日本大震災の時よりも損失は上回るのではないか」(愛写館担当者)といった声も上がっている。政府は3月10日にイベントの実施自粛要請を10日間延長することを表明しており、着物業界への経営的なダメージはさらに拡大すると見られる。

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