【上海支局】中国での新型コロナウイルス感染拡大による地区封鎖で、現在様々な業種で工場休業を余儀なくされている。素材・アパレル生産では、大きな混乱は今のところ聞こえてこないが、在宅勤務者増加で業務効率低下の影響は出ている。ただし今は23年1月春節(旧正月)まで冬物衣料生産の最繁忙期。工場の操業が止まると大きな影響が出る懸念がある。販売面では新店開業で店舗什器の生産・調達が間に合わず、開店が遅れる事例が出ている。
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中国の現地報道を含め、アパレルでは今のところ工場停止や納期遅れの目立った話は表に出ていない。上海の縫製工場によると「当社の関連工場は順調に稼働しており、影響はない」とし、今のところはコロナ感染が広がっている地域かどうかで影響が分かれる。広州など感染拡大地域では外出ができず在宅勤務となっているため、サンプル確認などでの作業効率が落ちているという。加えて、ここにきて感染防止対策強化を見越して、アパレルメーカー・小売りからのオーダー数が若干減っている模様だ。
工場や商品出荷現場からすると、23年は1月22日が春節となり例年より早く休暇に入るため、冬物実需生産は実質あと1カ月半。ここで仮に従業員が出社できず工場停止となると、「かなりの痛手となる」と心配する。
一方、小売りでは、商品の納期遅れよりも、新店に導入する什器や内装関連品の納期が遅れ、開業が遅れるという話が出ている。
とはいえ、コロナ感染拡大以前に、22年秋冬の中国国内のアパレル生産・販売は全般に厳しい状況にある。例えば、染色加工場の稼働はかなり悪い。原因は染色原材料高の一方で、生地値の低下と需要減退で、一部工場は繁忙期にかかわらず操業を停止しているという。一方、国際展開しているグローバルブランドと取引している工場は順調とされる。中国内販が相当に厳しい状況がうかがえる。
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