ファッション好きの悩みとして絶えないのが、服やスニーカーの収納場所だろう。それを解決するのがトランクルームだが、手軽に使えないのが難点でもある。そこで注目したいのが、寺田倉庫株式会社が運営する宅配型トランクルームサービス「minikura(ミニクラ)」だ。1箱275円~(税込)で収納可能でお財布にもやさしいサービスの全貌を、minikuraのプロダクトマネージメントチーム スペシャリストの今成真之介さんに伺った。
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1品1品を大切にするという原点に立ち返る
寺田倉庫は1950年の創業から、BtoBの倉庫事業や物流サービスを主軸に成長を続けてきた。昨今では“モノだけではなく、価値をお預かりする”という理念に基づき、ワインやアート、フィルムなどのメディア保管の事業が軸となっている。
そんな寺田倉庫が2012年に開始したのが「minikura」だ。今成さんはこう語る。
「プロジェクトのスタートは11年前に遡ります。寺田倉庫は、法人のお客さまを中心に事業を展開していましたが、大手倉庫会社や新しく参入してきた企業などとの価格競争、そして荷主に依存し続けることへの危機感があり、今後どう生き残っていくべきかを考えていました。
そこから“1品1品を大切にする”という自分たちにしかできない価値を作っていくべきだと考えたのです。一度、自分たちの原点に立ち返り、人々の生活に寄り添った“次世代のトランクルーム”を作ろうと考えたのが、スタートでした」
そんな想いからから誕生したのがminikuraだ。元々、関東運輸局からトランクルーム認定第一号として認定されるトランクルーム事業は展開していたが、そこから一歩踏み出した形だ。今成さんは続ける。
「minikuraは簡単に説明すると、箱単位で倉庫を借りることができる宅配型のトランクルームです。荷物の受け渡しや契約を締結するために現地に行く必要はなく、すべてオンラインで完結し、1箱につき月額保管料275円(税込)から始めることができるので、一般的なトランクルームよりも気軽に利用できるのが特徴です」
預けたものを可視化できるのが新しい
minikuraのサービスにおいて斬新なのが、預かった荷物を個別に一点一点撮影、管理してくれるというもの(※撮影ありとなしのプランあり)。ユーザーは撮影ありのMONOプランを選べば、預けた商品の写真をマイページで確認できるため、トランクルームでよくある“何を預けているか忘れてしまった”ということもなくなるのだ。
「お客様のお荷物をそのままお預かりして保管するのが、業界の基本的なルールでしたが、minikuraではお預かりした荷物を1品ずつあらためて撮影し、管理するという“業界のタブー”に切り込みました。そこには単なる部屋貸しにしたくないという想いがありました。まさにウェブサービスと倉庫を掛け合わせてDX化を実現した形になります」
預けたものが必要になった場合、荷物を取り出すのも簡単だ。オンラインで申し込めば、最短翌日に1箱1,100円(税込)(1年間以上預けた箱は無料!)で取り出せるのだ。
「また箱だけでなく、丈の長いコートなどの洋服の場合は衣類を吊るして保管できる“クローゼットプラン”も選択できます。さらに“クリーニングパックプラン”を選べば、6ヶ月間の保管と商品のクリーニングもセットになっています。お客さまのニーズにあったプラン選択し、組み合わせることも可能です。もちろん、洋服だけでなく、意外と場所をとる本やマンガ、CD、DVD専用の“MONOプラン”のライブラリーBOXもおすすめですね」
保管は屋内(温度は10~28℃、湿度は40~60%で24時間管理)なので、スニーカーのソールが劣化する加水分解も起こりにくく、その安心感によりスニーカーコレクターからも支持を集めているそうだ。
「ヤフオク!」との連動で出品、発送がラクラク
現在、minikuraを利用している男女比は半々。年齢も30代、40代、50代と幅広く、どの年齢層も同じぐらいの割合の利用率だという。
今成さんにminikuraの便利な使い方を聞いてみたところ、こう答えてくれた。
「やはり、撮影ありタイプを選んでもらい、マイページで管理してもらうのが一番ですね。実は“MONOプラン”のラージBOXには布団も入ります。かさばる羽毛布団などをシーズンオフに預けていただき、さらに布団クリーニングオプションも用意しているので合わせてご利用いただくと便利だと思います。
また、おすすめなのが『ヤフオク!』と連動しているので、minikuraに預けていただいた商品はマイページから簡単に出品できます。もちろん落札されたら、minikuraからそのまま落札者に発送することが可能です。
品物によっては緩衝材なども加えて梱包しますし、minikuraから直接配送するので、落札者に個人情報を開示する必要がなく、どなたでも安心して利用してもらえます」
最後に、今成さんにminikuraが今後目指すところを伺った。
「トランクルームに預けることが日常になっているアメリカでは、10世帯に1世帯がトランクルームを使っているのに比べ、日本では400世帯に1世帯という割合になっています。利用者も集合住宅に住む都市部に集中しているのですが、外部収納の利用が当たり前になれば、戸建てに住む郊外や地方の人も利用してくれるようになると思います。
minikuraは1箱から預けられるので“クローゼットや押し入れの拡張”という感覚で使ってもらえるように、キャンペーンなどを展開していきたいです」
預けたものが手軽に管理できるのは本当に便利だ。これから新生活が始まる春を迎える。洋服や靴などの収納場所に困っている人はminikuraを活用するのが賢い選択だ。
PROFILE|プロフィール
今成 真之介(いまなり しんのすけ)
寺田倉庫株式会社 minikuraグループ
プロダクトマネージメントチーム スペシャリスト
2015年、寺田倉庫へ入社。前職では広告代理店でマーケティングに従事。当時、クライアントであったminikuraのマーケティングに携わる。minikuraのポテンシャルの高さを感じたことから寺田倉庫へ。現在はマネジメント業務に加え、パートナー企業管理や業務システム構築などminikuraの運用にまつわる業務を担う。
Text by Yasuyuki Ushijima(NO-TECH)
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