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老舗タオルメーカー「IKEUCHI ORGANIC」社長が語る、新しい挑戦を続けられる理由とは

老舗タオルメーカー「IKEUCHI ORGANIC」社長が語る、新しい挑戦を続けられる理由とは

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IKEUCHI  ORGANIC株式会社 代表取締役 阿部 哲也さんインタビュー
世界有数のタオル産地である愛媛県今治市。IKEUCHI ORGANICは、1953年2月の創業以来今治に本社を構え、タオルをはじめとしたオーガニックテキスタイルの企画・製造・販売を行っている。品質への信頼感のみならず、イケウチ発の環境問題への提言や、ユニークな取り組みに賛同する「イケウチファン」も多い。老舗タオルメーカーが新しい挑戦を続ける意義と続けられる理由とは。同社の代表取締役 阿部哲也氏に話を伺った。

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―阿部さんは、以前証券会社にお勤めだったと伺いました。まったく異なる業界からなぜ繊維業界に?

就職活動中の第一希望は広告代理店だったのですが、落ちまして(苦笑)。証券会社を選んだのは、他の金融に比べ、新人でも決裁権のある方と直接仕事ができるかな、というイメージを抱いていたからなんです。ところが入ってみると、私にはまったく合わない世界。そもそも文学部出身で経済には弱いし、カタチがなくて価値がどんどん変動していく株にはついていけなかったんです。そんなわけで、何かカタチがあるものに関わりたいと思っていた矢先、証券会社時代の上司に紹介されたスタートアップのソフトウエア会社で仕事をすることになり、販促物を作るグラフィックの仕事などを行ううちに、アパレルの仕事と出会いました。2000年にアパレル業界に入り、その会社には8年ほど在籍しましたが、事業継続しないことになって慌ててまた就職活動をしていたところ、知り合いから「同じ繊維業界にユニークな会社がある」と紹介されたのがイケウチでした。

―イケウチに入社しようと思った決め手は何だったのでしょう?

それまではすべて売る側で仕事をしていたので、作る側に興味がありました。当時の代表である池内と直接話をしたのですが、とにかく個性あふれるユニークな人で、こんな人の近くで仕事ができたら刺激的で面白いだろうな、と思ったんです。そこで「何かこの会社で仕事ないですか?」と聞いたところ、「じゃあ、うちの展示会で説明して」と唐突に指示されまして(苦笑)。そこからイケウチの商品の勉強を始めました。

―イケウチに入社される前もアパレルにいらしたわけですが、イケウチに入ることで阿部さんご自身の変化はありましたか?

アパレルの商売のやり方が客観的に見えるようになりました。アパレルって量を売らないといけないので、余分なものまで作るんです。とくに私がアパレルの仕事をしていた2000年初頭はセールの連発で、アウトレットも人気でしたからとにかく量産。量産して積まないと売れないけれど、結局作りすぎて廃棄になってしまうんです。私は売る立場でしたが、当時からこれってどうにかならないだろうかと思っていました。作り手がこの現状を知ったら怒るだろうなと思いながら売っていましたしね。一方で、イケウチは生産設備を持ち「作って売る」メーカーですから、作り手が見える。アパレル時代も自分が関わっている仕事は「作って売っている」ものだと思っていましたが、それは大きな勘違いで、当時私がやっていたことは単なる発注だったのです。作って売るのではなく、大量に発注して売る。作り手のことが見えていなかったんですね。

―作り手の立場がわかると、どんなことが見えてきましたか?

売る側にいたときは、私自身も消費者目線だったことに気付きました。つまり自分が欲しいものが、欲しい時に欲しいだけあるといいな、という目線ですね。ところが作り手の立場がわかると、作る側に関わるものが明確になります。例えば原材料を生産している農家のこと、産地のこと、織る人、縫う人、染める人…すべてがうまくまわっていないとイケウチのような会社ではモノづくりができないんだ、ということがわかりました。原材料となる綿花の生産のことなどを考えると環境問題やSDGsのことも根幹にありますしね。

―近年は環境問題やSDGsについても一般的に語られるようになってきました。

それはとてもいいことですよね。しかし、いろいろなことが絡んでいるので、繊維業界と環境問題を理解しつつ解決するのは、一筋縄ではいきません。繊維業界に限らず、すべての業界には環境的に都合の悪いことがまだまだたくさんあり、環境を変えたい!社会を変えたい!と思っても簡単にはいきません。理想的な世界のイメージはあってもさまざまな問題はなかなかクリアにならないんですね。

―そんななか、イケウチは長年にわたって環境問題にも取り組みながらモノづくりを行っていますよね。なぜそれができるのでしょう?

環境問題に取り組み、本当の根っこの部分を変えようとするには時間がかかります。だったらまず現状への問題提示を声高に叫ぶよりも、自分たちが考える環境への配慮に基づきながら着々とモノづくりをしたほうが健全なのではないか、というのがイケウチのスタンスです。自分たちが信じる「いいもの」を作り、使った方に喜んでもらい、リピートするなかで、イケウチが考えるモノづくりについて理解していただく、と。つまり、環境問題とかオーガニックという部分はとりあえず二の次にして、まずプロダクトとして売るというやり方です。

―なるほど。まず理屈よりもモノありき、ということですね。

イケウチの製品って、環境やオーガニックに関してはもともとこだわりが強くて、理屈っぽい製品なんです。でも先にそれを言ってしまうと使う側もめんどくさい。だから理屈を考えずにまずは使ってもらって、ああ、このタオルいいな、ずっと使いたいなと感じていただけたらいいな、と。けれどもそれにはそれ相応のコアなプロダクトを持っていることが必要不可欠です。本当によいものでなければリピートしていただけませんからね。その点イケウチには長い歴史と共に受け継がれてきたホンモノのプロダクトがあります。これこそがこだわりのモノづくりを続けられる理由だと思います。自信を持っておすすめできるプロダクトがあるのは、本当に素晴らしいことだと実感しています。

―こだわりのモノづくりに加え、イケウチは「タオルの洗濯講座」といったユニークな取り組みも行っていますよね。

店舗に洗濯機・乾燥機を設置して、洗濯後の風合いも変わらないということをお客様が実感されてからお買い上げいただくために始めた試みです。とはいえ始めた当初、私は何もわかっていなくて普通に柔軟剤を使っていました。するとお客様から「あなた、なんてことをしているの」とお𠮟りを受けました。お客様のほうがよほど知識をお持ちだったんです。今治タオルは柔軟剤を使用するとかえって水を弾いてしまい、吸水性が弱くなることを知らなかったなんて、今思えば本当に恥ずかしいです。それからは、いかに自社商品を快適に使っていただけるように洗濯するかを追求しています。洗濯に詳しい人や、洗濯機を作っているメーカーの方にも話を聞いて徹底的に学びました。

―そうしたユニークで新しい試みは、他にどのようなものがあるのですか?

洗濯講座もそうですが、お客様とのつながりやご意見を伺う機会ってとても大切なんです。コロナ禍になってなかなか直接お会いしてということができなくなりましたが、コロナ前にやっていたイベントをなんとかできないか、という声も自然発生的に生まれてきて。オンライン接客、オンライン工場見学、オンラインタンザニアツアー(オーガニックコットンの生産地ツアー)なども企画しました。

―それらはすべて阿部さんが考えるのですか?

いえ、個々の社員が自分たちで考えてアクションを起こします。うちは本当にフラットな会社なので、それが当たり前にできるんです。SNSやEコマースの活用などは私などまったく考えもしなかった発想です。やりたいことはどんどん遠慮なく上に話せて、OKが出れば実践できる環境と言えば格好いいですが、私が不得意な部分を補完できるメンバーがちゃんといるということです。

―コラボやビジネスパートナーも募集されていらっしゃいますね。

先程もお話したように、イケウチのタオルがゆくゆくは環境のことを考えるきっかけになってくれたらいいなと思っています。そのためには商品を知っていただくことが大切なので、いろいろな業界で活躍しているプロフェッショナル、たとえばアスリートや飲食店などでタオルを使ってもらうことが知名度アップにつながるのではないかと。業界・業種を超えて使えることは、タオルの強みでもありますしね。おかげさまで「イケウチのタオルを一度使うともう他には戻れない」と言っていただく方も増えています。イケウチのファブリックを導入いただいているホテルや旅館も実はたくさんあるんですよ。

また当社には「イケウチな人たち。」というオウンドメディアがあり、モノづくりや環境問題、ライフスタイルなど、さまざまな観点からイケウチと同じ想いを抱いていらっしゃる方々をご紹介しています。業界・業種の垣根は今やかなり取り払われています。だからこそ何か問題や課題が見つかったとき、自分の会社だけで解決するのではなく、互いに協力しながら解決していけたらと思っています。そしてやるからには楽しく。楽しくなければコラボもパートナーシップも続きませんからね。迷ったままで手をこまねいていては何も変わりません。続ける先に何が見えてくるのかを考えながら、社会をよりよくしていく活動をやってみたい。そんな方や会社と組みたいですね。イケウチが何かのきっかけになって、悩みや課題にアプローチして、業界・業種を超えたつながりを広げていけたらと思っています。

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