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吉祥寺パルコにオープンしたコミュニティ型ワーキングスペース「SkiiMa」とは?

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「好き」を通して新しい働き方・生き方を提案する!
はたらく場所と仲間は選ぶ時代
「コミュニティ型ワーキングスペース」が吉祥寺PARCOに誕生。

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4/12(月)、株式会社パルコの新規事業のひとつであるワーキングスペース「SkiiMa」が吉祥寺PARCO8Fにオープンした。2020年11月にオープンした心斎橋店に続く2号店で、「好きと好きの間に」というコンセプトのもと誕生した“コミュニティ型ワーキングスペース”だ。

特徴としては簡易キッチンが併設されたラウンジやアートウォール・コレクションボックスを設けている点だ。打ち合わせに使用できるミーティングルームや固定デスク・個室も完備されているが、フリーアドレスのデスクを広めに取っており、利用者同士が交流しやすい環境になっている。アートウォールやコレクションボックスでは、作品の展示や販売なども行われ、単なるワークスペースとしてではなく、アート・カルチャーを情報発信していく場としてイベントなども展開予定だ。

また、もうひとつの大きな特徴は、運営パートナーであるMIRAI-INSTITUTE株式会社が担う“コミュニティ・マネージャー”の存在だ。近年急増しているシェアオフィスには無人で運営する店舗も数多く存在するが、「SkiiMa」は人々の交流を大きなテーマに掲げ、そのお手伝いをするスタッフが常駐する。

4月9日に行われた記者会見では、MIRAI-INSTITUTE株式会社の元代表でIDEE創始者の黒崎輝男氏、MIRAI-INSTITUTE株式会社・現代表の小柴美保氏、株式会社パルコ常務執行役の泉水隆氏が登壇し、オープンにあたっての展望や現代における働き方の多様性などについてクロストークが行われた。

(写真左から:株式会社パルコ ワーキングスペース事業部部長・松井睦氏、株式会社パルコ常務執行役・泉水隆氏、 IDEE創始者(現・流石創造集団株式会社 代表)・黒崎輝男氏、MIRAI-INSTITUTE株式会社 現代表・小柴美保氏)
(写真左から:株式会社パルコ ワーキングスペース事業部部長・松井睦氏、株式会社パルコ常務執行役・泉水隆氏、 IDEE創始者(現・流石創造集団株式会社 代表)・黒崎輝男氏、MIRAI-INSTITUTE株式会社 現代表・小柴美保氏)

アート・カルチャーコンテンツを強化した吉祥寺PARCO。
1号店の手応えから感じるアートへの関心の高まり

吉祥寺PARCOは2018年12月、地下2階に「UPLINK(アップリンク)」がオープンし、その他ファッションだけでなく地下1階の「ディスクユニオン」(2020年10月オープン)や7階「アニメイト」(2017年2月オープン)など、近年はアート、カルチャーに特化したコンテンツの強化が見られる。そこに今回の「SkiiMa」のオープンが繋がり、「クリエイティブなデザイン指向の人」を主なターゲットに、クリエイターの多く暮らす吉祥地にて「はたらくこと」を通して地域共生を図る。

先にオープンした心斎橋店はCOVID-19の影響もあり館全体としても厳しい状況が続いているが、そのなかでも「SkiiMa」にて実施されたトークイベントは動員力もあり、併設されたギャラリーでも展示作品の大型売り上げに繋がるなど、手応えを感じていると泉水氏は話す。

「これからよりアートがクローズアップされる世の中になる」と泉水隆氏。
「これからよりアートがクローズアップされる世の中になる」と泉水隆氏。

「一昨年リニューアルオープンした渋谷PARCOでも、ギャラリースペースの動員はすごくいい。コロナになって、モノだけでなく心の豊かさが求められていくなかで、アートへの関心がより高まっているそのアートをパルコとして頑張ってきたのが70〜80年代。その頃にいろんな仕事をさせていただいていた黒崎さんとご縁があって、もう一度ご一緒する機会につながった」(泉水氏)。

「好き」「おもしろい」をエネルギーにした働き方、生き方を発信する場所

黒崎氏は2019年11月にリニューアルオープンした渋谷PARCOでも、10階「ComMunE」のディレクションを手掛けている。「IID 世田谷ものづくり学校」での「スクーリング・パッド/自由大学」や「みどり荘」などさまざまな「人が集まる場」をプロデュースしてきた黒崎氏は、現代の日本の働き方について言及した。

「小学生に将来なにになりたいか聞くと、サッカー選手だったりいろいろと出てくるが、中学生、高校生になるにつれて、『会社員になりたい』と言う。これが日本の活力が沈滞している大きな原因だと思う。働き方が変わらないといけない。安定したサラリーマンになることがひとつの成功パターンのように思われていたが、コロナになり、働き方全体が崩れて根底が変わっている。これからはたくましくていろんなことに対応できるような生き方に社会が移り変わっていくのではないか」(黒崎氏)。

「落ちこぼれ」や「へんなやつ」といった行き場のない人が何も目的がなくても集まってこれるような“粋場(いきば)”になって欲しい」(黒崎輝男氏)。
「落ちこぼれ」や「へんなやつ」といった行き場のない人が何も目的がなくても集まってこれるような“粋場(いきば)”になって欲しい」(黒崎輝男氏)。

人と人を繋ぐ「コミュニティ・マネージャー」の役割

記者会見では「人が集まり、交流する場」の重要性について度々語られた。東京都内で3店舗の「みどり荘」を立ち上げ運営する小柴氏は、コミュニティ・マネージャーの役割として、「ここで働く人たちが点と点でいても何も起こらない。それが面につながって、新しい働き方、プロダクト、企画だったりというものがさらに立体になって作っていけたら」と話していた。「みどり荘」1号店が2012年にオープンしてから10年弱が経過するが、実際にそこにいた1人1人が集まって会社を立ち上げるなどの成功例を目にしてきたのだという。

「コロナで空いた場所があればすぐにシェアオフィスを作るという流れが出来上がっているが、場所だけあっても何も生まれない。いかに他愛のない話のできる環境を作れるかというのがすごく重要。だから単なる場所貸しというよりも、ここにおもしろい人が集まって他愛のない話をして、そこから仲間を作って、一緒に働くという、そういう循環ができたらいいなと思う」(小柴氏)。

小柴美保氏は「いかに他愛のない話をできる環境を作れるかが重要」と話す。
小柴美保氏は「いかに他愛のない話をできる環境を作れるかが重要」と話す。

「好き」「はたらく」を通して地域共生を目指す

今後は地下2階の「UPLINK」など館全体との連動も視野に入れ、商業施設の中の施設として利便性や設備以外の面でも他社との差別化を図り、「パルコで働くという新たな価値観、スタイルを作っていきたい」と泉水氏は話す。心斎橋店と同じくイベントも定期的に開催予定で、オープニング企画としてはパルコに縁のあるクリエイティブ業界の著名人のトークイベント(オンライン配信有り)や、ペインターの小澤雅志の個展「ARRANGEMENTS」(2021年4月29日(木)〜5月22日(土))の開催が決まっている。

飲食店、ヘアサロン、商業施設が並ぶ一方で居住者も多い吉祥寺は、都心部でコロナ以前より通行量の減少が見られるなか、平日にもかかわらずたくさんの人の流れが見られた。「はたらく」と「暮らす」が混在するまちにおいて、ただモノを売るだけではなく、刺激や発見、出会いを提供する場を吉祥寺PARCOは目指している。

吉祥寺PARCO・店長の服部静氏は「吉祥地で一番わくわくする建物としてやっていこうとしている。40周年もそうだが、SkiiMaができたことで、まちにパルコにしかできないカルチャーを提案し、より吉祥地というまちに貢献できるかなと思っている」と話す。

吉祥寺PARCOの服部静店長
吉祥寺PARCOの服部静店長

吉祥寺PARCOの服部静店長まちと共生しながら「好き」を通して多様な働き方/生き方を提案していく「SkiiMa」。今後の社会を動かすクリエーションの種がここで生まれ、育まれていくことを期待したい。

【取材・文:堀坂有紀(『ACROSS』編集部)】

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