売り場の様子
Image by: FASHIONSNAP
そごう横浜店が、試着専用のコート売り場「アウターフィッティングセンター」を11月15日まで3階のプロモーションスペースに開設している。「接客をされたくない」という顧客の声に応えた企画で、接客を強みとしてきた百貨店では異例の取り組み。SNSを中心にさまざまな意見が飛び交ったが、開設後は想定以上の来場があり、手応えを感じているという。
アウターフィッティングセンターにはメンズとウィメンズ計33ブランドのコートを集積。メンズでは「五大陸」や「ダーバン(D'URBAN)」、ウィメンズでは「マッキントッシュ ロンドン(MACKINTOSH LONDON)」や「オールド イングランド(OLD ENGLAND)」「セオリー(Theory)」「トゥービーシック(TO BE CHIC)」「23区」「アンタイトル(UNTITLED)」「バンヤードストーム(BARNYARDSTORM)」などが揃っている。いずれも3〜5階に店舗を構えるブランドで、同企画に賛同したことから実現した。
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そごう横浜店はコロナ禍で落ち込んだ客足を戻すため、コートの売り場を企画。開設前に調査したアンケート結果によると、顧客の90%以上は試着を希望したが、約50%が「接客をして欲しくない」と回答したという。百貨店といえば丁寧な接客を通じた“おもてなし”がサービスの基盤だが、この結果についてMD担当の小俣桃子氏は「いまはそういう時代だと捉えている。まずは入店に対する敷居の高さを取り除くことが課題と受け止め、接客をしない試着スペースを設けた」と狙いを語る。
各商品にはサイズ・色展開や商品の特徴、品番、取り扱い売り場を明記したプレートを下げ、そごうのアプリからも購入できるようにしている。売り場にはそごう横浜店のスタッフ1人が立ち、その場で購入したい来場客に対してはブランドの売り場を案内するなど百貨店ならではの丁寧な接客力を活かしているという。
オープン後は6日間で300人が来場。来場客は友達同士やカップル、夫婦、ファミリーなど幅広く、「自分のペースでコートを検討できる」「様々なブランドを比べることができて嬉しい」といった声が届いたという。参加ブランドも手応えを感じているようで、当初100型を取り扱っていたが現在は120型に増やしている。今回の取り組みは他店舗からも関心が寄せられているといい、小俣氏も「コートとは違うかたちにはなると思うが、検討したい」と前向きな考えを示した。
そごう・西武ではこの他にも、西武渋谷店にD2Cブランドを集積したメディア型OMO店舗「チューズベース シブヤ(CHOOSEBASE SHIBUYA)」を今年9月にオープン。スマートフォンが商品説明など販売員の役割を一部担うという新たな試みにも着手し、新時代の百貨店の形を模索している。これからの時代の百貨店についてどう考えるか。小俣氏は「接客は重要」と前置きした上で、「アンケート結果からもわかるように、お客様自身も買い物の仕方が変化している。我々は今ご来店くださっているお客様の声に耳を傾け、百貨店としても一歩踏み出し考え方を変えていきたい」と話した。
■アウターフィッティングセンター
会期:2021年11月3日(火)〜2021年11月15日(月)
会場:そごう横浜店 3階 プロモーションスペース
売り場の様子
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