23年の“長い夏”に苦戦したアパレル企業は多い。続く冬も寒暖差が大きかったものの基本的には暖冬で、コート商戦は低調だった。今春も、遅い春とその後の急速な気温上昇への対応に各社、苦慮した。こうした春夏秋冬、季節の移り替わりの変容が衣料品MD(商品展開計画)の見直しを迫っている。
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広がるMD見直し
婦人服アパレルのジャヴァコーポレーション(神戸)は、年間の半分を「夏」と捉えた正価提案の確立を目指す。
同社の23年度業績(24年3月期)は減収減益の見込み。高気温が続いた23年夏から秋にかけての売り上げ苦戦を端緒に、下期計画を下方修正した。「プロパー売上高を上げる適正な仕入れを実現するためのMD設計」(浅見幸正社長)に課題がある、という。
それを修正・改善するための考え方が「年間半分は夏」と捉えること。セール期の7月を夏物の“ゴール”としてMDを組み立てるのではなく、秋(晩夏、初秋含め)の立ち上がり期としていた8月、9月も含め、4~9月を「夏」に位置付けた正価MDの構築を各ブランド長やMD担当者に要請した。
23年~24年のように残暑が10月まで続き、3月中旬までダウンコートが必要になるような気候は「今回に限ったことと思わない方が良い」からだ。残在庫過多による値引き販売の増加が収益を圧迫したこともある。
セールで売り上げを伸ばすのではなく、正価で“稼ぐ”構造に転換することが狙いに、24年度のセール売上高予算を前年比30%減に設定し、粗利益率を3ポイント程度改善することを目標数値に掲げた。
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