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スターバックスの客単価が過去最大に、Z世代がモバイルのカスタムオーダーで売上をけん引

米スターバックス 外観
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スターバックスの客単価が過去最大に、Z世代がモバイルのカスタムオーダーで売上をけん引

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在米28年のアメリカン流通コンサルタント
激しくウォルマートなアメリカ小売業ブログ

■コーヒーチェーン最大手のスターバックスは第3四半期(4月~6月期)の決算発表で客単価が過去最大となった。

猛暑が追い風となりアイスコーヒーなどコールドドリンクが伸び、モバイルオーダーによるカスタマイゼーション、パーソナライゼーションが顧客一人当たりが支払う平均額を押し上げた形だ。

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スターバックスのメニューの中でも冷たい飲み物は高価格商品となっている。

コールドドリンクのメニューには例えば「コールド・ブリュー(Cold Brew)」「ナイトロ・コールド・ブリュー(Nitro Cold Brew)」「アイス・シェイク・ エスプレッソ(Iced Shaken Espresso)」「リフレッシャー(Refresher)」などがある。

またグランデサイズの「ナイトロ・コールド・ブリュー」が4.95ドル(約544円)、グランデサイズの「アイスチョコレート・アーモンドミルク・シェイクエスプレッソ(Iced chocolate Almond Milk Shaken Espresso)」は5.45ドル(約600円)。

グランデサイズの「キウィ・スターフルーツ・スターバックス・リフレッシャー(Kiwi Starfruit Starbucks Refreshers)」は3.85ドル(434円)だ。

コールドドリンクが売上全体の74%を占め、特に価格の高い「アイスシェイク・エスプレッソ」系メニューが、第3四半期の成長の3分の1以上に貢献したという。

記録的な客単価となったのは猛暑で単に冷たい飲み物が売れただけではない。デジタルネイティブ世代がスターバックスの売上を牽引しているのだ。

ミレニアル世代に加えて、彼らよりも若いジェネレーションZ(Z世代)がモバイルオーダーを介してカスタマイズ注文している背景がある。

モバイル・オーダーはレジ待ち行列を緩和し、注文の聞き取りミスや勘違いによるヒューマンエラーを回避できることでクレームが減り、顧客ロイヤリティが高まる。

スタッフもより調理に集中できることで、店内オペレーションの合理化も図れるメリットがある。

コンタクトフリーとなるモバイルオーダーはお客とレジ係りの物理的な接点がなくなることで感染リスクも最小化できる利点も最近注目されている。

スターバックスでは「モバイルオーダー&ペイ(Mobile Order & Pay)」が注文全体の26%に達しており、4人に一人の割合でスマートフォン・アプリからコーヒー等を注文している。

1990年代中盤から2000年代終盤までに生まれた若い世代はファストフード等で、レジ行列に並んでレジスタッフに口頭で注文するような注文スタイルをあまり体験していない。

レジ注文の仕方が習慣化していないうえに、そもそも非効率なレジ行列には並ばない。モバイルオーダーをニューノーマルとする前の世代と異なり、モバイルオーダーは彼らにとってノーマルなのだ。

しかもモバイルオーダーでは自分の嗜好にあったようにカスタマイズして注文する。

例えばチョコレートやキャラメル追加に低脂肪ミルクから無脂肪ミルクへの変更、ホイップクリームの増量、さらに有料となるエスプレッソショットの追加等、Z世代は自分オリジナルのカスタマイズ注文がデフォルトになる。

レジ注文を経験していないからこそ、モバイルオーダーではじっくり時間をかけ自分好みのドリンクを作るのだ。

つまり若い顧客が増えたことでモバイルオーダーを介して、冷たくて甘い飲み物にホイップクリームの追加にチョコチップを増量していることで、客単価が上がっているのだ。

 一方、モバイルオーダーが原因でワンオペ地獄のような現場になっている問題もある。モバイルオーダーを介した注文が急増していることに加え、カスタマイズ注文の増加で現場にしわ寄せがいっているのだ。

ニューヨークの店舗では一時的とはいえ1分間に7件以上のモバイル注文が入ることもあり、物理的に対応が困難になってきている。

最近でもオープン10分後には25件分の注文がたまっているTikTok動画が話題になっていた。

 モバイルオーダーが増えることでカスタマイズが増え、それにより客単価が上昇するというのは以前から言われていたことだ。

増えすぎたときを想定していないと、現場から悲鳴があがることになる。日本はまだモバイルオーダー後進国だからこそ、今から対処法を考えておくべきだろう。

⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。後藤はいつも「アメリカで起こったことは日本で5年~10年後に起こる」と言っています。競争社会でカスタマーファーストな米国では顧客にとって便利なことはすぐに拡大します。一方、日本ではいまだにFAXが使われていたり、国が動かなかったら契約等の手続きにハンコ文化がそのまま残ったりします。必要以上に顧客に配慮したり、既得権益を守ろうとすることで、日本ではIT導入が遅れている印象があります。見方を変えれば日米でタイムラグがあるからこそ他社を出し抜くチャンスがあるのです。アメリカで成功したビジネスモデルやITを日本でいち早く展開するタイムマシン経営があります。スターバックスのモバイルオーダーの成功・失敗事例を知ることは、タイムマシンで日本の5年~10年後を知ることと同じです。2026年頃には日本もモバイルオーダーが飲食店にも普及し、若い人を中心にカスタマイズ注文が増えるのです。成功した飲食店は客単価上昇で売上増も、殺到するカスタマイズ注文の対応で現場は混乱する可能性もあるのです。

 アプリを介した事前注文は飲食業に限ったことではありません。食品スーパーの惣菜コーナーでもモバイルを介して幕の内弁当がカスタマイズできるようになるはず。高価なトッピングで客単価上昇に売上増も、現場は...みたいな。

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