メタバーキンの公式インスタグラムより
「エルメス(HERMÈS)」が、アーティスト メイソン・ロスチャイルド(Mason Rothschild)によるNFTプロジェクト「メタバーキン(MetaBirkins)」の商標権侵害をめぐる裁判で勝訴したと複数の海外メディアが報じた。
メタバーキンは、メイソン・ロスチャイルドによって2021年に始動。エルメスのアイコニックバッグ「バーキン(Birkin)」を模したバッグをベースに、マンモスの牙や映画「グリンチ(Grinch)」に登場するキャラクター グリンチの緑色の毛皮、ゴッホの作品「星月夜」をあしらったものなど、さまざまなデザインを展開していた。ロスチャイルドは、これまでに約100点のメタバーキンを各450ドル(約6万円)で販売したほか、二次流通の7.5%も受け取っていたことから、約12万5000ドル(約1640万円)の利益を得たとされている。
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これに対し、エルメスは消費者の混乱を招くことを危惧し、2022年1月に同氏を提訴。約1年にわたって行われた訴訟は、デジタル資産そのものの性質を精査するものとして注目を集め、NFTは商品なのか、それともアメリカ合衆国憲法修正第1条によって保護される芸術作品なのかが争点となった。
マンハッタン連邦地方裁判所の陪審員は、メタバーキンについて、芸術作品とは言えないため商標法を適用するべきと判断。ロスチャイルドの商標権侵害を認め、総額13万3000ドル(約1750万円)の損害賠償を命じた。
裁判の結果を受け、ロスチャイルドは自身のTwitterで「今、路上で通行人を9人捕まえて、アートとは何かと尋ねる。そこで返ってきた答えが議論の余地のない真実となってしまう。それが今日起きたことだ。数十億ドル規模のファッション企業が、アートやアーティストを”大切にする”と言いながら、アーティストが何を作ったかではなく、履歴書や出身校を見て”芸術とは何か、誰が芸術家であるか”を選択する権利があると思っている。それが今日起きたことだ。アートの専門家ではなく経済学者に芸術について話させる司法制度。これらは全て間違っている。私たちが戦い続けなければ、これからも同じことが起こり続けるだろう。これはまだ終わっていない」と批判的なコメントを投稿した。
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