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コロナ禍における国内テキスタイル産地の現状 -vol.2- 企業存続へ対応を模索

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 新型コロナウイルス感染拡大の影響により、生産や受注が減少する厳しい状況に置かれるなか、産地のテキスタイル企業はどのような対策をとっているのか。アンケートの回答からは、コロナ禍でも持続可能な経営を模索する動きが見えてくる。

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大幅減産も

 新型コロナウイルスの感染拡大が事業活動に影響したと答えた企業に対し、今後の対応策を聞いた(複数回答可)。最も多かったのは、「減産、休業」(17社)だった。「大幅減産、臨時休業」「4月から大幅減産している。見込み品の生産をゼロ、もしくは5分の1にする」「1週間あたりの休日を1日増やす」など、受注減の経済的な打撃を乗り越えるため、思い切った対策をとっていることが分かった。

 次に多いのは、「医療関連、巣ごもり需要などの新規開拓」(11社)。「抗菌素材やマスク用素材生産」「医療向けのSEKマークを取得できる抗菌・抗ウイルスの生地の生産などを目指す」など、コロナ禍で高まる医療用品の需要を捉え、本業の落ち込みを補おうという動きが見られる。

 3位は「コスト削減」(10社)。「仕入れを減らし、一般衣料向けのものを少なく見積もり、生産する」「生産量が少なくなっているため、無駄を無くしできるだけロスのない生産をしていく」といった声があった。同率3位に「助成金や補助金、融資制度の活用」(10社)が並んだ。

 10社には届かなかったが、「オンライン営業・商談」は、今後一気に広がる気配だ。「バーチャル展示会を開催できるようにホームページを改修中」「生地展示会はリアル展とウェブ展と両方の可能性で進めている」といった回答があった。今春に予定されていた21年春夏向け素材展の多くは、感染拡大防止のために中止され、出展するはずだった企業は新作を発表する機会を失った。これを機に、展示会のあり方が変わると見る向きもある。

 DtoC(メーカー直販)も活発になりそうだ。「消費者へのインターネット販売」が複数の企業から挙がった。アパレル企業向けの受注減を見込む企業は「自社でストール在庫をネットで販売するよう準備中」。「マスクとマスクキットを一般消費者向けにネット販売」する企業もある。

長期的な支援を

 政府や自治体などへの要望を自由記述で答えてもらった。複数の企業で共通したのは、長期的な金融支援の要望だ。「製造業の受注減はこれからが本番。厳しい状況が続く見通しなので、支援期間の延長や、さらなる資金的支援が必要」「経済的落ち込みが長期にわたるため、産地存亡の危機と感じている。産地全体を支える長期的な補助金や助成金を強く要望する」といった窮状が訴えられた。ほかにも、「固定資産税の減免など財務面でのサポート」「借り入れ条件のさらなる緩和」などが求められている。

 アパレル企業に対しても「キャンセルは産地の工場にとっては深刻な問題。生産中や生産直前のキャンセルによって、原料の無駄もでている。アパレル業界でしっかりルールを共有してほしい」といった声が上がった。

(繊研新聞本紙20年7月8日付)

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