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ウォルマートが10位に 米スーパー中位陣での業界ランキング

2026年春発行「スーパーマーケット・ニュース」誌の表紙。「2026年スーパー50(2026 Super50 )」ランキングで見事1位の座を獲得したトレーダージョーズの店舗が大きく飾っている。

2026年春発行「スーパーマーケット・ニュース」誌の表紙。「2026年スーパー50(2026 Super50 )」ランキングで見事1位の座を獲得したトレーダージョーズの店舗が大きく飾っている。

2026年春発行「スーパーマーケット・ニュース」誌の表紙。「2026年スーパー50(2026 Super50 )」ランキングで見事1位の座を獲得したトレーダージョーズの店舗が大きく飾っている。

在米28年のアメリカン流通コンサルタント
激しくウォルマートなアメリカ小売業ブログ

激動のアメリカ小売市場:トップ10に食い込む実力派企業と業界を牽引する50社

2026年春の最新データが示すアメリカの食品小売市場において、顧客満足度や職場としての評価、テクノロジーの活用などを総合的に基準としたスーパーマーケットのトップ企業ランキングが発表された。

2026年春発行「スーパーマーケット・ニュース」内にある、売上高のみに依存しない「2026年スーパー50(2026 Super50 )」ランキングにおいて、トップ5に迫る第6位~第10位の企業もまた独自の戦略とテクノロジーの駆使により激しい競争を勝ち抜いている。

そして11位以下の企業群も、それぞれの地域で確固たる存在感を示している。

サムズクラブ

第6位にランクインしたサムズクラブは、CEOであるラトリース・ワトキンス(Latriece Watkins)氏の指揮のもと、極めて好調な業績を記録している。

第4四半期の既存店売上高は燃料を除いて4%の増加を見せ、Eコマースの売上は23%増、会員費収入も前年比で6.1%の増加を達成した。

現在、会員の60%が3時間以内の配達サービスを利用可能となっており、経営陣は「メンバーに商品を迅速に届ける能力を成長させており、ここで立ち止まるつもりはない」と今後のさらなる拡大に強い意欲を示している。

店舗内においては、スキャン&ゴー(Scan & Go)などの摩擦のないチェックアウト体験が顧客から高く評価されている。

さらに、人気の高い寿司などの惣菜プログラムの強化や、40種類以上の人工添加物を排除したプライベートブランドであるメンバーズマーク(Member's Mark)の全面的な刷新も、同社の力強い成長を支える確固たる基盤となっている。

アルディ

第7位は、徹底したコスト削減で知られるアルディだ。

終わりの見えないインフレ下において、シンプルで手頃な価格を提供する同社は、多くのアメリカの消費者にとって強い味方となっている。

ドイツのアルディ・スード(Aldi Sud)の傘下にある同社は、アメリカ進出50周年という節目を迎え、5年間で90億ドル(約1兆3500億円)という巨額の投資を実行中である。

今年中には180店舗を新規に出店し、3つの新しい物流センターを開設する予定であり、2028年末までには3200店舗体制を目指すという猛烈な勢いで拡大を続けている。

CCO(Chief Commercial Officer)のスコット・パットン(Scott Patton)氏が主導する独自のジャストインタイム配送モデルと徹底した効率化により、「他のお店で買い物をする必要があるかもしれないが、顧客にはまず当店で買い物をしてほしい」という強気の姿勢を崩していない。

また、2026年にはEコマースの大規模な刷新も予定しており、デジタル面での利便性向上にも余念がない。

ホールフーズ・マーケット

第8位のホールフーズ・マーケットは、自然食品やオーガニック製品のスタンダードとして確固たる地位を維持している。

アマゾンの傘下に入って以降も進化を続けており、今後数年間で100店舗以上の新規出店を計画している。

現在はアメリカ国内で532店舗を展開するほか、カナダで12店舗、イギリスで6店舗を運営している。

特に注目されるのは都市部での展開であり、ホーボーケン(Hoboken)やウィリアムズバーグ(Williamsburg)において、約1万平方フィート(約280坪)の小型店舗であるホールフーズ・マーケット・デイリー・ショップ(Whole Foods Market Daily Shop)の展開を始めている。

さらにフィラデルフィア近郊の店舗では、QRコードをスキャンして自動倉庫から従来の商品を注文できる新しい戦略の実験も行われており、実店舗とテクノロジーの融合を加速させている。

クローガー

第9位のクローガーは、新CEOのグレッグ・フォーラン(Greg Foran)氏のもとで新たな時代に突入している。

同社はこれまで推進してきたオカド(Ocado)との提携を縮小し、自社の広大な店舗網を活用したサードパーティによる配達へと戦略の軸足を移しつつある。

エグゼクティブサーチ会社であるオースティン・マイケル(Austin-Michael)のパートナー、ホセ・タメス(Jose Tamez)氏が指摘するように、清潔な店舗や迅速でフレンドリーな適正価格でのサービスといった、小売業における基本の徹底が改めて期待されているのだ。

顧客からの評価が特に高いのは、パーソナライズされた取引や燃料割引を含むロイヤルティプログラムである。

「アプリが私の買い物の習慣に合った割引を表示してくれるのが素晴らしい」といった顧客の声が数多く寄せられており、同社のデジタル戦略が消費者のニーズに的確に応えていることを裏付けている。

ウォルマート

第10位にランクインしたウォルマートは、特に生鮮食品においてその圧倒的な存在感をさらに高めている。

CEOのジョン・ファーナー(John Furner)氏が率いる新体制のもと、第4四半期の既存店売上高は燃料を除いて4.6%の増加を記録した。

Eコマースの売上は前年比で25%近く成長し、年間で初めて1500億ドル(約22兆5000億円)を突破するという偉業を成し遂げている。

3時間以内の迅速な配達サービスも過去1年間で60%という驚異的な成長を記録。

また、人工知能を活用したデジタル戦略も成果を上げており、AIを搭載したショッピングアシスタントのスパーキー(Sparky)を利用した顧客は、注文サイズが35%も大きくなるという明確な結果が出ている。

サブスクのウォルマート+(Walmart+)を通じた店舗からの無料配達も、同社の強力な武器として機能し続けている。

11位以下のランキング動向

トップ10に惜しくも届かなかった11位以下の企業も、それぞれの地域や独自の専門領域において激しい競争を繰り広げている。

多様化する消費者のニーズに応えるべく、各社は価格競争力や独自のサービスを武器に生き残りを懸けている。

11位から50位までのランキングは以下の通りである。

11位のターゲットから始まり、マイヤー(Meijer)、ウェグマンズ・フード・マーケッツ(Wegmans Food Markets)、コストコ・ネクスト(Costco Next)、ハイヴィー(Hy-Vee)、BJsホールセールクラブ(BJ's Wholesale Club)、ショップライト(ShopRite)、リドルUS(Lidl US)、フレッシュダイレクト(FreshDirect)。

20位はスプラウツ・ファーマーズ・マーケット(Sprouts Farmers Market)、グロサリー・アウトレット(Grocery Outlet)、セーブ・ア・ロット(Save A Lot)、ジャイアント・フードおよびストップ&ショップ(Giant Food/Stop & Shop)、セーフウェイ、プライス・チョッパーおよびマーケット32(Price Chopper/Market 32)、ジャイアント・イーグル(Giant Eagle)、Hマート(H-Mart)、ラウジズ・マーケッツ(Rouses Markets)、ハリス・ティーター(Harris Teeter)。

30位のウッドマンズ・マーケット(Woodman's Market)、カブ・フーズ(Cub Foods)、ジュエル・オスコ(Jewel-Osco)、キング・スーパース(King Soopers)、トップス・フレンドリー・マーケッツ(Tops Friendly Markets)、フレッド・マイヤー(Fred Meyer)、ステーター・ブラザーズ・マーケッツ(Stater Bros. Markets)、ブルックシャイヤー・グロサリー(Brookshire Grocery Co.)、アルバートソンズだ。

40位以降はスーパーバリュ(SuperValu banners)、フェアウェイ・マーケット(Fairway Market)、セーブマート(Save-Mart)、ハイネンズ・グロサリー(Heinen's Grocery)、IGA(IGA)、フレッシュ・マーケット(The Fresh Market)、マーケット・バスケット(Market Basket)、プライス・ライト(Price Rite)、アソシエイテッド・フード・ストアーズ(Associated Food Stores)、レイリーズ(Raley's Family of Fine Stores)、ピグリ・ウィグリ(Piggly Wiggly)、そして50位のバシャーズ(Bashas')と続く。

なお、本ランキングは、現在の消費者が求める価値を正確に反映するため、以下の多角的な基準に基づいて小売業者を総合的に評価・ランク付けしている。

・顧客満足度(Customer satisfaction)

・職場としての評判や働きやすさ(Workplace reputation)

・テクノロジーの活用度(Use of technology)

・ロイヤルティプログラムの特典内容(Loyalty program perks)

・オムニチャネルの有効性(Omnichannel effectiveness)

・プライベートブランドの競争力(Private-label strength)

・配送および店舗ピックアップサービスの実行力(Delivery/pickup execution)

本評価手順の最大の特徴は、「売上高(Revenue)」を評価基準から意図的に除外していることだ。

売上高を考慮してしまうと、大多数のスーパーマーケットが規模の面で不利な立場に置かれるうえ、毎年代わり映えのしないランキング結果になってしまう。

この独自の規定により、単なる企業規模の大きさではなく、サービスの質や職場環境、デジタル戦略への適応力といった、小売業としての「真の実力」が正当に評価される仕組みとなっている。

⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です!

今回は「2026年スーパー50」ランキングから、6位から10位、そして11位以下の激動の顔ぶれを紐解きました。

絶対王者と思われがちなウォルマートが10位に位置するものの、AIを駆使したショッピングアシスタントやECの驚異的な伸びで底力を見せつけています。

一方のクローガーはロイヤルティプログラムを研ぎ澄まし、基本の徹底で顧客の心を掌握。

さらに、アルディはインフレの追い風を背に怒涛の勢いで新規出店を畳み掛け、ホールフーズは都市部での小型店展開や自動倉庫を取り入れた次世代の買い物体験へと踏み出しました。

サムズクラブも3時間以内の配送や惣菜のテコ入れで快進撃を続けています。

この中位グループの戦いは、F1レースのセカンドグループが毎コーナーで順位を入れ替えるような、焦燥と熱気に満ちたデッドヒートです。

各社が自らのエンジンを極限までチューニングし、AIという最新パーツを取り付けて、コンマ1秒の顧客満足を削り出そうと凌ぎを削っています。

そんな最先端のレース展開を横目に、私の買い物カートに放り込まれているのは、テクノロジーの恩恵とは無縁の特売ポテトチップスなんですけどね!

最終更新日:

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