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レイングッズメーカー、直営店開発の動き目立つ 職人技を守る場としても

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柴田が開いた傘のフルオーダー店「サン」
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 レイングッズメーカーによる直営店開設の動きが目立ち始めた。コロナ禍で外出機会が減るなど市場環境が大きく変わり、従来の販路だけでは厳しくなるとの判断がある。消費者の環境意識が高まり、長く使いたいとのニーズにも応え、自社職人の技術を活用する場として位置付ける狙いもある。

(古川富雄)

若手職人3人で

 創業85年の柴田(大阪市)は6月11日、東京・日本橋浜町に初の直営店で傘のフルオーダー「SUN」(サン)を開いた。来店は事前予約制で、オンラインでも対応する。用途やデザインなどの希望をヒアリングし、多種類をストックした生地、骨組み、持ち手、装飾品を選んでもらう。希少価値のある部材も揃えている。価格は1万2000円からとし、約2カ月で納品する。他社製品を含めて修理にも応じる。

 応じるのは20代後半から30代の若い3人の職人。以前から若手職人の育成に力を入れており、伝統の技術や職人を守ることも直営店の狙いとしている。

若い3人の職人が対応する柴田
若い3人の職人が対応する柴田

 これまでのところ、夫婦で訪れそれぞれ自身の傘を注文したり、プレゼント用に注文したりと、他にはない傘を求める人が目立つ。想像以上に男性客が多いという。他店で断られた思い出の傘の修理にも応えた。使い捨てされるビニール傘などのゴミ問題に対処する取り組みともなった。構想段階だが、プライベートブランド立ち上げも面白いのではという考えもある。

ニーズ探り活性化

 カムアクロス(大阪府東大阪市)は5月、本社ビル1階に初の直営店「カムアクロスファクトリーストア」を開いた。自社商品中心に個性的なレイングッズを揃える。製作や修理の工房がガラス越しに見える設計だ。

カムアクロスの直営店は工房を併設している
カムアクロスの直営店は工房を併設している

 企業戦略は「黒衣からの脱却」。ここ数年、アパレルメーカーやアウトドアメーカーなど異業種に販路を伸ばし、自社ブランドの拡大、ゴスロリなど個性的な傘の生産など幅を広げてきた。

 事業の柱は、中国の自社工場でのOEM・ODM(相手先ブランドによる設計・生産)。直営店の狙いは、消費者と直接触れ合うことでニーズを探り、会社を活性化させることにある。

 現在は営業時間が平日の午前10時~午後5時だが、オープン記念セールには約300人が来店した。「正直なところ売り上げはほとんど期待していなかったが、かなり反響がある」という。中高年女性が多く、4000~6000円のプレゼント用傘の問い合わせが多い。英「エミリー・バーミンガム」の生地を使った傘は8000円するが、反応がいい。修理の依頼も予想以上という。

 ワールドパーティー(大阪市)は、コロナ禍で取引先店舗の休業、インバウンド(訪日外国人)需要の消滅で、21年1月期の売上高が大幅に減った。そこで独自性のある新商品を矢継ぎ早に開発、ECも強化し、ヒット商品を生んだ。唯一の直営店「Wpc.心斎橋パルコ店」の売り上げも上昇、6月の売上高は約1500万円となりフロア1位を達成した。直営店は今後、主要都市に出す構想があり、秋には大阪・梅田に開設する。

(繊研新聞本紙22年8月12日付)

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