パルコが2025年秋シーズンの広告を公開した。クリエイティブディレクターには、「エルメス（Hermès）」や「グッチ（GUCCI）」、「ロエベ（LOEWE）」などのキャンペーンを手掛けた気鋭クリエイター エージェイ・ドゥアン（AJ DUAN）を日本企業として初めて起用している。

　同広告は「Echoes of self（反響、響き）」をキーワードに展開。映像の舞台は伊豆大島で、膨大な情報の中で自分自身の居場所を見つけられないまま彷徨う現代人が主人公。雄大な自然の中で自分の内面を探し求め、自然と自分自身の繋がりを取り戻す様子が表現されている。

　エージェイ・ドゥアンは、今回のテーマと制作意図について「私たち一人ひとりの『自我』はさまざまな声や反響（echoes）で構成されていると思う。他者からの声や見方すらも私たちの経験となり、お互いが響きあうように影響を与え合い、私たちの自己認識が形作られていく。情報が溢れる時代の中で、自我という曖昧で確かな存在を探求し、思索する様子を“echoes”というイメージで表現したいと思った」とコメントしている。なお、冬シーズン広告は10月中旬に公開される予定。

　同氏は中国・上海出身。ロンドンのキングストン大学で映画制作を専攻し学士号を取得後、バーミンガム大学大学院でドキュメンタリー制作を専門に修士号を修得。短編ドキュメンタリーやファッション短編、ブランドコンテンツなど多様な作品を手掛け、人物の情感と環境との相互作用を捉える作風で知られている。