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一見何屋なのかわからない「万珍酒店」が発信する新しい食と酒の楽しみ方

一見何屋なのかわからない「万珍酒店」が発信する新しい食と酒の楽しみ方

ACROSS編集部
ACROSS

90sから“変化”と“進化”を続けてきた

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「MANGOSTEEN」による万珍酒店とは

世界各国の珍しい酒類を扱う酒店、角打ちバー、雑貨販売、ラウンジコーナーに、ケータリングチームが作るフード提供や、酒・食・世界各地の音楽を掛け合わせたイベントまでーー。一見”何屋”か判然としない、ユニークな営業形態と多様なコンテンツで集客しているのが、世田谷区代沢の梅ヶ丘通り沿いに今年1月オープンした「万珍酒店/MANGOSTEEN」だ。奥行きのある店内には、今注目のメスカルをはじめとする世界中から自社輸入/セレクトした多彩な酒類を販売し、バー・ラウンジでは店内のお酒が全て試飲可能。昨今のコロナ禍ではテイクアウトデリを充実させたり、DJが選曲した音楽付きのお酒を販売するなど、新しい食と酒の楽しみ方を積極的に発信している。

万珍百選 ~Small Bottle Sound Selection~はお酒(50ml)と音楽(QRコード付き)を同店なじみの人気DJらがセレクトしてパッケージ化した商品。セレクターにはMOODMAN、COMPUMA、L?K?O?などが名を連ねる。

食と旅、音楽好きのメンバーが集う「MANGOSTEEN」とは

同店の母体は、ファッションやTV/CM、音楽業界のパーティほかで活躍するケータリングチーム「MANGOSTEEN(マンゴスチン)」。かつて中目黒にあったディープな音楽好きが集う「mangosteen cafe(マンゴスチンカフェ)」(1999~05年)から生まれたチームで、”ケータリング”という言葉が流行るずっと前の2001年に、小さなDIYキッチンカーでの弁当販売からスタート。カフェ閉店後の06年には、世田谷区代沢(4-29-10)にケータリング用のキッチンを設立。野菜をマンダラのように並べた華やかな「ベジタブルマンダラ」、自家製の発酵食や産直食材を使った料理など、独自のプレゼンテーションが評判となり、最近では各業界のパーティや撮影、ウェディング、コンサートやショーなど、数百人規模のケータリングを手がけてきた。さらに元を辿ると、90年代に西麻布の雑居ビルにあった伝説のクラブ「VITAMIN-Q(バイタミン キュー)」のスタッフらが関わる同チーム。食と旅、音楽が好きのメンバーが集うことから、フジロックフェスティバルをはじめとする音楽フェスや、シルク・ドゥ・ソレイユの日本ツアーのケータリングなどで日本中を移動。ここ10年は日本各地の屋内外で食と音楽を楽しむイベント「MUSICO(ムシコ)」をオーガナイズし、”旅するケータリングチーム”として活動してきた。

店は入り口を入ってすぐが酒店、その奥が角打ち/バー、さらに奥がソファもありくつろげるラウンジとなっている。

「マンゴスチンカフェ」の起源は、1996年に西麻布にあった一年間限定のクラブ「VITAMIN-Q(バイタミン キュ ー)」。トランスやオルタナティブといったカルチャーの融合の場となり、音楽、旅、食といった価値感を持つ現在のメンバーが集まった。当時の体験は、現在も彼らのクリエイティビティのソースとなっているという。

「ここにきて酒屋を始めた背景は…海外に行く理由ができるから(笑)。旅ができる仕事としてケータリングを選んだものの、忙しくて全然(海外に)行けない。ならば仕入れで旅に行こうと、17年に酒類の輸入・卸・販売業免許を取得しました」(MANGOSTEEN代表の齋藤大典さん)。

まずは「マンゴスチンカフェ」の立ち上げメンバー・YUKIが現在住むオーストラリア・ニューサウスウェールズ州のオーガニックワインメーカー「ロズネー」へ。続いてメスカルの買い付けのためにメキシコに渡った。18年3月には代沢のキッチンを使って角打ちバー「万珍酒店」をスタート。

「おかげさまで売り上げも順調だったので、もっと小売やイベントができる場所が欲しいと思っていたところ、近所にいい物件が空いたと聞いてキッチンとは別の独立店舗として新店オープンを決めました」(齋藤さん)。

2006年に設立した「万珍酒店/MANGOSTEEN」から歩いてすぐのケータリング用キッチン。「万珍酒店/MANGOSTEEN」はここから始まり独立店舗に。

インディペンデントという、酒作りの新しいムーブメント。大量生産の価値観とは違う、豊かなものを求める人が増えている

コンセプトは、店名とかけて”世界の微生物が醸す万(よろず)珍(めずらしい)お酒”。スタッフ4名が世界中からセレクトする酒類はメスカル、ソトル、テキーラ、オーガニック/ナチュラルワイン、オーガニックウォッカ、クラフトビール、日本酒、クラフトジン、ラム、ウィスキーまで幅広く、少量生産の珍しいお酒を積極的に紹介する。

なかでも自社輸入の中心となるのが、日本未入荷を含め60種以上を揃えるメスカルだ。メスカルは多肉植物アガベを原料に造られるメキシコ伝統の蒸留酒で、テキーラの元祖と呼ばれるもの。テキーラとメスカルの違いは”工場生産”と”手作り”だという。

「テキーラは”ブルーアガベ種”のみで大量生産される一方、メスカルは多種類のアガベを原料に酵母を使わずに自然発酵させて手作りするため、複雑な旨味がある。水とアガベだけでできているので、ヌケが良く悪酔いしにくいのも魅力です。メスカル、ナチュールワインやクラフトビール、クラフトジンなど、いま酒の世界は大手とインディペンデントの全く違う流れがあって、後者の小さな作り手のお酒が世界中で支持されている。実際にメスカルも小さな蒸溜所がハンドメイドで作っていて、現地の若い子たちが伝統的なメスカルの魅力に気づき、プライドを持って販売している。世界的にみても若い層にもこれまでの大量生産の価値観とは違う、豊かなものを求める人が増えていると実感します」(齋藤さん)。

世界的なブームになりつつあるメスカルは酵母を使わずに自然発酵させて手作りされており「テキーラの母」ともいわれているお酒。「万珍酒店/MANGOSTEEN」では飲み比べも可能だ。

店内のお酒は、無類の酒好き、旅行好きという「MANGOSTEEN」の各スタッフがセレクト。まるでレコードを“ディグる”ようにお酒を掘っているというマニアックなセレクトは必見。

梁天井のロフト感のある開放感のある空間は、元「PREFAB Gallery and Things naijel graph(プレハブ ギャラリーアンドシングス)」(プラスチックスの故・島武実さん、DEPTの創業者永井誠治さんが営むギャラリー)があった場所。もとの空間を活かし、仲間の大工が作ったバーカウンター、DJブースや棚、テーブルなどを配置し、買い付けで見つけた雑貨やオリジナルグッズの買い物もできるラウンジコーナーを併設した。

客層は20~40代が中心で、クラフトビール目当ての常連客、お酒とデリを買い求めるご近所さん、ウイスキーをまとめ買いする60代、同店のインスタを見て訪れるお酒好き、角打ち目当ての客など幅広い。不定期で週末には世界各地の音楽・お酒・食を組み合わせたDJイベントも開催しており、音楽つながりの顧客も多いという。

コロナショックの影響で、パーティーケータリングはゼロになり、一時期はバーも休業。一方で、家飲みのニーズから酒類の売り上げは増えており、新しく始めたテイクアウトデリの販売も好調だという。

すぐ近くのケータリングキッチンで作られるデリは20種類ほどを揃える。

デリは店内での飲食も可能。メキシコの手巻き寿司「makis(マキス)」はカラフルな彩りと食材の組み合わせが楽しい

90sから“変化”と“進化”を繰返してきた「MANGOSTEEN」

「うちは飲食店免許と酒販免許の両方があることが強み。ケータリングで料理のネタはたくさんありますし、移り行く環境に合わせて“変化”しながら、どう“進化”していくかを考えることが大切だと思っています。そもそもコロナ以前は経済優先で、忙しさに巻きこまれている感じがあったけれど、今回のことで自分たちでコントロールできる範囲で仕事するイメージを持つ良い機会になった。いまは地域や仲間で経済を回して、地域のハイレベルなコミュニティストア、新しいコンビニみたいになれたらと」(齋藤さん)。

奥のラウンジからの眺め。広さがあるので蜜になりにくい。

代表的な取り扱いブランドは、オーストラリア発ビオディナミ農法のオーガニックワイン「ロズネー」、伝統のオーガニック・ハンドクラフト製法で作るメスカル「アモーレス」(様々なアーティストが手がけるインパクトのあるラベルが楽しい<ベルデ モメント> が人気)、女性3人組の高品質メスカルメーカー「マリアフェリス」、メキシコチワワ州のソトル(蒸留酒)「コヨーテ」など。価格帯は1本3000円代~2万円程度で、多くは量り売りも可能だ。クラフトビールは日本の「ヨロッコビール」やスウェーデン「ブリュースキー」ほか60種以上。客単価は平均3,000-4,000円程度。

デリメニューはマリネやサラダ、生ハムなどの前菜系やおつまみ、ローストビーフやガパオなどのメインメニューまで20種以上。海老天・アボガド・とびっこなどユニークな組み合わせが楽しいメキシコの手巻き寿司「makis(マキス)」が人気だ。ほかに週一で人気カレー店「カレー屋まーくん」のカレー弁当、ウェブストアでは酒とフードの通販も展開する。

店長の宮川さんは下北沢のクラブ「more」(~2018年)の元店主で、音楽関連のイベント企画も行う。

当面海外への買い付けは難しいが「面白い作り手がたくさんいるので、まだまだ旅に行かないと(笑)」という齋藤さん。今後の展望について尋ねると、なんと以前から計画していた旅行事業を始める予定だという。

「昨年旅行業免許を取り、今年6月に『万珍旅行(MANGOSTEEN TRAVEL)』を始動しました。世界の醸造所ツアーをはじめ現地のディープな旅を企画・提案するもので、音楽や旅で長年培ったネットワークを活かして、現在はオーストラリア、メキシコ、ブラジル、ジャマイカ、ベトナム、フランス、ジョージア、フィリピン、イスラエル、バリなど現在13カ国のパートナーと契約しています。当分海外旅行は難しいですが、zoomなどオンラインでお酒つきのバーチャルツアーなども企画中。食・旅・酒のコンテンツを集めたwebメディア立ち上げの準備をしていて、その中で活動を伝えていく予定です」(齋藤さん)。

MANGOSTEEN代表の齋藤大典さん。着用しているTシャツは同店で販売するAPOLLO氏デザインのFAKE T。

今回のコロナショックは世界中に大きな影響を与えたが、それぞれが立ち止まり改めて、本当に大切なことは何か?と考え、振り返るきっかけになったことは言うまでもない。

90sから時代や環境に合わせて常に“変化”と“進化”を繰返してきた「MANGOSTEEN」。彼らが大切にしてきた、いかにみんなで楽しむかという“プレイフルな姿勢”と、料理や様々なコンテンツで表現される“クリエイティブなマインド”は、コロナ禍の今さらに際立ったといえるだろう。

【取材・文=フリーライター・エディター/渡辺満樹子+『ACROSS』編集】

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