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元ユナイテッドアローズのバイヤーがオープン、下北沢のセレクトショップ「CCX」を紹介

元ユナイテッドアローズのバイヤーがオープン、下北沢のセレクトショップ「CCX」を紹介

ACROSS編集部
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CCX(シーシーエックス)

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古着の聖地となった下北沢にオープンした元UAのバイヤー・MDのセレクトショップ「CCX」

80年代のレア古着から00年代のデザイナーズブランドまでの独特セレクトに光る、オーナー鈴木さんの個性とバックグラウンドとは?

「やっぱり『ポパイ』の影響力ってすごいですね。若いお客様がぐんと多くなりました」

そう語るのは、下北沢のショップ『CCX』店長の鈴木克哉さん。アパートのような建物の2階、4畳半程度の広さしかない店内にはさまざまな服が所狭しと並んでいるが、よく見ると80年代〜90年代のDCブランド古着があったかと思えば、モダンクラシックなイタリアンブランドとして知られる『カルーゾ』のスーツやジャケットが架かっていたり、70年代スポーツウェア風のジップアップジャージが出てきたりと、そのバラエティの幅に驚かされる。そんな同店を訪れる人の来店動機は、YouTube、インスタグラム、TikTokそして『ポパイ』の順だとも。このデータ、実は鈴木さんの接客によって得られたものだ。

コウザブロウのラングラーコラボ(左):「『コウザブロウ』も結構売れましたね。このラングラーとのコラボも結構反応がよかったです。日本のデザイナーブランドだと、この『コウザブロウ』ぐらい個性が強いほうが、うちでは人気ですね」。カンペール・ラボの靴(右):「いまのオススメはこの『カンペール・ラボ』の2023年春夏の新作です。この靴に『カルーゾ』のようなイタリアンクラシコ系のスーツをあわせるのがテーマです。モードブランドがやりそうなバランスが、『カルーゾ』のようなちゃんとしたテーラードの服だと表現できるんです」。

「イヤホンをつけたままの方は入店禁止にしています」

「うちは場所が良くないので、来ていただいたきっかけがまず気になります。そこでお客様とは必ず会話するようにしています。あと、これはいいか悪いかわかりませんが、“イヤホンをつけたままの方は入店禁止にしています”と言って、イヤホンを取っていただいています。これはインスタライブなどでも言っていますし、初見のお客様にも必ず伝えています」。

多くの方がご協力いただけます、と鈴木さん。さらに彼は「お客様に興味を持つことが大切だと思っているので、コミュニケーションは意識的にとります」とも。このポジティブなスタンスが、『CCX』が支持されている理由のひとつといえるかもしれない。

“ALIENS WELCOME”はある意味、CCXのポリシー?こちらはバックプリントを施したスタジアムジャンパー。イカしたステッカーもある。

90s〜00sの雑誌カルチャーに影響を受けた学生時代

鈴木さんは1984年、埼玉・大宮の生まれ。服好きの母親のもと、小学生の頃から『アニエス ベー』を着せられていた少年だった。そんな彼が自ら服を買った記憶として挙げたのが、小学6年生の時のこと。

「大宮にいまもある『ホワイトヘッドイーグル』というお店に、『ステューシー』を親と一緒に買いに行きました。今思うと、母親は寛容だったと思います。古着の『ステューシー』のTシャツを小学生で買っていたわけですから」。

実家が酒屋を改装したコンビニだったこともあり、雑誌を自由に見ていたという鈴木少年は、ファッションに関心を持つのも早かった。中学1年生で『NOWHERE』に並んで『アベイシングエイプ』の服を買っていたというから、かなり早熟といえる。

「中高が野田だったので、大宮や柏へもよく行きました。当時から古着も新品の服もよく買っていましたね。今から考えると、ストリートブランドや最新のものは東京で買って、ちょっと変わったものはあえて地元や柏で買ったりして、もうかなりひねくれていました」

高校の時からアパレルで働きたいと思い始めたが、親の意向もあり、4年制の大学に進んだ鈴木さん。1〜2年次で早々に単位を取得し、3〜4年次は原宿のGAPで週5〜6日アルバイトをする生活を送っていた。

「その頃はいろんな格好をしていました。高校のときにヒップホップにハマり、ニトロ(マイクロフォン・アンダーグラウンド)とかの日本語ラップをよく聴いていて、彼らのようなオーバーサイズのアメカジを着ていました。かと思うとモードの服も着たり。あと大学生の時にスケートボードも始めて、サンフランシスコに行ってダウンヒルみたいなこともやっていました。向こうのスケーターって、古着の517穿いて、ちょっとタイトなTシャツ着て、ボサボサの髪にスケートシューズ履いてるみたいな感じで、日本にまったくいないスタイルだったんです。それにも影響されましたね」。

へんなスポーツウェア(左):「イメージしているのは、ちょっとレトロなアメリカ、またはフレンチのジャージ。こういう古着をおしゃれに取り入れてくれる若い人たちがいたらいいですよね。ラグジュアリーブランドなどが現行で展開しているようなアイテムと、デザインのテンションとしては近いと思っています」。イタリアのカルーゾのシャツジャケット(右):こちらは新品。

レジェンドともいえるUAの新業態、
「リカー、ウーマン&ティアーズ」との出会い

そして鈴木さんが大学4年の時、転機が訪れる。2006年にユナイテッドアローズが始めた新たなショップ『リカー、ウーマン&ティアーズ』を雑誌で見て、その店に通うようになったのだった。ヒップホップとトラッドをミックスしたスタイルは斬新で、とにかくかっこよかった、と鈴木さんは回顧する。

「当時就職をどうするか悩んでいて、アメリカ行っちゃおうかとも思っていましたが、そんな折に『リカー、ウーマン&ティアーズ』がスタッフを募集したんです。最初はアルバイトで入って、その後社員になりました」

『リカー、ウーマン&ティアーズ』がクローズした後、鈴木さんは同店のディレクターをしていた小木基史さんの新しいプロジェクト『ユナイテッドアローズ&サンズ』に移り、販売からPR、MDそしてバイイングまでを担当した。NIGOと組んでテーラードウェア『ミスターベイシングエイプ』なども手がけていた『ユナイテッドアローズ&サンズ』では、現在の『CCX』に繋がる感覚が得られたという。

「クラシックなドレスウェアをいかに崩して今っぽく着るかといったこと、最近のコレクションブランドが打ち出しているようなことを、僕は今セレクトショップとしてやっているわけですが、小木さんたちは当時それをすごくわかりやすく、意図的にやっていた感じでした」。

米の百貨店ノードストロームの謎の古着(左)。アパートの2階の店舗は商品でいっぱい。ストックが実家にたくさんあって、そろそろ2店舗めも考えているそう。

展示に加え、10のプロジェクトも注目!

その後、ユナイテッドアローズを退社した鈴木さんは、『STUDIOUS』を運営するTOKYO BASEに入社する。日本のデザイナーの服を中心に展開する同社への転身はかなり意外だが、これは旧知の人物からのオファーだったことと、鈴木さん自身の関心に基づいた判断という。

「自分があまりよく知らない領域で、すごく調子がいいお店がある、それはどういうことだろう、と興味を持ったんです。もうちょっと勉強できるんじゃないかと。入ってみると自分が知らなかったビジネスのやり方がたくさんありました。例えば『アタッチメント』のような、大手セレクトショップが扱わなくなったような往年のブランドが、『STUDIOUS』では人気を博していました。10代後半、20代の若い人たちには、『アタッチメント』が新鮮に映るんです」

要するにセレクトショップにいた僕たちは彼ら(若者たち)の感覚から離れてしまっていたんです、と鈴木さん。そうしたことを認識する一方で、彼は『STUDIOUS』とは違ったビジネスのあり方を着想する。

「TOKYO BASEには古着を扱う感覚はなかった。そこにチャンスがあるかもしれないと思いました。若く新しい客層に、新品の服と併せて古着も見てもらうというのは、ビジネスモデルとしては新しいなと。そう考えた結果、『CCX』をやることにしたんです」。

オーナーの鈴木克哉さん。CCXがあるのは下北沢の駅かがほど近いながらも路地裏の一角。美味しいことで定評のあるサンドウィッチショップやカレースタンド、食堂などがある人気エリア。

アニバーサリーイベントはやりません。

コロナ禍の影響がまだ色濃い2021年7月に『CCX』をオープンした鈴木さん。ユナイテッドアローズ時代にノミの市やスリフトショップで買い付けていたストックがあったゆえに、当初の古着の仕入れはゼロだったということからも、この独立がむしろ「予定されたもの」であったことが窺える。前述した店舗の場所や空間に関しても、鈴木さんの意志が反映している。

「僕は(賃料の)高いところではやりたくなかった。固定費を抑えれば、お客様に安く提供できる、そのあたりは前職でさんざん味わったので、よくわかっています」

「物が多すぎて、(店に)あまり出せていないんです」と、今後はもう1店舗オープンさせたいと語る鈴木さん。その他にもポップアップショップや、オリジナルの服づくりなど「やりたいことは現状の3倍ぐらいある」と語る。そんな鈴木さんに、2023年の抱負や希望を聞くと、次のような答えが返ってきた。

「率直に言うと、そんな短いタームのヴィジョンは持っていなくて、どちらかというと5年10年やっていくためにコツコツやるというのがテーマです。アニバーサリーイベントなどもやりません。常に仕掛けなきゃならないって強迫観念に囚われちゃうんで。お客様に喜んでもらえるような仕掛けは、無理せずやれるときにやるというスタンスです。別注やコラボアイテムをつくったり、イベント施策を打ち出したりといった仕掛けでビジネスを進めていく時代は、僕はもう終わったと思っています。そういう技に頼らず、じっくり実力で勝負していきたいですね」。

[取材・文:菅原幸裕(編集者・『LAST』編集長)]


CCX
東京都世田谷区北沢2-12-2 若葉ハイツ202号室
電話:なし
営業時間:14:00〜22:00 月休
公式インスタグラム
https://www.instagram.com/ccx_kitazawa/

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