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着る人の内面を服に投影したPHOTOCOPIEU【BEHIND THE RUNWAY】

着る人の内面を服に投影したPHOTOCOPIEU【BEHIND THE RUNWAY】

クリエイティブプラットフォーム
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3月11日(月)から16日(土)まで開催した「Rakuten Fashion Week TOKYO 2024A/W」。ショー前後のバックステージで、デザイナーをはじめ、ショーに携わるクリエイターにインタビューを敢行した。ショーに込めた想いや開催までの過程など、ここでしか読めないリアルな声をおとどけする。

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今回ご紹介するのは、初めて「Rakuten Fashion Week TOKYO」に参加した<PHOTOCOPIEU>。人間味が詰まったインスタレーションの様子をフォトグラファー前田拓也の撮り下ろしで。

24秋冬の東コレではお笑いライブや渋谷の繁華街をジャックして行われたランウェイショーなど、発表形式の多様化がみられ、例年よりもブランドのオリジナリティや哲学を存分に感じる内容であった。そんな中で<PHOTOCOPIEU(フォトコピュー)>もその例外ではない。ブランドを設立して6年、11シーズン目を迎える<PHOTOCOPIEU>は今回「Rakuten Fashion Week TOKYO」の公式会場である渋谷ヒカリエ ホールAにて、マネキンに洋服を着せて展示をするインスタレーション形式で発表を行った。

「マネキンに洋服を着せて展示を行います。」と聞いた時はどんな発表がなされるのかと、内心、心配していたのだが、当日バックステージの壁際に並べられた28体を見て、それは杞憂であったと気付かされた。

頭部をグレーのジャージー布地で覆われたマネキンは、ヘアスタイルや背丈、佇まい、布地の上から色付けられた口紅や腕に描かれたタトゥーなど、一体一体へのこだわりが細部にも垣間見えた。まるで、街のどこかで会ったことがある“誰か”のような、妙な人間味を纏っていた。更に、マネキンの下にはジョイやモニカ、ラファエルなどという名前や職業、人物像が記されたパネルが配されておりその存在をより一層リアルなものにさせた。

今回のインスタレーションでは「ブランドが伝えたいこと、コンセプトを発表するようなイメージで表現したかった」とデザイナーの竹内。また、「ショーでの一瞬の表出よりも、着用者の内面に関して想いに耽る時間を取ることで、翻って奥行きのある服のストーリーを伝えていく術になるのではないかと思いました」とも語った。ドアオープン前、会場とバックステージを行き来する彼女は、静けさを纏いながらもどこか落ち着かない様子で最終調整を行なっていた。

24秋冬コレクションのテーマは「見過ごされがちなものへの愛」。

ワークウェアに惹かれたことで服作りを始めた竹内が、最初に制作したのがドレスである。彼女はドレスというアイテムを、あくまで実生活の延長線上にある日常着として捉えていた。外見と内面とのギャップに違和感を感じた過去を持つ竹内は、強くて逞しく凛として美しい、女性の内面を引き出す洋服を作りたかったのだ。彼女が自身の経験を振り返ることは、24秋冬コレクションを制作する上で自然な出発点であった。悩みながらも前進することを恐れない竹内は、<PHOTOCOPIEU>を着る女性へ想いを馳せることで制作の歩みを進めた。

現代に生きる女性への情熱、「日々の暮らしや営みの中で、見過ごされてきたものを拾い上げて可視化する」という彼女の思いは、会場に弧を描くように配置された28体のマネキンに丁寧に注がれていた。BGMは鳥の鳴き声や地下鉄が走る音、あちこちに響き渡る足音など、雑多なパリの街を彷彿とさせる日常音が流れていた。20世紀を代表する建築家の一人、ALVA AALTO(アルヴァ・アアルト)のドキュメンタリー映画を見た竹内は、ALVA(アルヴァ)本人よりも、献身的に彼を支えながら、自身もデザイナーとして働く妻のAINO(アイノ)の存在に心を動かされたという。強くて逞しい働く女性が纏うワークウェアは、時を経るごとに変化して着る人に寄り添っていく、その姿にオートクチュールと同じ唯一無二な価値を見出していた。

散らかったアトリエに差し込んだ光を写真に収めた、ゴブラン織りのファブリックで仕立てたドレスやブルゾン、女性の曲線的なフォルムから見出されたように揺蕩うドレープが美しいドレス、アームホールと袖山にフレアーを入れることで揺らぎのある空気によって誇張されたショルダーが印象的なワークドレス、立体的なケーブルの編み立て方で袖のふっくらとしたフォルムを構築することで新しい印象をもたらしたアランセーターなど、そのどれもが普段の生活で見慣れている情景やウェアから着想を得ているのであった。あからさまなデザインは見られないものの、素朴な日常が織りなす些細な移ろいや人間の動作に向けられた視線は、<PHOTOCOPIEU>を着る人に自信を与える。こういった見過ごされがちな瞬間や景色を拾い上げては抱きしめる竹内独自の視点が、洋服だけではなくディレクションにも反映されていた。今回の展示にあたって、3日間スタジオに篭って着せつけを行ったと話した彼女は、マネキン一体一体に文字通り精魂を込めた。「どんな所作をする人?」、「どんな瞬間?」、「何をしている人?」そんな追及が繰り返されていたであろう様子が目に浮かぶ。

例えば、画家のTilda(ティルダ)が左手に持つバッグにはあえてショップタグがついたままであったり、ファッションブランドのパタンナーチーフをしているMarjoli(マルジョリ)は、身につけているボディバッグからレシートや領収書がチラりと見えていたりした。子供を迎えに行く途中だというPili(ピリ)が右手に持っている小さなストラップは、子供が作ったお守りなのだろうかと、自然と想像は膨らむ。

どこかにいるであろう人物を頭の中で想像しては、空想世界に耽ってしまった<PHOTOCOPIEU>の展示。展示終了後の囲み取材で、竹内は「今回の展示では一例としてスタイリングからそれを着る人間像を提示していましたが、様々な異なる解釈があっても良いと思うんです。パリに行ったことでより強く感じた、人間がより伸び伸びと生きられる空間を表現したくて展示という形式での発表となりました。今後は、こういう人に会いたいという想像から洋服を作ることがあるかもしれません」と話した。個性を求められる現代において、人とは違う何者かにならなければいけない、ファッションは常に新しく革新的でなくてはならない、といった強迫観念のようなものに巻かれて疲弊していた筆者にとって、<PHOTOCOPIEU>が持つ安らぎと強さが、偶然にも今の私が一番求めていたものであった気がした。自分らしくいることを肯定し現代を駆け抜ける女性達に寄り添いながら、<PHOTOCOPIEU>が生み出していくまだ見ぬ人間像に期待が隠せない。

デザイナー 竹内美彩 インタビュー

― ランウェイショーではなくインスタレーション形式を選んだ理由を教えてください。

人が着ている“佇まい”を表現したかったんです。服も所詮その人を形成する“何か”じゃないですか。ブランドが何を見せたいのかを考えた時に、以前人に言われた「すごく素敵な人が着ていた服が<PHOTOCOPIEU>の服だった」というのが最高の褒め言葉だと思ったんです。着る人の奥行きを引き出せる服にしたかった。だから、ブランドが伝えたいことを形にするには、マネキンのほうがいいだろうと。むしろモデルより人としての“誰か”の余白を残せるマネキンのほうが人間らしいのではないかなと思いました。

― マネキン一体一体に名前と職業、人物設定が付けられていました。スーパーのビニール袋や新聞を持っていたり。これはどういう意図が?

<PHOTOCOPIEU>は、私がフランス留学時に自分と友人のために作り始めた服がきっかけで誕生した経緯もあり、そのまま品名に人名がついています。その流れの中で今回は、身につけているアイテムの品名を人に戻していくかたちで、一体ごとに人物像を作り、制作を進行していきました。チームと着付けをしつつ、「この人だったらこういう着方をするよね」とか言いながら、仕草をつけたり小物を持たせたり。3日かかりました(笑)。

― 全部新作でしょうか?

すべて24秋冬シーズンの新作です。デビューシーズンから作り続けているデザインもありますが、色やステッチのかけ方、シルエットなどもシーズンによって微妙に変えています。

― 今回とくに思いを込めた一着があれば教えてください。

すごく地味なのですが、マルジョリという名のマネキンが着ていた服。カシミヤのニットにデニムという非常にシンプルなルックで、ブランドとしてこれを発表すべきかどうか、正直とても悩みました。でも、服がいいか悪いかじゃなくて、こういう服の人がいてもいいはずだって考えたので発表しました。そういう意味で思い入れがあります。地味なルックも、そこに人の気配や感情を動かす何かが含まれたときに、「ファッション」として成立するのではないかと考えました。

― どのような思いを込めて服作りをされていますか?

ちょっとロマンチックに言っちゃうと、これから出会うであろう人に向けて。まだ会ったことのない人を想像しながら作っています。

<PHOTOCOPIEU>
設立年 2019年
Designer – 竹内 美彩

デザイナー、竹内美彩は東京での4年間の企業デザイナー勤務ののち、渡仏。パリ・サンディカを卒業後、<ISABEL MARANT(イザベル マラン)>や<VERONIQUE LEROY(ヴェロニク ルロワ)>での勤務を経て、自身のブランド<PHOTOCOPIEU(フォトコピュー)>を設立。パリ滞在中に自身や友人のために作成したシルクで作った数点のデイリードレスが元となり、日本への帰国とともに本格的にブランドを開始する。パリで出会ったしなやかで強い女性たちの姿勢に共感したことから、女性的なシルエットと強い佇まいを共存させた<PHOTOCOPIEU(フォトコピュー)>のウェアは生まれた。日々の暮らしに溶け込みながらも印象的なシルエットや着心地を追求した日常着は、徐々にその人らしさを体現する。

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