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売上2桁伸長、ビルケンシュトック“CEOの右腕”に聞く次の成長戦略

男性2人

(右から)グローバルセールスオフィサーのクラウス・バウマン(Klaus Baumann)氏と、日本法人の代表取締役 ラウル・ウォートマン(Raoul Wortmann)

Image by: FASHIONSNAP

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売上2桁伸長、ビルケンシュトック“CEOの右腕”に聞く次の成長戦略

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(右から)グローバルセールスオフィサーのクラウス・バウマン(Klaus Baumann)氏と、日本法人の代表取締役 ラウル・ウォートマン(Raoul Wortmann)

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 「ビルケンシュトック(BIRKENSTOCK)」がリテール改革に着手している。日本市場ではべネクシーに委託してきたストア運営を日本支社のビルケンシュトック・ジャパンに切り替え、直営を強化。先月には原宿エリアに出店を果たした。グローバルで売上2桁伸長が続くビルケンシュトックの次の成長戦略は? ビルケンシュトックのキーパーソンの一人で“CEOの右腕”とも呼ばれるグローバルセールスオフィサー(Global Chief Sales Officer)のクラウス・バウマン(Klaus Baumann)氏と、日本法人の代表取締役 ラウル・ウォートマン(Raoul Wortmann)氏に聞いた。

原宿エリアからは一度撤退していた

「ビルケンシュトック 原宿」が閉店、約23年にわたり営業

FASHION

◆日本とビルケンシュトックの関係性

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 ビルケンシュトックの歴史は今から遡ること約250年前、創始者ヨハネス・ビルケンシュトック(Johannes Birkenstock)が公文書に靴職人として記載されたことに始まる。以降、ビルケンシュトック一家は、足の健康を促進させるために、フットベッドの開発などを進めてきた。1963年5月に世界で初めての柔軟性のあるフットベッドを用いたサンダルが誕生し、のち1970年に「マドリッド(MADRID)」として名付けられる。1960年代後半には欧米での販売が始まり、代表モデルの一つ「アリゾナ(ARIZONA)」が発売された1973年からグローバルで成長していく。アップル(Apple)の創業者である故スティーブ・ジョブズ(Steve Jobs)も愛用していたことでも知られる。

 日本には1983年に上陸。当時は三栄コーポレーションの子会社サムコサンエイが日本市場における代理店を務め、1993年からビルケンシュトック事業が三栄コーポレーションに移管した。2002年にはビルケンシュトックジャパン(現べネクシー)として独立分社化し、約70店舗をフランチャイズで展開してきたが、本国のビルケンシュトック社は2016年5月に日本支社を設立したことを機に、より日本市場を強化し始めた。

 上陸当初からファッション感度の高い人々から注目され、2016年に日本支社が設立されてからは「ビームス(BEAMS)」や「ユナイテッドアローズ(UNITED ARROWS)」といった高感度なセレクトショップから注目されると、コラボや別注アイテムが人気を博した。ウォートマン氏によると、具体的な数字は非開示としながら現在もグローバルと同様の成長率を維持し、ブランドとしても戦略的に注力する市場の一つと位置付けているという。

◆「靴の製造小売りブランド」に“進化”へ

 ファクトリーブランドのビルケシュトックは商品開発が優先だったため卸売で事業を成長させてきたが、近年はデジタルでの展開を強化するなど販売チャネルを拡大している。直営店ビジネスの本格スタートもその一環だ。

 日本進出から今年で40周年。コロナ禍からリアルの消費が回復し、5月にはコロナ感染症が5類移行するなど状況が変化しつつあるが、直営シフトは近年消費者に求められる「ストーリー」をプロダクトを通してを伝えるための最良の手段としての選択であり、「市場環境やタイミングは一切関係ない」とクラウス・バウマンCSOは断言する。直営・卸売・オンラインの3本柱で「靴の製造小売りブランド」としてさらなる成長を目指す。

 直営店は原宿店を含む7店舗を出店する計画で、そのうち二子玉川ライズ店、湘南テラスモール店、札幌ステラプレイス店はべネクシーのフランチャイズ店舗から自社運営に順次切り替えていく。新規出店は東京や大阪、名古屋、福岡といったエリアで検討していくという。

ビルケンシュトック 原宿店

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原宿店の内観
原宿店の内観
原宿店の内観
原宿店の内観
原宿店の内観
原宿店の内観
原宿店の内観
原宿店の内観
原宿店の内観
原宿店の内観
シューズ
原宿店の外観

Image by: BIRKENSTOCK

◆ベッドやコスメの展開も視野に

 ビルケシュトックでは創業家がブランドの経営を担ってきたが、2012年に創業家以外から初のCEOとしてオリヴァー・ライヒェルト(Oliver Reichert)が就任。以降、グローバルライフスタイルブランドとして、ヘリテージ、クラフトマンシップ、品質、機能性を大切にしながら、力強い成長を続けてきた。その中では、エービーシー・マート(ABC-MART)との契約終了や、LVMHモエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン グループが出資する投資会社 Lキャタルトン(L Catterton)の傘下に入るなど、大きな変化を迎えてきた。

 商品開発でも近年は「ディオール(DIOR)」や「ジル サンダー(JIL SANDER)」といったハイブランドとのタッグで賑わせた。バウマンCSOにとってもこれらのコラボは印象に残っている出来事の一つとなっており、特に「マノロ ブラニク(Manolo Blahnik)」とのシューズブランド同士の協業は「互いにコアを持っているブランド同士が知見を集めて作り上げた特別なモデルになった。デザインだけではなく製造・品質の面でも学びが多く、社内のスタッフたちも成長の機会になった」と振り返る。

 インソールから始まり、サンダルやシューズといったプロダクトで、さまざまなライフスタイルシーンに合わせて老若男女に「足の健康」を届けてきたビルケンシュトック。イノベーションはフットウェアに留まらず、欧米ではコスメやベッドも販売しているという。「日本でも展開できるように準備を進めている」とバウマンCSO。生活をより快適に、豊かにする──創業時から大切にしてきたパーパスを直営店の展開を通じて発信していきたい考えだ。

男性2人のバストアップ

取材終わりには「アリガトウゴザイマス」と笑顔で話してくれたバウマンCSOとウォートマン氏

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