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東洋紡、新型コロナウイルスのPCR試薬を増産

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 東洋紡は新型コロナウイルスのPCR検査に使われる試薬の生産能力を20倍に引き上げ、供給量を拡大している。ウイルスを検出可能な量まで増幅させて特定する方法として注目を集めているが、同社の試薬事業はもともと、犬山にあったレーヨン工場の廃液処理技術から生まれたものだった。

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 新型コロナで一般にも知られるようになったPCR検査とは、微量の検体に試薬をまぜて遺伝子を増幅させ、ウイルスを検知する方法。東洋紡は93年からPCR関連の事業を行っており、その一つで酵素を使ったウイルス用の検査試薬を販売している。

 今回の新型コロナウイルス感染症に対し、国立感染症研究所が検出マニュアルを策定、公表しているが、そのなかにも東洋紡の試薬が掲載され、PCR検査ニーズの増大に備えて敦賀事業所での生産能力を急きょ20倍に引き上げた。

新型コロナウイルスで注目されているPCR検査

 酵素を使ったウイルス検査試薬のルーツは、戦後すぐの48年にさかのぼる。同社は犬山工場で行っていたレーヨン製造の原料用として、48年にパルプ事業を再開したが、環境汚染への関心が高まる中で独特の臭気がするパルプ廃液への対策を求められるようになった。同年に処理方法の研究を開始し、培養した酵母にパルプくずを食べさせる発酵法で臭いをとる技術を確立した。

 酵母は排水に流せないために遠心分離で水と酵母を分けて処理するが、その際に余った酵母の活用を模索するうちに、調味料などの用途を開拓(現在は撤退)。ここで花開いたのが、酵母に含まれる酵素を使った尿酸測定診断薬だった。その後、酵素を活用したバイオ事業として発展を遂げ、PCR検査で改めて注目されるようになった。

 同社は今後、必要とされる診断薬への展開も視野に入れるほか、自社のノロウイルス用検査キットをコロナウイルスに応用し、従来のPCR検査より大幅に検査時間を短縮できるPCR検査キットの開発も進める。

パルプ廃液の処理に酵母を用いたのがバイオ事業の始め(当時の犬山工場)

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