コーディネートに悩まずに済む新ブランド「マックロ」
オアシスライフスタイルグループ(東京、関谷有三CEO=最高経営責任者)は3月7日、黒に絞った新ブランド「Macqlo」(マックロ)を発売する。「作業着スーツ」で新たな市場に挑んだ同社の第2弾で、多くの男性が悩む休日の服選びに貢献する。〝スーツに見える作業着〟と同じ素材で耐久性があり、SKU(在庫最小管理単位)は年間36のみ。丈夫で長く着用でき、無駄な物は作らないサステナイブル(持続可能な)の実践を目指す。
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同社の前身は栃木県の水道会社。3代目の関谷CEOが独立し、全国に事業拡大したが、「街なかで作業着では気恥ずかしい」という社員の声からアパレル進出を決めた。スーツにふさわしいタフな生地がなかったため、北陸の企業に依頼しオリジナル素材を開発した。
スーツに見える作業着というアイデアを業界は冷めて見ていたが、巧みなプロモーションや祖業のユニークさで知名度を高め、昨年12月には累計で25万着を販売した。法人向けは全国2000社近くに供給する。当初は「ワークウェアスーツ」としていたが、3年前に「WWS」に改称した。多様な機能を付加したスーツはセレクトショップなどにも卸販売し、今ではビジネスマンの購入が半分を占める。
ユーザーからは休日の服が欲しいとの声があがり、今回の開発につながった。ブランド名は、約3年間顧問を務めたユナイテッドアローズの重松理名誉会長から譲り受けた。
日本人男性が買う服の67%が黒という調査もあり、色は絞った。「迷わず全身コーディネートできる」と関谷CEO。ビジネスの場のカジュアル化も進んでいるためオフィスでも着用できるとみる。アイテムはTシャツ(税抜き9000円)やライダーズ(2万4000円)、パンツ、ブルゾンなど9型あり、サイズはSからLLまで。
3月7日から3週間、東京の渋谷パルコで期間限定店を開き、ECサイトでも販売する。4月には大阪のグランフロントでも公開、6月中旬には渋谷のミヤシタパークに常設店を開く。SKUが少ないため、黒に絞った商品を仕入れる。
将来は「高機能」と「黒」のアイテムを集めたECモールの運営や、マックロの海外販売も展望する。
「我々流のサステイナブル。一石を投じたい」
■関谷有三CEOの話
ファッションを装う楽しみで生活を豊かにする人もいれば、効率的に様になるのを価値と考える人もいる。マックロが狙うのは後者だ。トレンドも追わないし春夏も秋冬もない。SKUは最小だ。デザインはシンプルで耐久性があるから5年、10年は着用して欲しいと思っている。我々流のサステイナブルだ。一色のみで、買い替えも推奨しないビジネスが成立するかどうかは分からない。が、例えばSKUが少ないアップルもテスラもあれだけ市場を広げた。我々にも可能性はないのか。スーツに見える作業着を市場に投入した時もそうだったが、楽しみでもあるしドキドキもする。一つの実験ではあるが、業界に一石を投じたい。
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