医療、接客、食品工場など様々な分野で、色を切り口にした新たなユニフォームの活用法の提案が増えている。病院など医療現場では、内科や小児科など担当部署別や職種別に色を変え、同じデザインのスクラブを着て、一体感を高めるチーム医療用ユニフォームの需要が増加。最近では看護師の勤務時間を明確にし、残業削減や業務の効率化につなげる狙いで、日勤と夜勤で異なる色のユニフォームを提案する動きが広がっている。
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日勤と夜勤の看護師のスクラブの色を変える制服2色制に、いち早く取り組んだのはナガイレーベンと熊本医療センター。熊本地域医療センターでは、勤務時間を過ぎても仕事を頼まれると引き受けてしまい、残業が増えて離職率も上がるという負の循環を改善するため、制服2色制を導入。日勤か夜勤かが周りの人にも一目で分かるようになり、時間外の人に仕事を頼むことが減り、「定時で仕事を終わらせる意識が高まり、日勤の年間平均残業時間が制服2色制導入前の5分の1以下に減少した」。
この取り組みは、日本看護協会の「看護業務の効率化先進事例アワード」でも、持続可能な残業削減という成果が評価され、19年度の最優秀賞を受賞。「日勤と夜勤の制服の色を変えたい」という病院が年々増加し、医療向けユニフォームの提供企業各社は、日勤と夜勤の色別ユニフォームの提案を強めている。
レディスの接客向けユニフォームでは、受付などの制服に企業カラーのワンピースを採用する事例が増えている。ハネクトーン早川では、縦のラインを強調する赤や青と白黒など3色のブロックカラーのワンピースが接客用で人気。CI(企業イメージの統一)への活用を目的に、企業カラーの入った商品を注文する企業が目立つという。自社の企業カラーに色や生地だけ変えたいという別注の要望も多く、国内生産で小ロット対応が可能な強みを生かした「クイックオーダー」サービスも人気だ。
一方、白衣の着用が一般的な食品工場向けに、アイスブルーの作業着を提案して好評なのはサーヴォ。青は食品にない色で、異物混入時に見つけやすいため、以前から青いニトリル手袋などが食品工場で広く採用されてきた。同社は、より明るい清涼感のある〝アイスブルー〟の工場用ユニフォームを開発。22年の新商品として、若い人や女性、外国人にも好まれる多様な人向けのおしゃれな作業着として提案。視認性が高く安全で、異物混入時に発見しやすく、清潔感があり健康的に見える点も訴求したところ、「引き合いが多く、手応えを感じている」。
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