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繊研plus都内百貨店の夏物クリアランスセールは6月30日に始まった。前年に引き続き、全館一斉に実施したが、セールの売り上げは限定的だった。盛夏物は5~6月にプロパー(正価販売)の消化が良く、セール商材が不足した。7月中旬でプロパーの売り上げがセールを逆転した売り場が相次いだ。プロパー品の消化が差益率の改善につながる。
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単に夏物の商材不足だけでなく、「価格にかかわらず、欲しい物を欲しい時に買う」(伊勢丹新宿本店)という消費スタイルの定着が背景にある。セール期でも、「欲しいブランド、商品は早く、確実に手に入れたい」と価値と価格のバランスが合えば購入に結び付く。
7月の売上高は三越伊勢丹が20%増で、ラグジュアリーブランドのハンドバッグや、ワンピースやカットソーアイテムなど盛夏物が売れた。インバウンド(訪日外国人)需要も後押しし、高島屋は7月の免税売上高が前年比3.5倍、19年比で3割増で推移している。
衣料品は秋色夏素材の端境期商品、秋物のプレ企画の動きが良い。既にセール期に値下げしないブランドや品番が増えている。セールの見直しは、商品の価値向上への機運を高めるきっかけになる。川上から川下まで適正な利益を確保し、セール頼りではなく、顧客が求める商品を揃えることで、衣料品の改革につなげたい。
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