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鯖江の職人が作る新進気鋭のアイウェアブランド 「ノチノ オプティカル」の魅力

鯖江の職人が作る新進気鋭のアイウェアブランド 「ノチノ オプティカル」の魅力

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「日本人の繊細な美徳」をコンセプトに、福井県鯖江市の職人が、じっくりと時間をかけて製作するアイウエアブランド「NOCHINO OPTICAL(ノチノ オプティカル)」。ユニセックスでかけられるデザインは若い世代を中心に人気を集めている。2023年青山にショップをオープンし、ますます勢いを増す気鋭のブランドのこだわりや生産背景そして今後のビジョンなどを、同ブランドプレスを務める菅はなこさんに伺った。

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“未完の美”である“後の月”から着想を得る

日本のアイウェア業界はまさにレッドオーシャンだ。しかし、2021年に立ち上がった「NOCHINO OPTICAL(ノチノ オプティカル)」は、一味違う。他とは一線を画すその機微を感じ取った、感度の高い老若男女から人気を集めている。ブランドの成り立ちやコンセプトについてプレスの菅さんはこう語る。

不完全な状態だからこそ美しい。日本人らしいコンセプチュアルなストーリーが心に響く

「アイウエアは福井県・鯖江の職人さんたちがハンドメイドで丁寧にフレームを曲げるなどして作っているのですが、お店に並んだ状態はまだ不完全で、お客様一人ひとりの耳の形や鼻の形にフィッティングさせてはじめて完全な状態になります。

日本人は未完成なものが美しいという“未完の美”“余白の美”という感覚を持っています。それを突き詰めていくと日本人の美徳の象徴でもある“月”に辿り着きました。

樹脂製のため、熱を加えて歪みや傾きを調整。型にはめ込むわけでもなければ、分度器を使うわけでもなく、職人の洗練された審美眼と感覚でミリ単位の調整を施す

“月”にもさまざまな呼び方があるように、人は月に対して多様な感覚や感性を持っています。十五夜の満月という正円ではなく、少し欠けた状態を美しいと考えるところがあります。最も美しいとされる月は、十五夜のあとに続く十三夜で、一般的に“後の月(のちのつき)”と呼ばれます。ブランド名はその“十三夜の月を愛でる”という部分から着想した“後の月”にちなんでいるのです」

ネジは小さなパーツですが、眼鏡づくりに欠かせない重要な存在。フレームとテンプルを繋ぐ蝶番の支えは他でもない、このネジなのだ

日本人ならではのストーリー性を感じさせるブランド名だが、ブランド名やコンセプトはプロデューサーである今野直隆とその20年来の友人がともに考えたものとのこと。ブランドの形態も面白く、ブランドコンセプトはその友人が、ロゴデザイン、ビジュアル、パッケージデザインは、YOSHIROTTEN(ヨシロットン)を擁するクリエイティブエージェンシー「YAR」が手掛けているそう。菅さんはこう続ける。「ノチノ オプティカルは、ブランドの命名からパッケージデザインまでプロデューサーである今野がこれまで培ってきた人脈を生かし、世界中の信頼のおけるアーティストやクリエイターに外注する形で運営される、キュレーション型のブランドなのです」

調光レンズや2カーブレンズもこだわりのひとつ

ストーリー性のあるブランド名やコンセプトも魅力だが、ブランドの特徴はその商品構成にもある。菅さんは商品についてもこう語る。「今野も、若い頃からさまざまなブランドのアイウエアやサングラスをかけてきました。ただ、本当にいいなと思うものは、10年前など昔に買ったド定番のデザインだと気づいたそうです。そこから本当に日本人に合う形を模索して、トレンドを追うのではなく、眼鏡の歴史100年以上において現存する定番品を解析、編集、再構築し、熟練の職人による日本謹製にこだわりました。だからこそベーシックであり、ジェンダーレス、シーズンレス、エイジレス、そしてスタイルレスなプロダクトに仕上がっています」

男女問わず、どんな人にも似合うのがノチノ オプティカルの良さといえる

ノチノ オプティカルは5型からなるコレクションで展開されている。

一番人気はブランド名を冠したシグネチャーモデルである「NOCHINO(ノチノ)」。ミドルサイズのボスリントンタイプで、ノーズの高さに特徴のあるアジア人の顔つきを計算し、万人にマッチングするフィット感を実現している。

一番人気で、ブランドのシグネチャーである「NOCHINO(ノチノ)」。調光レンズも話題を呼んでいる。モデル名はすべて月にちなんでいる。#1[調光モデル]3万5,200円(税込)

シグネチャーモデルNOCHINOよりも若干大ぶりなボスリントンタイプの「SANSUI(サンスイ)」。 エイジアンフィットでありながら欧米人にもユニセックスでフィットするシルエット。#1[調光モデル]3万6,300円(税込)

ノチノ オプティカルの特徴はそれだけではない。レンズにもこだわりが詰まっている。菅さんは続ける。

「海外ブランドのサングラスはだいたい丸みのある6カーブレンズぐらいが一般的とされています。ですが、ノチノ オプティカルのアイウエアはフラットに近い2カーブレンズを採用しています。

昔は、フラットレンズはガラスでしかできませんでしたが、技術力が上がって、プラレンズでもフラットに近い状態を作り出せるようになりました。

柔らかく落ち着いた印象のボストンタイプ「TSUKIYOMI(ツキヨミ)」。小ぶりなフレームは人種も性別も問わないマルチユーズなシルエット。細いプラ枠にもかかわらず、かけ心地を大きく左右するクリングスパット(鼻調整可能なメタルパーツ)を採用。#1[調光モデル]3万9,600円(税込)

知的な印象を与えるメタルフレームラウンドタイプの「KYOKUSUI(キョクスイ)」。男性、女性とシルエットを楽しめるようメタルフレームバージョンと、リムにセル巻きした柔らかい印象の2バージョンを展開。#1[調光モデル]3万9,600円(税込)

サングラスというイメージの代表形状のひとつでもあるサーモントタイプの「YUGEN(ユウゲン)」。普遍的でクラシカルなデザインだ。#1[調光タイプ]4万2,900円(税込)

こだわりの2カーブは美しい曲面で昔の手削りガラスレンズの名残りもあり、反射角なども考えられているので、上質かつ高級感のあるプロダクトに見せることができます」またブランドのアイコンともなっている調光レンズも特筆すべきポイントだ。紫外線に当たるとその量に応じて色が変わる調光レンズは、コロナ禍が明けた市場でも火が点き、人気を呼んでいる。調光レンズ然り、アイウエア業界では常識だったことが、実は常識ではなかった。そのことに気づいたプロデューサーの今野直隆が、一から丁寧にアイウエア業界の常識を世に知らしめたプロダクトだからこそ、注目を浴びているといえるだろう。

“未完の美”を完結させるために必要なショップの存在

2023年の7月には南青山に「ノチノ オプティカル 南青山本店」をオープン。未完成な状態のアイウエアを展開するだけに、それを完全な状態に仕上げる箱=ショップの存在は必然だったといえる。菅さんはショップについてもこう語る。

5つのモデルがそれぞれセグメントされ、面で並ぶアイウェアショップは今までになかった

「ショップは、建築家の橋村雄一さんに設計をお願いしました。ブランドコンセプトの“十三夜の月を愛でる”からインスパイアされ、縁側に座って月を眺める庭の景色をイメージしています。楕円形のソファーは石、正円ではない円形のミラーは月を見立てて設置してあります」

フィッティング用の鏡も実は正円ではなく、少し折り曲げられ、不完全な円になった月に見立てている。コンセプチュアルなストーリーは鏡にまで息づく

ショップにはフィッティングのスペシャリストも用意し、人それぞれ違う鼻の高さや耳の形に合うように、フィッティングしてくれる。またレンズのトップメーカー「HOYA」と完全提携したことで度付きレンズも対応してもらえるのはうれしいところだ。

楕円のソファーも庭にある石に見立て、縁側からプロダクト(未完の美の象徴)を見ているイメージに着想を得ている

最後に菅さんに今後のビジョンを聞くと、こう答えてくれた。

「まだ詳しくはお伝えできませんが、冬に向けて新型モデルなども展開していきたいと企画しています。もちろん、コラボモデルなどのお話などもあるので、随時、公式Instagramなどで情報を発信していきます。

ノチノ オプティカルは他にはないコンセプトとプロダクトで展開しています。誰にでも似合うこだわりのプロダクトをもって、アイウエアの魅力を真摯に伝えていきたいと思うので、ぜひお店に足を運んでほしいですね」

日本人の美徳感覚である“未完の美”を体現するノチノ オプティカルのアイウエア。鯖江の職人たちが丁寧に仕上げたプロダクトを、完全な状態にするためにお店へ足を運び“完全な美”を体感してほしい。

PROFILE|プロフィール

菅 はな子(すが はなこ)

NOCHINO OPTICAL プレスノチノ オプティカルはもちろん、主にレディースブランドなどのPRやデジタルPR、撮影ディレクションなどを行う。

NOCHINO OPTICAL 南青山本店
東京都港区南青山6-2-2 南青山ホームズ108A
TEL:03-6421-0869
営業時間12:00~20:00
https://nochinooptical.com/

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