ファーストリテイリングは1月21日、障害者の活躍推進に向けた国際的な取り組み「ザ・バリュアブル500」に加盟した。専用サイトを開設し、関連する取り組みの情報発信を強化するほか、雇用、使いやすい商品や売り場の開発、スポーツ支援など、これまで行ってきた活動もさらに拡大する。
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ザ・バリュアブル500は、社会、経済で障害者が活躍し、潜在的な価値を発揮できるように企業が改革に取り組むという構想で、19年1月のダボス会議で提起された。加盟には、取締役会の議題に障害に関する内容を盛り込む、障害者の活躍につながる活動を一つ以上行う、活動について社内外に発信するなどの条件がある。
ファストリは、01年から障害者雇用を本格化、国内ユニクロ、ジーユーで1店舗1人以上の採用を目標にし、現在は1300人を雇用している。雇用率は4.71%で、3月から2.3%になる民間企業の法定雇用率を上回る。スポーツ分野でも車いすテニスの国枝慎吾選手をユニクロのグローバルブランドアンバサダーに任命し、スウェーデンのパラリンピックチームも支援している。
加盟を機に商売でも障害者の活動の支援につながる活動を増やす。障害を持つ人たちの声を聞き、開発した「前あきインナー」を20年9月に発売したほか、19年秋以降は車いすでも利用しやすいよう、段差のない売り場や通常より広い試着室を設置した店を増やしている。
働き方改革「有明プロジェクト」を進め、社内情報を共有するプラットフォームとしてグループウェアツールも導入している。日々の商売に関する情報だけでなく、障害者向けの商品、サービスに関するアイデアも毎日、店頭から本部に上げる仕組みが構築されている。
社内には有志による商品やサービスの改善プロジェクトもあり、車いすや杖を使う客が持ちやすいメッシュバッグの店頭への導入を拡大した事例もある。新田幸弘グループ執行役員は「社内で情報伝達のスピードは上がっており、有志による改善プロジェクトとも連動して社内で啓発活動を強め、取り組みの幅を広げたい」とする。
世界の障害者人口は10億人とも言われ、家族や知人も合わせた際の購買力は非常に大きいと目される。障害者が活躍できる社会の実現に企業を力を尽くすことは、ビジネスの面でも意義のある取り組みと言える。
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