繊研新聞社が服飾系専門学校の学生を対象に実施した「ファッション意識調査」(回答数1184人)で、ファッションの参考として「フォローしているインフルエンサー」について聞いたところ、ユーチューバーでアーティストのあさぎーにょさんが3年連続で1位になった。この質問を始めて3回目の今回は、上位陣から著名なデザイナーやタレント、俳優の名前が減少。自らのブランドも手掛けるファッション業界人が票を集めたほか、ファッション系のユーチューバーやモデルが上位を占めた。
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榎本紀子さん急浮上
1位のあさぎーにょさんは、クリエイティブアーティストで、ポップで温かい世界を表現するブランド「ポピー」のディレクター。SNSの総フォロワー数が300万人を超える人気ユーチューバーで、2位の倍の票を集めて3年連続で1位となった。続いて前年の9位から2位に急浮上したのは、「ポピー」や「アール」のパタンナーで、自身のブランドも持つ榎本紀子さん。榎本さんは「尊敬するデザイナー」を聞く項目でも9位となり、初めて10位内に入るなど学生からの注目度が上昇中だ。
3位kemio(けみお)さんは前年5位、同票の3位かきぶちもものさんは16位から上昇した人気ユーチューバー。榎本さん、かきぶちさんは文化服装学院出身で、身近な存在として参考にする学生も多いようだ。
5位のミチさんはモデルで、弟のよしあきさんと2人で動画を配信するユーチューブチャンネルなどで人気。前年は10位圏外ながら一昨年は2位で、今回再浮上した。6位のせいらさんは『ViVi』専属の若手モデルで、前年は2位。同世代から注目されるファッションアイコン的存在が5位、6位に入った。
俳優では仲里依紗さんが7位にランクイン。8位はモデルの在原みゆ紀さんと、ユーチューバーのカワグチジンさんで、在原さんは一昨年の5位から返り咲き、カワグチさんは前年9位から順位を上げた。10位は中町兄弟の中町綾さん、コーディネートアプリ「ウェア」での投稿などが人気のしゅなたんさん、「うちラ3姉妹」のとうあさんのユーチューバー3人で、今回は全体にユーチューバーの健闘が目立った。
店舗とネットが同率
「ファッション商品の購入やスタイリングの参考にするSNS、情報源」(複数回答)について聞いた項目では、「インスタグラム」が前回と同率の86%と、9割に迫る回答率で1位。2位の画像共有サイト「ピンタレスト」は45%(前年比9ポイント増)、僅差(きんさ)で3位「ティックトック」は43%(12ポイント増)。ともに大幅に票を伸ばして4割以上が参考にすると答え、2位、3位の座を維持した。
4位「店舗やブランドのホームページやブログ」は25%(7ポイント増)で、前年の5位から上昇。一方、5位には「雑誌」15%(7ポイント減)と「ユーチューブ」15%(1ポイント減)が同率で入り、ホームページと雑誌は前年と順位が逆転。スマートフォンを使い、画像や短時間の動画で手軽に情報を入手する人の増加傾向が続いているようだ。7位の「ウェア」は4ポイント減の2%だった。
昨年に続き「ファッション商品の購入時、利用することが多いもの」を3択で聞いたところ、「リアル店舗」「インターネット」が前回と同じ36%で同率、「同じくらい利用」が26%、無回答2%だった。
リアル店を利用する理由は「実際にサイズや色、素材を見て、試着して確認したい」「店員さんと話せて楽しい」「ネットは不慣れで支払いが面倒」などの声があった。
ネットで買う理由は「店に行く時間がない」「近くに店がない」「豊富な商品をいつでも見られ、比較しやすく探しやすい」「海外ブランドなどネットでしか買えない物があり、在庫情報が分かる」「販売員に会わなくてすむ」などの回答があった。時間と場所を問わず購入できるなどの利便性がネットの魅力で、高額品や着用感を確認したいときは実店舗など、使い分ける人が多いようだ。
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