Image by: BONOBOS公式サイトより引用
米小売り大手のウォルマート(Walmart)が、メンズウェアブランド「ボノボス(Bonobos)」をブランド管理会社WHPグローバル(以下、WHP)とアパレル小売業者エクスプレス(以下、EXPR)に7500万ドル(約100億円)で売却することで合意したと発表した。売却額は、2017年にウォールマートが買収した際の金額3億1000万ドル(約410億円)を2億3500万ドル(約310億円)下回る。売却は2023年度第2四半期に完了する予定だという。
ボノボスは、2007年にスタンフォード大学でクラスメートだったアンディ・ダン(Andy Dunn)とブライアン・スパイリー(Brian Spaly)によって創業。デジタルネイティブに向けたD2Cブランドとして拡大し、2017年にウォルマートに買収された。ウォルマート傘下で販路は拡大するも売上は伸びず、2019年には数十人の従業員を解雇していた。
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今回の買収では、WHPが5000万ドル(約67億円)でボノボスのブランドを、EXPRが2500万ドル(約33億円)で営業資産をそれぞれ取得する。EXPRは、今回の購入額でボノボス事業に関連する負債も引き受ける。WHPとEXPRは今年に入ってから戦略的パートナーシップを締結しており、ボノボスが共同で行う最初の買収案件となった。取引の完了と同時に、2社は独占的な長期ライセンス契約を締結。EXPRがWHPへロイヤルティ料を支払い、WHPが取得した知的財産を米国でのボノボス事業の運営のためにEXPRに使用する権利を付与していく。
EXPR最高経営責任者ティム・バクスター(Tim Baxter)は、「EXPRを変革して株主価値を創出するための戦略的ロードマップには、最優先事項として中核となるエクスプレス事業で収益性の高い成長を達成すること、オムニチャネルプラットフォームを最適化すること、WHPとのパートナーシップを通じて成長と収益性を加速することが含まれます」とコメント。「ボノボスは2桁の売上成長を達成しており、この勢いを維持しながら営業などの点で相乗効果を実現する予定です。これは当社のブランドポートフォリオにとって魅力的で、この取引によって2023年度の営業利益とフリーキャッシュフローがプラスになると期待しています」と続けた。
WHPグローバルの会長兼最高経営責任者であるイェフダ・シュミッドマン(Yehuda Shmidman)は、「ボノボスは、EXPRとの新しいパートナーシップにとって理想的な最初の買収です。取引が完了すると、WHPのポートフォリオには、総小売売上高が70億ドルに迫る10以上の強力な消費者ブランドが含まれます。これはボノボスにとっても次の成長段階に向かうきっかけになるでしょう。」とコメントしている。WHPは、ボノボスの他、「トイザらス(TOYSRUS)」や「アン・クライン(ANNE KLEIN)」、「ジョセフ アブード(JOSEPH ABBOUD)」などを所有している。
ボノボスのCEOジョン・ハッチソン(John Hutchison)は、取引完了後にティム・バクスターの直属となり、ボノボスの本社機能はニューヨークに位置する現在の本社に残るという。
■BONOBOS:公式サイト
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