資生堂が、中国の子会社資生堂（中国）投資有限公司（以下、資生堂中国）を通じて、上海第九人民医院（以下、上海九院）とパートナーシップを締結した。中国地域の主要な戦略の一つ「新領域開発」の実現に向け、メディカルビューティ領域の開発を目指す。

　上海九院は、中国における病院分級管理法規で最高レベルに分類される三級甲等病院。中でも形成外科部門は、中国で唯一の形成外科の学術機関で、世界最大の形成外科センターであり研究教育センターも担う。パートナーシップの締結により、資生堂の肌研究の知見と、上海九院の先進的なメディカルビューティ技術と豊富な臨床経験を組み合わせ、革新的な商品とサービスの提供を目指す。

　資生堂中国は、現地でのイノベーションを加速するため、2019年に中国現地の市場動向を捉えた新たな価値創造と新規事業開発の推進拠点として「中国事業創新投資室（China Business Innovation & Investment Office）」を設立。2020年には中国・上海の奉賢区の美容・健康産業特区「東方美谷（The Oriental Beauty Valley）」に研究開発の拠点を開設した。2021年は新興企業に投資する「資悦ファンド」を立ち上げ、翌年に第1号の投資案件として医療および化粧品向け遺伝子組換えコラーゲンの製造・販売会社 「江蘇創健医療科技有限公司（Jiangsu Trautec Medical Technology Co., Ltd.）」への投資を発表。今後も中国現地でのイノベーションを推進し、中国消費者のニーズに合わせた商品展開およびサービスをタイムリーに提供することを目指すと同時に、現地パートナーとの連携により中国市場でのプレセンスをさらに高める。