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繊研plus三越伊勢丹は今年、三越創業350周年を迎え、「伝統を超える革新性」をテーマに記念事業を実施している。三越は自らを変革することで、様々な困難を乗り越えてきた。その根底にあるのは、創業から変わらない「お客様第一」だ。単に自社の利益を上げるだけでなく、地域、社会の貢献に力を注いできた。
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その一つの事例となるのが、現在も行っている物産展だ。「人と地域をつなぐ」という考えのもと、各地域の文化や伝統に触れる場として継承されてきた。1917年に開催した「東北名産品陳列会」が始まりだ。
三越発祥のものと知られるのは、お子様ランチの前身となる「御子様洋食」で、今も多くの子供たちに親しまれている。日本橋本店の食堂に1930年に登場したものだ。様々な文化・芸術催事が三越から始まった。人々の感性や思いを引き継ぎ、未来につないでいく。こうした先人たちの思いに、現在も共鳴するところが多い。
かつて百貨店は進取の精神で、常に新しいことに挑戦し、消費文化の育成、発展を担ってきた。現在の小売業の仕組みやサービスの原型は、百貨店が作り出してきた。多くの顧客に支持されてきたのは、常に消費者ニーズを先取りしたからだ。百貨店の今のコンテンツで100年後に残るものは、どれだけあるだろうか。
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