■ネット通販最大手のアマゾンは1日、非接触の生体認証デバイス「アマゾン・ワン(Amazon One)」の取り扱い店舗を拡大した。
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支払いオプションに手のひらとクレジットカードを紐付けた決済デバイスをアマゾンの店舗で拡大することで、利便性を高めながら生体認証の抵抗感を軽減していく。
アマゾンがレジなし技術の「ジャスト・ウォークアウト(Just Walk Out)」の外販を行っているように、コンタクトフリーでストレスフリーなバイオメトリクス認証を小売店やスタジアム、企業などのサードパーティへの提供も模索する。
アマゾン・ワンは手のひらをデバイスにかざすことで決済を終えるというもの。
アマゾンは昨年10月、シアトル市内にあるレジなしコンビニエンスストア「アマゾンゴー(Amazon Go)」1号店とアマゾンのメインキャンパスがあるサウス・レイク・ユニオンにあるアマゾンゴー3号店にアマゾン・ワンを導入。
その後、シアトル郊外のレドモンド地区にオープンしたレジなし食品スーパーの「アマゾンゴー・グローサリー(Amazon Go Grocery)」2号店に設置した。
またシアトル市内にあるショッピングセンターの「ユニバーシティ・ビレッジ(Univercity Village)」にある「アマゾン・ブックス(Amazon Books)」1号店とシアトル・タコマ国際空港近くにあるモール「ウエストフィールドサウスセンター(Westfield Southcenter)」の「アマゾン4スターストア(Amazon 4star Store)」にも支払いオプションとして導入した。
今回は1日にシアトル市内にあるマディソン・ストリート沿いのアマゾン・ゴーに導入した他、シアトル市内の他のアマゾンゴー2店舗でも設置を予定している。これによりアマゾン・ワンを導入した店舗は合計で8店舗となる。
アマゾン・ワンのサインアップ(登録)用の端末は各店舗の入り口付近に置かれている。この端末でクレジットカード登録を行うのだ。
登録は登録端末のタッチスクリーンにある「数秒でサインアップ(Sign Up in Seconds)」のボタン押して始める。画面が切り替わり「クレジットカードもしくはデビットカードを挿入してください(Insert a credit or dibt card)」とあり「アマゾン・ワンをご利用の際にはこのカードで決済します」との説明に端末の下からカードを挿入する。
スクリーンに「最初の手のひらをかざしてください(Hover your first palm)」と表示され、カードを挿入したまま手のひらを端末にある円から3インチ(8センチ前後)離してかざす。
手のひらを正しく読み込むため、スクリーンにあるサークルに合わせるように「もっと高く・低く離してください(higher/lower)」との指示だ。
読み込みが終わるとチェックマークに「ありがとうございました(Thanks)」とでる。次に「左手をかざしてください(Now, hover your left palm)」と表示され、左手のひらをかざす。
その後は利用条件を尋ねる画面になりOKボタンを押す。最後に携帯電話の番号を入力してサインアップは終了する。一連の手続き中はカードは挿入したままだ。
生体認証の登録ではプライバシーも配慮しており、手続きの途中でも簡単に解約もできるように、どの画面にもキャンセルボタンが表示されているのも特徴だ。
登録後、エントランスに設置されたアマゾン・ワン専用ゲートから入店できるのだ。アマゾン・ワンのゲートでは端末にあるサークルの上で手のひらをかざすとチャイム音でゲートが開くようになる。
スマートフォンを取り出しアプリを起動後、入店用のQRコードをゲートにかざす必要もなくなる。アマゾン・ワンは複数のセキュリティコントロールを行っており、手相等のイメージはそのまま保存しておらず暗号化してクラウド上で処理しているという。プライバシーに最大限配慮しているのだ。
アマゾンは近い将来、アマゾン・ワンを傘下の食品スーパーであるホールフーズ・マーケットやアマゾン・フレッシュにも導入することになる。
徐々に導入店舗を増やしながら、消費者の一部にある生体認証に対するアレルギー感を払拭したい考えだ。
トップ画像:アマゾンゴー1号店に導入された手のひらペイのアマゾン・ワン。
アマゾン・ワンの登録端末でサインアップする動画。使い方はアマゾン・ワンにクレジットカードを挿入し、スキャナーとなる丸い部分に手のひらを非接触でかざす。アマゾン・ワンのコンピュータービジョンがが手の形や手相等を読み込み、クレジットカードと紐付ける。手のひらを登録するのに手間取ったのは、慣れない撮影のため距離がつかめなかったからだ。
アマゾンゴーでアマゾン・ワンを使うと手のひらで入店して、欲しい商品を持って出るだけとなる。スピーディで極めて利便性が高い一方、革新すぎるため抵抗感も生じる。撮影者の女性は手のひら認証の感想を「衛生的」とした上で「私のスマートフォンはシアトル市内で受信感度が悪くQRコードを出すのに時間がかかるため便利」と語っていた。
⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。コロナ禍でコンタクトレスの買い物が求められている中、生体認証は受け入れられつつあります。神経質?な女性などは特に他の人が触ったものを気軽に触ることができません。例えばエレベーターやATMのボタンとかは指先を使わず、指を曲げて第二関節で押すのはあるあるです。一方で、極めてローテクですが「つまようじ」を使った非接触棒が使われていたりします。ハイテクではこういったみんなが触る操作ボタンは、アプリや音声を介しての操作になるでしょう。プライバシーの問題もありますが生体認証が増えてもしょうがないというのがニューノーマルの価値観。で、生体認証による署名では転売ヤー対策にもなることから、若干面倒でも多くの消費者から協力を得られる可能性も高いです。人気のプレステ5とかアーティストのチケット等の転売問題は常につきまとっています。生体認証による署名の義務化で購入できるようになれば、完全とはいかないまでも転売ヤーをかなり排除できるでしょう。
ようするに慣れの問題です。アマゾンがアマゾン・ワンを拡大しているのも慣れてもらうため。で、アマゾンゴーのように他の企業にシステムを販売するという...
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