若者の間で、昨年12月に発表した『SHIBUYA109lab.トレンド予測2024』のモノ・コト部門にもランクインした「自然界隈(かいわい)」が盛り上がりを見せています。
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デトックスしたい
「自然界隈」とは自然のあるスポットに出向き自然を楽しむことを意味し、SNSを中心に使われるようになったトレンドワード。毎月実施している館内ヒアリングでも昨年冬ごろより「自然界隈してきた」と動詞的に話す若者が多く見られましたが、初夏らしいお出かけ日和が増え、自然を楽しむ若者が更に増えている様子がうかがえます。
彼らの指す「自然」は本格的な大自然から、都内でも楽しめる植物園やバラ園などまで多岐にわたります。最近は渋谷の「渋谷区ふれあい植物センター」や、葛飾区にある「都立水元公園」、等々力渓谷などが人気の自然界隈スポットとして挙げられており、SNSでは現地でカフェメニューやピクニックを楽しむ様子が見られます。
また〝自然界隈する〟際のファッションは、シンプルだけどトレンド感のある「ノームコアスタイル」や「モノトーンスタイル」が多く見られ、その場に溶け込むファッションテイストを選択して空間の世界観を壊さないようにする若者の特徴が表れています。
自然界隈ではその場に溶け込むファッションを選択(提供=@ski__0804)
SHIBUYA109ラボではこうした「自然界隈」のトレンドの背景にあるのは、若者たちの疲労感の表れではないかと分析しています。昨年5月にコロナが5類に引き下げとなり、外出やコミュニケーションが一気に増えたことから、膨大な情報から一時的に距離を置きデトックスをしたいという意識が芽生えているようです。
猛暑の日中避けて
一方で、今後のお出かけトレンドについては、「ナイトエンタメ」が注目されています。今年の夏も猛暑が予想されていることから、日中を避け、夕方以降の時間のお出かけを選択することが増えるかもしれません。昨年より夏のトレンドとして「ナイトプール」や「夜カフェ」など、夜の時間の過ごし方の選択肢は増えています。
また『SHIBUYA109lab.トレンド予測2024』モノ・コト部門にランクインした「クラブ」。K-POP楽曲限定のイベントや、アルコール提供がない高校生限定のイベントなどが、東京や大阪、福岡でも開催されています。
「自然界隈」「ナイトエンタメ」など一見すると一貫性のないトレンドワードですが、趣味やカルチャー、好きな世界観などの深く狭いコミュニティー内で共感し楽しむことができる「界隈消費」である点が重要です。今後も熱量の高い「界隈」に深く入り込み、ディテールまでしっかりと理解することで夏の企画にも生かせるのではないでしょうか。
長田麻衣(おさだ・まい) シブヤ109ラボ所長。総合マーケティング会社で、主に化粧品・食品・玩具メーカーの商品開発・ブランディング・ターゲット設定のための調査やPRサポートを経て現職。毎月200人の若者と接する毎日を過ごしている。好きなものは、うどん、カラオケ、ドライブ。
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