不織布「オイコス」の耳端を再利用した「めぐりコットン」の糸で作った製品サンプル
日清紡テキスタイルの「めぐりコットン」は、良質なリサイクル綿糸として注目されつつある。原料は同社の綿100%スパンレース不織布「オイコス」の生産工程で発生する耳端。元々が白い不織布のため、コンタミネーションの心配がない。その品質が評価され、少しずつ採用事例が出てきた。
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現時点ではバージンのわた70%、オイコスの耳端を開繊して再利用したわた30%の混率でめぐりコットンの原綿を作っている。開繊すると繊維長が短くなるため、糸は16番手、20番手がメインだ。生地は無地の織物からスタートし、カジュアルウェアやシャツ、ブラウス、エコバッグ、タオルなどの用途で提案。初回生産分の販売は済み、次は編物も提案していく。
オイコスは接着剤を使わず、繊維を水だけで交絡させて作った綿100%の不織布。東海道新幹線のグリーン車に長年採用され、ファンが多いという同社製のおしぼり「めんです」に使われている。オイコスの生産工程で発生する耳端は「生産量の5~7%程度」。以前は回収業者に引き取ってもらっていたが、オイコスを生産する藤枝事業所(静岡)に耳端を開繊する設備を導入し、不織布用途で再利用してきた。とはいえ、「不織布用途だけに再利用していても余ってしまう」として、織物、編物用の糸としても有効活用。一昨年から取引先に提案してきた。
今後は開繊わた100%のリサイクル綿糸や、再生ポリエステル「エコペット」と複合したリサイクル原料100%の糸、生分解性ポリエステルとの複合糸、ポリエステル・レーヨン混不織布の開繊わたを再利用した糸など品種を拡充する予定だ。
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