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レザーグッズ初心者に贈る、革選びの3つのポイント

レザー素材の参考画像
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レザーグッズ初心者に贈る、革選びの3つのポイント

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こんにちは、タニグチレイです。

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あまり馴染みのない方にとって、「革」「レザー」という素材にはあまり良い印象をお持ちでないことあります。

例えば「革製品は重い」「革は扱いにくい」「雨の日に困る」「手入れをしないといけない」

それならば、ナイロン製やコットン製のものだったら良いのでしょうか?

「イメージ的に革は持ちたくない」

動物の肉は食べるけど、動物の革を使った製品は持ちたくない?

もちろん、全ての方がこのような意見なのではなく、馴染みがないからこそよくわからないということはあります。知ってみたり使ってみたら、実は違った。革に限らず、どんな素材やものでもあり得る話です。

そこで、今回はレザーグッズ初心者の方に向けた「革選び」のポイントを書いてみたいと思います。今まで、革の種類や加工、工程など書いてきた内容も参考にしてもらえるといいかと思います。

まずは、よくある疑問3項目を挙げてみます。それは「キズ」「雨(水)」「経年変化」です。

使っていると傷だらけになってしまうのではないか?雨の日は使えないんじゃないか?経年変化という言葉は聞くけど、具体的にどうなっていくのか?

どの項目も、素材の種類や仕上げ方法などによって変わります。ですから万人に正解というポイントではありませんが、あくまでレザー初心者に知ってもらうアドバイスと捉えてください。

この春からレザーグッズの販売をする方にとっても、きっと一度はお客様から聞かれることでしょう。その時にわかりやすく伝えることができないと困りますからね。

「キズ」が気になる方の革選び3つのポイント

では、ひとつ目の項目。早速ポイントを3つ述べますね。

①型押しは目立ちにくい②シュリンクは目立ちにくい③カーシートに使われるような革を選ぶ

順に捕捉していきます。

まず①からですが、型押しの加工をしているから傷がつかないのではありません。あくまで目立ちにくいということ。「キズ」を気にされる方は、使い込むほどに馴染ませていく革の特徴はあまりメリットと感じていません。そこには手入れをするのが面倒だとか、見た目が悪く見えるという思いがあるように感じます。

ですからその場合、型押し加工を施した革の製品を選ぶことで、気にしていることは十分に解消されます。

型押しとは、凹凸の模様になった金属板を、革の表面に熱と圧力を加えて型付けすることです。つまり、銀面(床面でも)の元々の表情も、使うことで起こる表面変化も、わかりにくくなるということです。

「キズ」がつかないのではなく、目立ちにくくすることで気になりにくくなるわけですね。

次の②は、革を収縮させて凹凸を作り出しているので、キズがつきにくくなります。ギュッと密度が高まるということは丈夫にもなり、凹凸を作り出しているので目立ちにくくもなります。

扱いやすくもなるので、お勧めするには良いですね。

最後の③は身近な革製品に使われることは少ないので、トピックス的な内容になるかもしれませんね。

カーシートに使われるような革素材は、摩耗に強くしているためキズが付きにくいものが選ばれます。物性面で堅牢に仕上げられているので、キズを気にすることもなく使うことができるでしょう。

ただ例えば、革製の鞄や財布など身近な製品に使われることはあまりありません。その理由は、本革なのに本革に見えないものが多いため、革製品のデザイナーが敢えて選ぶことがあまりないからでしょう。

これは機能に特化しているので、良いか悪いかではありません。製品によって違いがあるというだけのことです。

「雨(水)」が気になる方の革選び3つのポイント

こちらもまずポイントを3つ先に挙げます。

①スコッチガードを使う②ブライドルレザーの製品を選ぶ③シャーク革の製品を選ぶ

まず①は使用したことがなくても、知っている方は多いでしょうから想像してもらいやすいですね。大雨の日は出かける前に、傘に使用する方もいるでしょう。

スコッチガードは3M社が開発した、フッ素系樹脂による撥水効果のあるスプレーです。ちなみに、撥水は線維の目を塞ぐことなく通気性を保ちつつ水を浸透させないので、靴や衣類に使用しても蒸れることなく快適に使用できます。防水も同じように水を浸透させないのですが、線維の目を塞ぐので通気性もなくなります。

フッ素は付着した線維から離れようとする性質があり、さらに表面張力が低いため、水や油を弾いてしまうそうです。雨水が玉のように表面に浮かんでいる状態を見たことがありませんか?あんな感じになりながら、通気性は保たれるのですから優れていますよね。

次に②ですがブライドルレザーを選ぶことも良いでしょう。ブライドルレザーとは、植物タンニンで鞣した成牛革にワックスを浸透させて、堅牢度を上げ撥水性を与えた革です。何度も繰り返し蝋を塗り込んで線維間に浸透させるため、強度が増します。馬具に使用するために開発された革なので、安全性を考慮して丈夫さが大切なのはご理解いただけると思います。一番の目的ではなくても、蜜蝋という動物系油脂による撥水が、この雨(水)に対しても効果があるというわけです。

そして③のシャーク革ですが、素材的に水に対して強い(弱くない)ことです。鮫は体表に毛がないわけですから、毛穴がありません。そのため水が染み込む心配がないわけですね。当たり前のような話ですが、水中の生物の革を選ぶこともひとつポイントにはなります。どんな製品でもあるわけではないので、ある程度制限はあるでしょうけれども。

「経年変化」が気になる方の革選び3つのポイント

こちらもまずポイントを3つ挙げます。ただ、経年変化は表面の変化か形状の変化かにもよるので、今回はどちらも混ぜています。

①カーシートに使用している革のように表面加工をしてあるもの②シュランケンカーフを選ぶ③ヌメ革を選ぶ

まずは①からですが、これは表面の変化に対してですね。「キズ」の項目でも出てきましたが、物性面で堅牢に仕上げているのが特徴です。摩擦などにも強いため、あまり変化していくことがありません。ただし、先にも述べましたが身近な革製品に使用されることはあまりないので、現実的にはポイントとして少し弱いかもしれませんね。

次に②ですが、ドイツのぺリンガー社シュランケンカーフを使用した製品を選ぶことです。具体的なタンナーや革を指定するのは初めてですが、製品的には身近に選びやすいので挙げてみました。シュランケンカーフは、クロム鞣しを施した仔牛革をシュリンクさせた代表的な革です。傷が目立ちにくく、水に対しても強いため、表面の変化もほとんどありません。発色性が良いことも特徴で、上記の理由と合わせ、色合いの変化も起こりにくいため表面の変化を気にする方には良いでしょう。

最後に③ですが、こちらは形状の変化を気にする方にお勧めです。一般的にヌメ革は植物の渋だけで鞣してあるので、線維が引き締まっています。そのため、特にクロム鞣しのものと比べると硬く仕上がっています。今までにも書いてきた通り、鞣す以上は皮を素材として使えるように柔らかくしています。ですから、ヌメだからと言ってカチカチというわけではありません。あくまで、他の鞣し方法の革製品と比較してということになります。鞄などであれば、非常に強い芯材と合わせることでかなりハードめな鞄を作成することができます。

この「経年変化」の項目は決してマイナスのイメージが強いわけでもないでしょうし、どちらかと言えばどう変化するのかがただ聞きたいだけということも多いです。ですから、使用されている素材の革の特性を理解してお伝えするのが一番です。変化する場合はどのようにお手入れをすればいいのか?がセットになる話題なので、今回はそのお手入れ部分を省いたポイントにしてみました。(ヌメは表面の変化には扱いの注意が必要ですが、今回は形状についてだけとしておきます)

以上、今回は革に対してよくある心配事について3つのポイントをまとめてみました。あくまで、革に対して馴染みが少ない方に向けて、まずは種類や方法はあるということをわかってもらう。それによって、思い込みが解消されれば選択肢も広がります。

そこから「キズ」や「経年変化」は革特有の風合いを満喫できるもの、と変わっていけるかもしれませんからね。

それでは、また来月。

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