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【国内主要百貨店】前月に続き各社増収 秋物衣料好調、免税売上も復調傾向に 25年9月度売上

国内大手百貨店6社のロゴのコラージュ

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【国内主要百貨店】前月に続き各社増収 秋物衣料好調、免税売上も復調傾向に 25年9月度売上

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 国内主要百貨店6社(三越伊勢丹、髙島屋、大丸松坂屋百貨店、阪急阪神百貨店、松屋、近鉄百貨店)の2025年9月度の既存店売上高をレポート。上位顧客向けイベントや物産展などの催事開催と秋物衣料の売上好調に加え、前月から続く免税売上高の復調傾向により、6社とも前年実績を超える結果に。先月唯一マイナスでの着地となった三越伊勢丹も、伊勢丹新宿本店の「丹青会」や三越日本橋本店の「逸品会」での売上好調が寄与し、5ヶ月ぶりにプラスで推移した。

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※売上増減率は各社いずれも速報値を参照。
※売上は収益認識基準ではなく従来の総額売上高で開示。

大手百貨店2025年9月度売上高 前年同月比増減率一覧表


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三越伊勢丹:7.2%増

 三越伊勢丹の9月度売上高は、前年同月比7.2%増で着地。2025年4月度以来5ヶ月ぶりのプラスとなった。伊勢丹新宿本店の「丹青会」や三越日本橋本店の「逸品会」など上位顧客向けイベントが好調だったことに加え、エムアイカード会員、アプリ会員、デジタルID会員による顧客の識別化が順調に進んだことが寄与し、首都圏を中心に堅調に推移した。

 店舗別では、上位顧客向けイベントを実施した伊勢丹新宿本店(同14.0%増)と三越日本橋本店(同2.4%増)は前年実績をクリア。一方、三越銀座店(同1.6%減)、伊勢丹立川店(同2.6%減)、伊勢丹浦和店(同5.2%減)の3店舗は前年を下回った。

 国内客は、エムアイカード会員、アプリ会員、デジタルID会員を合計した「識別顧客」を中心に、高付加価値商品への関心が継続。ラグジュアリーブランドやデザイナーズブランドを筆頭に、すぐに着用できるアイテムが好調だった。また、伊勢丹新宿本店での「イタリア展」や三越日本橋本店での「フランス展」などのイベント開催が、新規顧客の来店促進に繋がった。

 インバウンド客では、化粧品や“旅ナカ(旅行中)”を充実させるアイテムへの関心が高まり、購買の幅の広がりが見られたという。

髙島屋:4.8%増

 髙島屋の9月度の国内百貨店既存店売上高は、前年同月比4.8%増と前月に続いてプラスで着地。免税を除いた店頭売上高(同4.4%増)の好調に加え、免税売上高も同2.7%増と前年実績を上回った。

 国内客には、月中旬以降の気温低下に伴い秋物衣料の売れ行きが好調だったほか、物産展等の催事も堅調に推移したことで、前年実績を更新。インバウンド客には、化粧品や婦人服、スポーツ、子供情報ホビー等が前年実績を上回り、全体の売上を押し上げた。

 店舗別では、大阪店(同10.7%増)、日本橋店(同3.8%増)、横浜店(同5.2%増)、新宿店(同1.0%増)、玉川店(同16.3%増)、EC店(同6.8%増)が前年実績をクリア。商品別では、紳士服、婦人雑貨、特選衣料雑貨、宝飾品、スポーツ、リビング、美術、食料品が前年対比プラスで着地した。

大丸松坂屋百貨店:7.9%増

 大丸松坂屋百貨店の9月度は、前年同月比7.9%増で着地。休日数が前年同月比1日減だったものの、外商売上の好調持続やインバウンド客の売上が前年実績を上回ったことなどから、前月に続き堅調に推移した。

 店舗別では、免税売上の好調が続く大丸梅田店(同12.0%増)や外商売上が好調だった松坂屋名古屋店(同13.4%増)をはじめ、大丸心斎橋店(同8.8%増)、大丸神戸店(同3.2%増)など、13店舗中5店舗が前年実績をクリアした。

 免税売上高は、キャラクターグッズなどのIPコンテンツが好調を維持したほか、化粧品を含む消耗品が大きく売上を伸ばしたことなどから、同11.8%増(客数同15.3%増、客単価同3.0%減)となった。

阪急阪神百貨店:3.2%増

 阪急本店の大型改装に伴う売場閉鎖のマイナス影響が継続する中、阪神梅田本店が売上を牽引。免税売上高も前年並みの水準まで回復したことで、阪急阪神百貨店全体の売上も同3.2%増と前年を上回った。

 阪神タイガースの2年ぶりのリーグ優勝に伴い、阪神百貨店各店と神戸阪急では8日からの1週間(神戸阪急は3日間)、優勝記念セールを実施。阪神梅田本店では、2022年4月の建て替えグランドオープン以降過去最高となる週間売上高と来店客数を記録し、月間売上高も同34.4%増と大幅に伸長した。

 阪急本店では、引き続く真夏日により、月前半に秋物ファッション全般が苦戦。全館の大型改装に伴う売場閉鎖の影響も継続し、売上高は同0.8%減と前年実績を下回る結果となった。免税売上高は、海外VIP顧客の売上が約2割増とけん引し、前年に近い水準まで回復した。

 秋物ファッションの動きが鈍い中でも、月中旬以降は識別顧客を中心に婦人衣料が本格的に稼働。また、ラグジュアリー売場改装に伴う9階仮設売場の認知も高まり、宝飾品の売上高は前年対比で約2割増と好調に推移した。宝飾品以外を含む100万円以上の高額品売上高も、前年に対し約2割増と伸長。そのほか、ブライダルニーズが好調なアクセサリーも前年実績を上回ったという。

松屋:2.4%増

 9月の松屋の売上高は、前年同月比2.0%増と前月に続くプラスで着地。免税売上高は同9.4%減と引き続き前年実績には未達だったものの、直近数ヶ月と比較し回復傾向が見られた。

 国内客の売上高は、さまざまな販売・来店促進策が奏功し同25.3%増と大幅に伸長。銀座店の強みであるラグジュアリーブランド(同約11%増)をはじめ、婦人衣料品全体(同約2%増)の好調が全体を押し上げた。

 10月度は、国慶節に合わせた訪日中国人客の来店増加等により、免税売上高のさらなる復調を見込んでいるという。

近鉄百貨店:13.3%増

 近鉄百貨店の9月度は、前年同月比13.3%増で着地。大阪・関西万博オフィシャルストア(あべのハルカス店、万博会場内店舗)での目標を上回る好調な売上も貢献し、全社合計の売上高が4ヶ月連続で前年実績を上回った。店舗別では、あべのハルカス近鉄本店(同0.9%増)をはじめ、10店舗中4店舗が前年実績をクリアした。

 あべのハルカス近鉄本店では、物産展を中心とするイベント開催が奏功して食料品が売上をけん引した結果、全体の売上高が前年実績を更新。9階催会場での「大北海道展」は売上が3億円を上回ったほか、伊勢・おかげ横丁の人気店が集結した初開催の催事「おかげ横丁においないな」も好評だったという。

 商品別では、菓子や生鮮食品で前年実績を上回ったほか、バッグなどの婦人洋品や、季節の変わり目で需要が高まったベースメイク用品も好調だった。

最終更新日:

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