ジョルジオ・アルマーニ氏最後のコレクション発表 映画「アメリカン・ジゴロ」主演のリチャード・ギアが追悼

GIORGIO ARMANI 2026年春夏コレクション
Image by: ©Launchmetrics Spotlight

GIORGIO ARMANI 2026年春夏コレクション
Image by: ©Launchmetrics Spotlight
ジョルジオ・アルマーニ氏最後のコレクション発表 映画「アメリカン・ジゴロ」主演のリチャード・ギアが追悼

GIORGIO ARMANI 2026年春夏コレクション
Image by: ©Launchmetrics Spotlight
「ジョルジオ アルマーニ(GIORGIO ARMANI)」が、イタリア・ミラノにあるブレラ美術館でファッションショーイベントを開催した。ショーとアーカイヴ展示「Armani/Archivio」の内覧会で構成されたイベントで、会場にはリチャード・ギアやケイト・ブランシェットなど世界各国から多数のゲストが集結。スーツの概念を変え、一代で売上高23億ユーロ(約3910億円:2024年12月期)の規模にまで成長させた故ジョルジオ・アルマーニ氏を追悼した。
ADVERTISING
アルマーニ氏は1934年、イタリアのピアチェンツァに生まれ。国立ミラノ大学の医学部に進学したものの、3年生で退学。1957年、ミラノの百貨店リナシェンテに就職し、バイヤーなどを務める。その後セルッティ社のメンズブランド「ヒットマン」のデザイナーに抜擢され、経験を積む。1975年に自身のブランド「ジョルジオ・アルマーニ」を設立。メンズから始動し、3ヶ月後にウィメンズも手掛けるようになり、1981年には「エンポリオ アルマーニ(Emporio Armani)」を立ち上げた。

ショーのインビテーションに同封されたアルマーニ氏をプリントしたTシャツ
Image by: FASHIONSNAP
1980年、アルマーニ氏の名を世界的に知らしめる転機として、ポール・シュレイダー監督の映画「アメリカン・ジゴロ」が公開される。作中でリチャード・ギアが着用したアルマーニスーツは新時代の男性像を体現し、「アルマーニルック」として世界中に広まった。アルマーニスーツは堅苦しいパッドや裏地を取り除き、柔らかく流れるようなシルエットが特徴で、この「アンコンストラクテッド・ジャケット」は権威的なビジネスウェアの概念を覆し、男性スーツの概念を根本から変えた。80年代当時、世の中のスーツが全て「アルマーニ」のようになり、日本のサラリーマンまでもがアルマーニ風になったほどだった。

リチャード・ギアが「アメリカン・ジゴロ」で着用した衣装
Image by: FASHIONSNAP
ミラノ時間9月28日に行われたジョルジオ アルマーニのファッションショーでは、アルマーニ氏が生前手掛けた最後のコレクションとなる2026年春夏ウィメンズを発表。会場には多数の灯籠が置かれ、Nuvole Biancheの楽曲のピアノ生演奏でショーはスタート。海の光から着想を得た柔らかなテクスチャーと、影と輝きの間で描いたというアルマーニ氏らしいシルエットのスーツやドレス、カジュアルウェアなどが披露された。同氏の最後のコレクションとあって、会場には、リチャード・ギアやケイト・ブランシェット、チャン・ツィイーのほか、「ドリス ヴァン ノッテン(DRIES VAN NOTEN)」創業者のドリス・ヴァン・ノッテンや「ポール・スミス(Paul Smith)」のデザイナーのポール・スミス、「ヴォーグ(VOUGE)」のアナ・ウィンターら大物ゲストが多数来場。ショーのフィナーレでは、来場者全員がスタンディングオベーションで、アルマーニ氏の偉大な功績を讃えた。
GIORGIO ARMANI 2026年春夏ウィメンズコレクション





Image by: ©Launchmetrics Spotlight
ブレラ美術館では、9月24日から150点のアルマーニのアーカイヴとともにブランド50年の歩みを紹介。同館でファッション関係の展示が行われるのは初となる。展示は、「展覧会は2つの視点から捉えることができます。一方では、創作者の自我を満たす喜びを提供します。他方では、自分の作品を通じて公衆、特に若い創作者たちと意義あるものを共有するという、教育的価値を持つ唯一の機会です。私が関心を持つのはその部分です」というジョルジオ・アルマーニの自伝「愛のために」から引用されたテキストからスタートし、ブレラ美術館で展示されている絵画とファッションが絡み合い、訪問者に予期せぬ視覚的・素材的対比との対話を促すためにアルマーニ氏自身が展示方法をディレクション。テーラリングの再解釈に始まり、装飾への特徴的なアプローチ、ニュートラルトーンに対する嗜好性、そして刺繍への愛と、アルマーニ氏のクリエイションが余す所なく伝わる内容で、リチャード・ギアが「アメリカン・ジゴロ」で着用したラペル幅が狭いスエードのジャケットや1993年秋冬コレクションのスーツ、直近の2025年秋冬コレクションのアイテムまで、50年にわたる美の探求を一堂に集めた貴重な機会となっている。会期は2026年1月11日まで。エレガンスとは何かを問いかける展示は、ファッションが単なる衣服を超え、文化的遺産としての価値を持つことを雄弁に物語っている。





ブレラ美術館に展示されたアルマーニ氏の作品
Image by: FASHIONSNAP
最終更新日:
ADVERTISING
RELATED ARTICLE
関連記事
RANKING TOP 10
アクセスランキング

「新富裕層調査2025」 世帯年収3000万円を境に大きな変化が

MM6 Maison Margiela 2026 Spring Summer

PRADA -Women's- 2026 Spring Summer